国が国民に大切な情報を隠したり、あるいは約束したことを破ったり。そういうことが続くと、当たり前だけど国民は国の言うことを信用しなくなる。国から活力は失われる。あたりまえだ、国民は何をしても無駄、何も信じない、となれば、場当たり的、刹那的、冷笑的な人生観しかもてなくなる。
日本には「障害者自立支援法」というトンデモ法がある。小泉郵政選挙の陰でこっそりとできあがった法律で、障害者が生活する際に必要な支援をサービスと称して金をむしり取るという法律だ。当然支援がたくさん必要な重度の障害者ほど出費が多くなる。世界中探してもほどんとない(だろうと思う)法律だ。当然日本各地で憲法違反だとして訴訟が起こった。
政権交代により、2009年10月30日に、全国大フォーラムの舞台上で民主党の最初の厚労大臣の長沼大臣はこの法律を廃止すると約束した。
これにより、各地の訴訟は和解が成立、当時の鳩山首相のもとで、国と原告の「基本合意」が成立した。拙ブログでもそのことは書いた。
「障害者自立支援法訴訟和解」へその後障害当事者も参加して制度改革のための会議が開かれ、大変な時間と労力が費やされて提言がまとめられた。ところが、民主党の内部ではどうやら「自立支援法を廃止することなく、同法の改正法案で済ませる」という動きが強まっているらしい。
和解が成立した元訴訟の全盲の弁護士・竹下義樹弁護団長の言葉を引用したい。
「基本合意は、政治家の思いつきではない。厚労省丸抱えで起案づくりをし、首相官邸で、時の首相が、廃止と新法制定を約束したものだ。国の公文書だ!(中略)日本の国が、国としての体をなさないようなことにならないためにも、約束は実行されることを強く願っている」
今回の大震災と原発事故を契機として、この日本という国がいかにいい加減なことをしてきたか、また、弱い人々に負担を押しつけて平和や繁栄を謳歌してきたかがはっきりしてきたわけです。原発も米軍基地も派遣の問題も。
自分たちは責任を取らない、問われない、そういうたかみから人々に自己責任といいつのり、そのくせ重要な情報は隠す。いや、なにも国の偉い政治家や官僚だけ批判すればいいわけではない、僕ら自身もそうした流れのなかで見ぬふり、知らぬふりをしてきたんじゃないのか。
強制収容所で何が起きているか、うすうす気がついていながら、知らないふり、見ないふりをしてきたんじゃないのか?
この先、このままいけば、きっと憲法も改正されるでしょう。スパイ防止法の名目で、ますます国は国民にとって重要な情報を隠していくでしょう。貧富の差が広がり、貧しいものは軍隊へ入るのが選択肢の一つになるでしょう。大げさだと思いますか?杞憂だと笑いますか? 10年後、20年後、これを思い出して、本当に笑ってもらえたら本望です。
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