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「ごまかさないクラシック音楽」

2023.08.27.20:43

IMG_7621.jpg

むちゃくちゃ面白かったぁ。いや、バッハ以前から、バッハ、そしてベートーヴェンぐらいまでは、社会や時代との繋がりって、知識としては知っていたつもりだったけど、それが今現在と繋げて語られると、改めて目から鱗の気分だった。知らないことも、考えたこともなかった繋がりも、いろいろ「過激に」教えてもらった。

今の時代に、右肩上がりのイケイケドンドンのベートーヴェンを聴くこと、「このバカバカしさをひそかに感じていなかったらウソだろう」(p.36) とか、このSDGsの時代に、「ベートーヴェンを聴いているかぎり、どんどん熱くなって、地球温暖化も進むのかも。ベートーヴェンの音楽にとって、「熱くなる」のは絶対善なんだから」(p.128) なんて、そういうふうに自分が今、生きている時代のなかで、この時代をつなげて考えることなんて、あんまりなかったからなぁ。

特に面白かったのは最終章の現代音楽のところ。著者たちと僕は世代的にほぼ同じだから、1970年の大阪万博に修学旅行で行った時、ドイツ館ではたしかにシュトックハウゼンのキュ~~、ピポパポってのが流れていた。池袋の西部美術館は何度も行ったし、アール・ヴィヴァンで画集や現代音楽やホーミーのCDを買ったものだった。

そういうリアルな記憶と共に、ここで東西冷戦化での文化的な競争が、一方で前衛音楽やプレスリーやビートルズが自由を謳歌し、それに対してソ連では個人(自分の思い)を消すことが生き残る道だった。この自由の謳歌を後押しするために、前衛音楽に投資支援されていたけど、東西冷戦が終わるとともに、それは消えていったなんて、そう言われてみると、なるほど!! だ。

「音楽」の背後の頑強なイデオロギー性に無自覚に、グルメよろしく美的にのみ消費する、というのはやっぱり危うい。あまり無邪気に「音楽って、いいですねぇ」とは言いたくない。(p.335)

おっしゃるとおりです。ごめんなさい。


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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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