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ボーラ監督、デンクのインタビュー

2022.05.31.18:12

なんか昨日一昨日と、最後のところが二重になっていたようで、ご指摘くださった方に感謝です。

というわけで rsn のデンク監督へのインタビューをご紹介。


rsn: ジロの優勝が決まった時のお気持ちは?

デンク: いい気分だったよ。なにしろちょうど10年前に最初のグランツール、ジロでチームの前身のネットアップが初出場したhttp://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-776.html。当時は生き残りをかけて戦っていた。それが今は優勝だ。この勝利はそれだけに特別だよ。

r: ボーラはエマヌエル・ブーフマン、ヴィルコ・ケルデルマン、ジャイ・ヒンドレイと3人エース体制で白に臨んだわけですが、誰に一番期待していたのでしょう?

デ: ブラックマンデーに相当するLBLの翌日以降はそんな余裕なかったよ。幹部で話し合って、そもそも8人の選手をメンバリングできるかさえ不安だった。代替案も考えていた。ケルデルマンはリエージュで酷い落車をしていたし、ヒンドレイは体調不良で出走すらできなかった。ブーフマンも高地トレーニングで風邪をひいていた。本気で代替案を考えたんだが、それはありえなかった。けっきょく「やってみるしかない」という結論に落ち着いた。できるだけうまくいけばいいなとおもっていたんだよ。

r: どんなふうに「やってみるしか」なかったんでしょう?

デ: 攻撃的に走ることだよ。総合順位争いはどうなるかわからなかった。例えば、エドナ山への第4ステージでは、3人がそもそもうまく登れるかどうかすらわからなかった。だからレンナルト・ケムナを逃げに送り込んだんだよ。それが素晴らしくうまく機能してステージを取れた。

r: あの時点ではジロの総合優勝など考えずに、ケムナにステージを取りに行かせたということでしょうか?

デ: そう、やれることをやるというモットーに従ったんだ。うちのチームにスプリンターはいなかったし、山でやってみるしかなかった。しかし、コーチ陣にも賛辞を送らねばならない。彼らはレースに向けて多大な努力をしてくれた。コースの下見や選手たちとの打ち合わせでね。3月に下見に行った時、トリノ周辺は曇っていて霧がかかっていたんだ。その時に第14ステージ(ボーラが集団を引いて人数を絞ると共に優勝候補を限定したステージ)の戦術を思いついたんだ。これならびっくりするようなことができるとね。

r: 新しいコーチ陣の中でガスパロットはこの勝利にどのように関与しているのでしょう?

デ: 新しいコーチ陣のアルダークとガスパロットの二人組が大きく関与したよね。彼らは最後の最後までジロを徹底的に分析し、どんな小さなことも見逃さなかった。20ステージの戦略は本当に上手くいっただろう? ケムナがリレーを請け負って実にうまく機能した。すごかったよね。あの戦術はもちろん常套的なものだけど、あそこまでうまく行ったのは、アルダークとガスパロットのおかげだよ。

r: ケムナは去年ほとんどレースに出られなかったけど、見事な復活です。これはあなたとしては驚きでしょうか?

デ: 彼が自転車に乗れて、それを嬉しいと感じていれば、才能があるからなんでもできると思っていた。私としては彼に再び自転車に乗る喜びを与えることが重要だったんだよ。こちらを足して、あちらを引いてとか、高地トレーニングをもう少し増やすとか、そんなことはどうでもいいことだったんだ。そういうことは何もしなかった。彼を楽しい気持ちにさせることだけが重要だったんだ。たとえば去年の10月のアフリカでのマウンテンバイクレースに出すこともそうした計画の一環だったんだよhttp://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-4161.html

r: このジロの後、ケムナへのプレッシャーは再び大きくなりそうだけど、その点で心配はないですか?

デ: レンナルトはとても良い状態になっていると思ってる。彼にツールを走らせるかどうか考えているところだ。一応第一次メンバー表に名前は入れてある。彼が目標を持っていた方がよいだろうからね。彼ならポディウムも順位も気にせず自由に走らせることができるからね。

r: エマヌネル・ブーフマンはこのところのグランツールは運がないですね。潜在力はもっと高いと思うのですが。彼について今後はどうするのでしょう?

デ: どうするか考えねばね。ブエルタは間違いなく可能性が高い。ツールはどうだろうね。ジロでは総合7位だった。もちろん感染症で完全な準備ができなかったということもある。でも、ジロでドイツ人選手がトップテンで走ったのはいつのことだ? 十分これでも満足できるだろう。

r: あなたの夢はグランツールの表彰台でした。今それを成し遂げましたね。今はラルフ・デンクはどんな夢を見ているのでしょう?

デ: もちろんツールでの優勝だよ。さっき言った通りさ。青春の夢みたいなもんだけどね。でもジロで優勝したんだから、真剣に考えたっていいだろう。だけど、どの選手でいつできるかは言えないよ。でもうちのチームを見れば傾向は見えるだろう。もしかしたら将来のツール優勝者がうちのチームのU19チームにいるかもしれないよ。わからないけどね 笑)しかしそのためには経済的な条件も必要だ。それが私の本業だからね。私たちはスポンサーを満足させなくちゃならないし、もちろん新しいスポンサーも募集中だよ。


ちなみにジロって、そもそも有力ドイツ人選手があまり参加してないんですけど、トップテンはほぼ40年前の1983年のディートリヒ・トゥーラォが5位に入って以来ですね。その前を遡っても2人しかいません。ブーフマンは4人目ということです。


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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