いや、なに、思い出の、と言ったって、実際に生で見たことはないんですよ、このレース。ただ、リエージュ・バストーニュ・リエージュ(以下LBL)って言われると、1980年代後半からのレースが印象的なんですよね。ミロワール誌やウィニング誌、あるいは自転車競技マガジン(このころはまだサイスポではクラシックまで載っけてくれていなかったような気がします)だよりなんですがね。
なんと言ってもこの時代、1985年からモレノ・アルジェンティン

が3連覇し、さらに1991年にも勝っていて、4勝を上げているんです。もっとも時代をさかのぼればメルクス

は5勝しているんですけどね。
いや、ここに書きたいのはアルジェンティンのことではありません。書きたいのは、このアルジェンティンの4度の優勝でことごとく同タイムでゴールしていながら、ついに一度もLBLに勝てなかった選手、クロード・クリケリオン

のことですねん。いぜん、
スーパークリテのときの記事でも書きましたが、わたしってば、クリケリオンを応援してましてん。
オークションではジャージまで手に入れた話もしました。
前にも書きましたが、1985年、クリケリオンはLBLの直前のフレッシュ・ヴァロンヌで単独アタックを決めて、アルカンシェルを着てユイの壁を登り、優勝しているんですね。Winning誌では、これぞ、真の世界王者とあります。

© 1985 Winning No.25
それに対して、2位になったアルジェンティンは、クリケリオンを逃がしたのが大失敗、今後徹底マークすると発言。まさにその通りで、LBLではクリケリオンのアタックに反応したアルジェンティンとスティーヴン・ロッシュ

の3人が逃げてゴールスプリント。こうなれば、もちろんアルジェンティンが優勝、クリケリオンが2位となったのでした。

©1985 Miroir 367 (アルジェンティンのビアンキのマイヨも懐かしいですね。久しぶりに見たけど、これ綺麗だな。)
翌年はこの逃げが、クリケリオンとアルジェンティンに、アドリ・ヴァン・デル・プール

とダグ・エリック・ペデルセン

が合流、4人になり、またまたアルジェンティンが優勝、クリケリオンはゴール前であきらめたか4位。
このときは、クリケリオンの積極的なアタックをアルジェンティンがマーク、ヴァン・デル・プールが追いついて、3人で逃げていたんですね。もしこの3人でゴールスプリントとなれば、アルジェンティンとヴァン・デル・プールは互いにゴールスプリントに自信があっただろうし、クリケリオンがゴール直前に逃げたら逆に牽制しあって、クリケリオンが優勝する可能性もあったかもしれません。でも残り20キロほどのル・フォージュの丘でペデルセンが追いついてきてしまうんですね。レース後、ペデルセンは、クリケリオンに悪いことをした。自分が追いつかなければ、彼が勝っていただろうと語っています。

©1986 Miroir 381
次の年はクリケリオンとロッシュだけで逃げます。この二人なら、85年の結果からすれば、ついにクリケリオン、地元のレースで優勝か、と期待がふくらんだのですね。ラスト10キロでクリケリオンとロッシュは、数人の追走集団を引っ張るアルジェンティンに対して1分以上の差をつけます。ところが、あとはリエージュの町に入るというあたりで、二人は牽制を始めてしまいました。そしてラスト500メートルで突然追いついたアルジェンティン、あれよあれよという間に先頭でゴール。見ていたメルクスが同国人の後輩クリケリオンをこき下ろしましたね。ばかげてる!勝つ気がないのか、って。結局2位はロッシュで、気落ちしたクリケリオンは3位。

©1986 Miroir 394

©1986 Miroir 394
だめ押しは1991年。これはヴィデオも出ていたので、見ている人もいるかと思いますが、やはりクリケリオンが登りで単独アタック。するとしばらくして後ろからするするとアルジェンティンが数人を引き連れて追いついてきます。途中セレンセンの単独逃げなどもあるんですが、有名なル・ドゥートの丘でアルジェンティンとクリケリオンとセレンセン

とインドゥライン

の4人になり、そのままゴールへ。スプリントでは当然のごとくアルジェンティンが優勝。クリケリオンはまたしても2位でした。ゴール後、アルジェンティンの肩をポンとたたいたクリケリオン、すでに引退も近く、一番勝ちたかったこのレースにとうとう勝てなかったという悔しさもあっただろうにね。
結局アルジェンティンの優勝はすべてクリケリオンが同タイムでゴールしているっていうわけ。しかも(たぶん)どれもクリケリオンを徹底マークした形で4勝。一つぐらい地元のクリケリオンに勝たせてやればいいのにねぇ。
さて、今年はどうなるでしょうね。やっぱ、ジルベール

かなぁ。
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