
昨日の夜、渋谷で見てきました。4年ぶりですが、やっぱりすごい映画です。のちのタルコフスキーのような難解さはなく、眠くなるような 笑)ところもありません。タルコフスキー後期の映画と違って、ストーリーに無茶苦茶なおまじないじみたところがないし 苦笑)、馬が全力疾走する躍動感も後期の映画には見られないものでしょう。
名前も同じアンドレイだし、ルブリョフはタルコフスキー自身です。 それを忘れなければさまざまなセリフがかなり強烈な暗示や含みがあるのがわかるでしょう。それについてはすでに書いたのでくりかえしません。でもそれ以上に映像が美しいです。すでにこの映画の前に撮った「僕の村は戦場だった」でもそうだったけど、のちのタルコフスキーの「アトリビュート」になる火と水はそこここに現れるし、最初から最後まで繰り返し馬が出てくる。馬はこの次の「惑星ソラリス」の中でも、最初のシーンでいわくありげに、なにか意味を考えたくなるような形で出てきます。
今回感じたのはルブリョフのロシアの民衆に対する強い愛情のようなもの。これはソ連から亡命した後に作った「ノスタルジア」のなかでロシアに対する強烈なつながりを表明していたことを考えると、なにか悲しいものがあります。
それと、白痴の娘をやったイルマ・ラオシュという女優がすごいですね。この人この役でフランスの映画祭で賞を取っているんですが、本当にすごい。ロシアでは知的障害者を聖なる愚者(ユロジヴィ)と呼んで大切にしたそうで、彼女もロシア人からもタタールからも大切に扱われていますが、登場した時にルブリョフが壁に叩きつけた泥絵の具の飛沫をみて泣き出すところから(この泥絵具が何色かは白黒なのでわかりませんが、きっと赤だったと思いたいところです)、戦災孤児なのではないかと思えます。このイルマ・ラオシュ、タルコフスキーの最初の奥さんであり、「僕の村は戦場だった」で、主人公イワンの母親として出ています。どうもロシア人らしくない名前だと思って調べたら、ヴォルガ・ドイツ人(ヴォルガ川沿いに200万人ぐらいいるドイツからの移民の子孫)だそうです。
しかしこの映画ももう50年以上昔の映画なんですねぇ。。。
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