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映画「わが名はキケロ ナチス最悪のスパイ」

2021.08.23.11:48



トルコ映画です。第二次大戦が始まり、イギリスにもナチスドイツにもつかず、のらりくらりと参戦を回避したトルコ。普通に第二次大戦を図式化すればイギリス(連合軍)=善、ナチスドイツ=悪、となるだろうけど、西洋の戦争なんかに巻き込まれたくないトルコにとっては、ここではどっちも悪。

スパイ映画としてはヒヤヒヤ感は薄いかなぁ。ハリウッドのスパイ映画だったら、スパイ活動をもっとハラハラ危機一髪の感じにするんじゃないかと思うんだけど。そうは言っても主人公とヒロインの設定がおもしろく、途中、え?! と思う素晴らしいシークエンスもあった。

ただし、史実に基づいているというけど、お話のポイントになる T4作戦という悪名高い障害者(児)の抹殺計画は、史実では組織的に行われたのは戦争が始まる前までで、その後はこの映画に描かれるような組織的なやり方はしてなかったんだと思う。いや、ドイツ国内では戦前に7万以上が殺害され、中止の命令が出た後も医者や看護師が密かに続行して、最終的には20万ぐらいの人が殺害されているんだけど、この映画にあるように、トルコにいる障害児(国籍はドイツなんだと思うけど)をブルガリアの収容所に送って殺害するというのは、史実ではないだろうと思うんだけど。そして、もちろんヒロインとの関係も思いっきり無茶苦茶盛っているんでしょう 笑)

また、映画の冒頭、第一次大戦末期のトルコでのアルメニア人大虐殺が暗示されるシーンだけど、このジェノサイドは現在のトルコは国として認めてないから、映画人としての勇気が必要だったんじゃないかと思う。またチャーチルがトルコに来てイノニュ大統領と会談するシーンなんかも事実に即しているんでしょう。ここ、結構個人的にはツボったとこでした。戦闘機や大砲を餌に、なんとか連合軍側にトルコをつけたいチャーチルの話を、仲介した通訳は、大統領は耳が遠いのです、とはぐらかす 笑)いいなぁ、ぜひこれは歴史上の事実であってほしいものです。

主役は一見、「シェーン」の悪役ジャック・パランスみたいな悪党ヅラなんだけど、話が進展していくとともにとても魅力的に見えてくるから不思議 笑) 一方のヒロインの方は古風な金髪美女で個人的に好きなタイプ 笑) いや、これ大切なところです。私、男優に目が行きがちで 笑)女優であまり気に入ったと思うことがないんですよね 苦笑)

周りを固める重要な役柄のイギリスとドイツの大使付き副官も、どちらも一癖二癖ありそうな役者を配していて、こういうところにインパクトのある顔の俳優ってのが、映画を一層面白くするんだと思う。

ただ、最後の終わり方は僕の好みじゃないな 笑) それとヒトラー、やっぱり似てません 笑)

(T4 作戦については拙ブログも何度か取り上げたのでリンクしておきます。)

死刑制度について(初めてT4作戦の名前を出したのはもう10年以上前。まだ日本ではほとんど知られてなかったし、関係書もあまりなかったと思う)
NHKハートネット「障害者と戦争」
ナチスによる障害者虐殺パネル展示会
岡典子「ナチスに抗った障害者」


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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