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2006年、ジロのイエンス・フォークト

2021.12.27.22:34

あるふぁさんのコメントに触発されて、ちょっと調べてみました。2006年のジロ・ディ・イタリア第19ステージ。

この年のジロは第8ステージでトップに立ったチームCSCのイヴァン・バッソがそのままリードを広げて、終わってみれば2位に10分以上の大差をつけて優勝したのでした。

で、バッソのアシストだったイェンス・フォークト(フォイクト)が見せた19ステージゴール前のの態度。今の自転車競技ではもう見られない格好よさでした。



このステージはサン・ペレグリーノ峠の山頂ゴールステージ。この日フォークトは、バッソのアシストのために逃げに乗って、ずっと集団の後ろでツキイチ。最後の登りでバッソが大丈夫だとわかるとアシストとしての役割を終了し、スペインのマヌエル・ガラテと二人で逃げます。しかしほぼガラテが前を引いて、フォークトはあまり前に出ません。最後ゴール直前になって、フォークトはガラテの横に並んで彼の肩を叩いて「行け!」と言って勝利を譲ります(3時間13分50秒ごろ)。

ゴール後のセリフがなんとも格好いい。

フォークトの話。「このステージでは僕は他の選手の後ろに付いていただけで仕事を何もしなかったからね。勝利にふさわしくないよ。プレステージの高い勝利を捨てたことはわかるけど、ガラテが勝ったのは、彼がそれに値する働きをしたからだ。」

昨今のレースシーンではまずお目にかかれないシーンではあります。たぶん、今のレースでこの時のフォークトと同じことをしたら、ゴール後に監督からこっぴどく叱られるんじゃないでしょうか 笑)

一方、優勝したガラテも感動しています。

ガラテの話。「フォークトが僕にしてくれたことは決して忘れない。いつかお返しをするつもりだよ。ゴールが近くなったら、彼は僕にこう言ったんだ、自分が勝つわけにはいかない。スプリントするつもりはないよ、って。彼がしたことは、彼が競技の面で立派な勝者であることを証明するともに人間的にもグレートで、僕らがやってるスポーツの素晴らしい面を見せてくれたね。」

この時フォークトはツールですでに5年前にステージ勝利を挙げていたし、逃げ屋として有名な選手でしたが、ジロは初出場。というか、この選手の経歴を見ると、この年のジロまでほとんどイタリアのレースに出場してませんね。でも、この2年後、ジロでソロアタックを決めて勝利を挙げていますので、まあ、よかったよかった。



このステージで39位でゴールしたガラテがお返しとして助けてくれたかどうかはわかりません 笑)


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comment

Arturo
アンコウ様
  確かに2010年と言うと、あからさまに僕の時代より後ですね。(苦笑)僕が抱いていたプロスポーツ界の概念がもう通じなくなる、なった、と解釈しました。かつ今回のケースでは監督からの怒られ口上が、「このUCIポイント獲得の機会をフイ(減額!?)にしやがって!。ポイントが足りなくなったらチームは存続出来なくなるんだぞ。以後気をつけろ!」との趣旨と解釈しました。
 確かに、僕の概念ではスポンサーが事実上の全て、、、、と言う概念、だったので、、、ここは概念の崩壊です。(涙)
 僕の概念だと、今回のケースでは(仮にこのレースを獲ってしまったとして)「おいコノヤロ〜、あんな勝ち方するんじゃない!。苦情の電話(現代だとSNS&ツイッターその他!?)が本社までかかってくるじゃないか!企業イメージを落とすような真似はするな!。」となるので、、、(その選手の性格が現れる〜と言うのとは論点が違うかも、、、、、)
  でも、TV中継でも二人なりで逃げている状況で、TV画面上でも二人なら二人でどっちがどれだけ引いているか(比率)なんて言うのをよくリアルタイムでテロップ的に表示してたりしてましたが(刻々変化する)、日本の中継って見た事ないのですが、そんなテロップ調の表示、アンコウ様も日本では見た事ないとか?。
2022.01.01 16:50
アンコウ
Arturo さん、

むろんUCIのポイント制による引き締めが厳しくなったのが、こうした一昔前ののどかな(=とても人間的な、というか、その選手の性格があらわれるというべきか)時代とは変わってしまったという意味です。

フォークトのこのレースは2006年。UCIのポイント制強化は2010年過ぎぐらいですかね? その後のレースは拙ブログでも書いたように、ツキイチの選手がゴール前にアタックして逃げて優勝というのが目立つようになりました。ゲシュケがそれでロシア人にやられた記事を書いた記憶があります。

これって結局時代を移しているんだと思うんですよ。世知辛い新自由主義的な時代の反映というと牽強付会と避難する人もいるでしょうけど。まあ、それについてはいずれ記事にしようと思っています。
2021.12.31 23:27
アンコウ
owow さん、

はい、ご無沙汰しています、って、どなたでしょう? 笑)

同じHNの人っているんですね、まあ苗字だけをHNにすれば同じになるケースは多いんでしょうけど。今後はこのHNで、ということで、改めてよろしくお願いします。
2021.12.31 23:18
Arturo
アンコウ様
  僕のように知識にカビの生えた者が言うのもなんですが、監督がこっぴどく叱ったか否かは微妙だとは思います。ましてや、舞台はイタリアですよね、、、、
  いや、現代ではそういう時代になってしまった!?と言う事か!?(苦笑)
  以前マペイの3人ゴールの件は散々話題に出した記憶がありますが、それよりもっと前、総合を狙った走行をしている選手を利用するだけ利用して、ゴールだけ頂戴する、そんな走りをした選手が表彰台でブーイングを喰らっている姿を思い出してしまいました。遠い昔の光景!?。
  
2021.12.30 19:59
owow
HNでは誰だかわからないと思いますが、ご無沙汰しています。
いつも自転車関連の本文を読むだけでコメントは気に留めていなかったのですが、同じHNを使ってコメントされている方がいることに気づいたので今日は違うHNにしてみました。
(私は政治に関心がないわけではありませんが、こういうところで発言することはほぼありません)

ところでこのジロでのフォークトとガラテの話、知ってはいましたが映像を見るのは初めてでした。ありがとうございました。
2021.12.30 09:07

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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