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映画「ユダヤ人の私」

2021.12.06.23:10

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岩波ホール、平日の午前の部は20人ぐらいでした 笑)

以前書いた「ゲッベルスと私」のシリーズ第二弾。前作はナチスの宣伝大臣ゲッベルスの秘書をしていた女性が100歳を過ぎてインタビューに答えたものだったのに対し、今回のはナチスに追われ、アウシュヴィッツを始め4つの収容所で6年かを生き抜いたオーストリア、ウィーンのユダヤ人の男性が、前作の女性と同様100歳を超えてインタビューに答えたもの。

前作とおなじく、カメラは固定で黒い背景を前に老人が語る姿を写し続ける。音楽もナレーションもインタビュアーのセリフもないのも、インタビューの合間に当時の記録映像などが挟まれるのも前作と同じ作りです。

今回はオーストリアの状況がメイン。オーストリアは現在では永世中立国だし、音楽の宮古ウィーンを首都にした小国で、平和国家のイメージがあるかもしれない。だけどナチスによるオーストリアの併合、いわゆるアンシュルスについては村上春樹の小説「騎士団長殺し」にも出てくるけど、これはオーストリアでは99%のオーストリア人(ユダヤ系は除く)が併合に賛成した。これは以前紹介したテレンス・マリックの映画「名もなき生涯」の主人公が村で唯一併合に反対するという設定でした。

オーストリアは戦後はナチスによって侵略されたと称して、自分たちが率先して行ったユダヤ人迫害などの悪事には頰被(ほおかむ)りを決め込んだわけです。しかも、終戦後の最初の大統領となった左翼の政治家すら、収容所から解放されたユダヤ人たちが首都ウィーンに戻ってくることを禁じていて、明らかにナチでなくても、またナチの後も、反ユダヤ主義を完全払拭できてなかったことがわかります。

インタビューでも怒りを込めて語られますが、収容所で8歳から12歳の子供を集めて授業をしていたユダヤ人は戦後ビルの管理人として働いたが、そのビルを所有する大会社の重役には元SSが収まっていたそうです。

洋の東西を問わず、本来戦争責任を問われるべき人間たちが戦後、平和な時代になっても良い地位を占めたわけ。例えば日本ならA級戦犯の岸(安倍の祖父)が首相になり、オーストリアではナチス突撃隊将校で、ユーゴで残虐行為に関与した疑いがあったクルト・ワルトハイムが大統領になったように。

今回の主役男性は長年オーストリアで講演活動を続けてきた人だそうで、前回のゲッベルスの秘書の女性のような、言い淀んだり、沈黙が続いたりという、見ていてハラハラするようなところはなかったですね。その意味では映像として、前作の方が面白かったかなぁ。


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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