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マルティン・ニーメラー牧師の詩

2012.02.09.22:04

ニーメラーはドイツの牧師。ナチスの時代には強制収容所に送られて九死に一生を得た人です。

ナチスが共産主義者たちを連行したとき
わたしは黙っていた
だってわたしは共産主義者ではなかったから

やつらが社会民主主義者たちを投獄したとき
わたしは黙っていた
だってわたしは社会民主主義者ではなかったから

やつらが労働組合員たちを連行したとき
わたしは黙っていた
だってわたしは労働組合員ではなかったから

奴らがわたしを連行したとき
抗議してくれる人は
もうだれもいなかった

この詩はいろんなバリエーションがあるそうです。たとえば、「ナチスがユダヤ人達を連れて行ったとき」で始まる節が付け加えられたり、「ユダヤ人」のかわりに「カトリック」や「障害者」になったり。

ただ、ナチスという明確な抵抗すべき対象があるのはわかりやすくてうらやましい。今の日本に当てはめると、ナチスにはなにが当てはまるのでしょう?そうしたレッテルを貼ることのできる明確な「敵」がわからないのが今という時代なのかもしれません。

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comment

アンコウ
やまだんさん、

初めまして。嬉しいコメントをありがとうございます。石垣りんさんの詩のご紹介もありがとうございました。戦争を知っていた世代の人たちの言葉にはものすごい重みがあります。りんさんは特に女性として日々の生活の中でのことを書きながら、それが大きく社会批判になっている詩が多く、この詩は記憶にありませんでしたが、いい詩ですね。

昨今の言葉の軽さ、特に政治家の言葉の軽さ、証拠があろうがなんだろうが、印象操作とか言って、あったこともなかったと10回繰り返せばなかったことになるとでも思っているかのようなでたらめさを前にするとき、こういう詩を読むとほっとします。

ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
2017.07.10 14:10
やまだん
初めまして。タルコフスキーやブリューゲル、おいしそうなお料理のお話を楽しみに、ひっそり読ませて頂いておりました。

ニーメラーの詩をこの先、何度も何度も発信しなければいけない世の中が、本当に、ついに来てしまったようですね。

彼の言葉を思うとき、私は双子の言葉のように、石垣りんさんの「雪崩のとき」を思い出します。

雪崩のとき

 人は
 その時が来たのだ、という

 雪崩がおこるのは
 雪崩の季節がきたため、と。

 武装を捨てた頃の
 あの永世(えいせい)の誓いや心の平静
 世界の国々の権力や争いをそとにした
 つつましい民族の冬ごもりは
 色々な不自由があっても
 またよいものであった。

 平和
 永遠の平和
 平和一色の銀世界
 そうだ、平和という言葉が
 この狭くなった日本の国土に
 粉雪のように舞い
 どっさり降り積もっていた。

 私は破れた靴下を繕(つくろ)い
 編物などしながら時々手を休め
 外を眺めたものだ
 そして ほっ、 とする
 ここにはもう爆弾の炸裂(さくれつ)も火の色もない
 世界の覇(は)を競う国に住むより
 このほうが私の生きかたに合っている
 と考えたりした。

 それも過ぎてみれば束の間で
 まだととのえた焚木(たきぎ)もきれぬまに
 人はざわめき出し
 その時が来た、という
 季節にはさからえないのだ、と。

 雪はとうに降りやんでしまった、
 降り積もった雪の下には
 もうちいさく 野心や、 いつわりや
 欲望の芽がかくされていて
 “ すべてがそうなってきたのだから
 仕方がない ” というひとつの言葉が
 遠い嶺(みね)のあたりでころげ出すと
 もう他の雪をさそって
 しかたがない、しかたがない
 しかたがない
 と、落ちてくる。
 
 ああ あの雪崩、
 あの言葉の
 だんだん勢(いきお)いづき
 次第に拡がってくるのが
 それが近づいてくるのが

 私にはきこえる
 私にはきこえる。

これからも引き続き、楽しみに読ませて頂きます。
2017.07.10 12:29
アンコウ
Madernaさん、

うーん、たしかにあれは感覚的に気持ちの悪い政党です。どこまで考えて言っているのか知らないけど、すでに60年も前に大失敗し、戦後の世界でも、まっとうな国が一つとして存在しなかった「独裁制」を、今の日本で必要なものだ、なんて言っている、このことだけで、絶対にこいつはおかしいと思わなければいけない。しかし、今のこの無関心と冷笑主義の蔓延した日本では、こういう大きな事を言う奴が持てはやされるんでしょう。
2012.02.10 23:17
Maderna
今の日本でナチスに当てはまるのはやっぱり橋下徹と大阪維新の会じゃないでしょうかね。
国政進出を狙っているらしいですが、きっとナチス同様大躍進してしまうのでしょう…。
2012.02.10 21:54

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アンコウ

アンコウ
**********************
あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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