
ルーマニアのドキュメンタリーだけど、これがドキュメンタリーらしさがまるでない。出てくる人たちがみんな俳優のようにカメラを全く意識していない。そもそも新聞社の編集会議や大臣の執務室で、カメラが揺れることも音声が途切れることもなく、普段の様子を撮るってのだけでもすごいことだ。
2015年、ルーマニアでライブハウスの火事があり27人が亡くなった。怪我をした人たちは病院に運ばれ、それからしばらくして次々に死んで、結局全部で64人が死亡する。政府も病院も治療はドイツ並みの立派なものだったと言うが、良心的な医師や看護師が内部告発し、製薬会社が消毒薬を10倍に薄めていたことがわかる。さらに病院経営者や政治家が多額の賄賂を受け取っていたこともわかってくる。
何しろすごいよ、火傷で病院に入院している患者の体にウジが湧いてるんだから。その映像とともに顔出しで内部告発した女医さん、その後大丈夫だったんだろうか。
それを調査報道で、保健大臣をはじめ内閣総辞職に追い込んだのがスポーツ新聞社の編集長たちで、前半は彼らの活躍ぶりが中心になる。会見上で鋭い質問を飛ばし、製薬会社社長や病院経営者たちの張り込みをして追求していく。
一方、辞職した大臣の後釜として、正義感あふれる銀行家で慈善家の若い人物が職につき、中盤からは彼が中心になる。それとともに、途中何度か火事で重度の火傷を負い、手の指をほぼ全部失った建築家の女性が、自らの身体のケロイドをさらした写真活動の様子も挟まれる。彼女の大きな写真が大臣室の壁にかけられているのが何度も映る。
新大臣はそれまでの製薬会社と医療と政治の癒着に切り込んでいくのだが、敵対勢力による彼に対するネガティブキャンペーンも行われ。。。そしてルーマニアの総選挙が近づいてくる。。。しかし予想では投票率は低そうだ。。。
まあ、権力は腐敗する、国は必ず嘘をつくというのはどこの国でも同じようだ。同時にこの映画で映し出されているのはコロナ前の時代で、現在のルーマニアも御多分に洩れず極右排外主義・コロナはただの風邪的勢力が勢力拡大しているわけで、おそらく、この映画に描かれた利権と政府の腐敗ぶりはさらにひどくなっているんだろう。どうにもお気の毒である。
まあ、他国のことをお気の毒なんて言ってられるような立場にないのは、日本だって結局利権でがんじがらめの国になっているわけで、それは原発だってそうだけど、今回のコロナ騒動でも中抜き利権のためにアベノマスクをくばったり、GoToトラブルならぬトラベルやったり、無理無理のオリパラやって、患者が激増してもオリパラのせいじゃないと言い張ったわけだからね。利権を全てなくせ、なんてのは無理だけど、利権に目が眩んで国民の命なんか興味がない政治家ってのは、ルーマニアにも日本にもたくさんいるわけだ。
よければ、下の各ボタンをポチッとお願いします(まあ、大した意味ないですので、ポチッとしなくても構いません。おまじないみたいなもんです 笑)

にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト
trackbackURL:http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/tb.php/4148-a88ae318