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映画「時の翼にのって」(ネタバレ気味)

2021.06.06.11:57



ヴィム・ヴェンダース監督の1993年の映画。1987年の「ベルリン・天使の詩」(ベル天)の続編ということで、公開当時から見たかったんだけど、なんかタイミングが合わないまま見ることあたわず、気がついたら中古ヴィデオでも1万近い値段がついてて、ツタヤにもなかった。少し前にCS放送でやってたのを録画しておいて、やっと見ることができた。

前作のベル天が1987年というベルリンの壁崩壊の2年前の映画で、最後にソルヴェイグ・ドマルタンがカメラ目線で私たちはみんな決断しなければいけないの、みたいなことを延々と言う(説教する 笑)シーンがあったけど、ベルリンの壁が崩壊した後から見れば、東西ドイツ統一へ向けたとても強いメッセージだったんだと思える。
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僕はこの映画、主人公のブルーノ・ガンツや相棒のオットー・ザンダーがベルリンの街を徘徊して人々の心の声を聞き取っていくところがむちゃくちゃ好きだ。特に、前にも書いたけど、道路上で交通事故で瀕死のおっさんが、ああすれば良かった、こうすればよかったと後悔しているところへやってきた天使のガンツが頭をゴッツンコすると、そのおっさんの思いが綺麗な詩句の断片のような言葉に変わっていくシーンは、これだけで映画史に残るシーンなんじゃないかと思うぐらい。

今回の「時の翼にのって」はベルリンの壁崩壊から4年、冒頭ゴルバチョフが出てきてびっくりさせられるけど、ベルリンの壁がなくなったのはゴルビーのおかげだとも言えるから、出てくるのは当然か。前回のベル天でガンツの同僚天使だったオットー・ザンダーが主役で、人間になったブルーノ・ガンツはピザ屋になり、空中ブランコ芸人のソルヴェイグ・ドマルタンとの間に子供がいたり、元天使のピーター・フォークが相変わらず本人役で出てきたり、完全な前作の続きになっている。

ベル天で出てなかったのは、天使のナスターシャ・キンスキーと、人間になったザンダーの誘惑者となる堕天使役のウィレム・デフォー。前回、昔のベルリンを知っていたホメーロス役で出てきたクルト・ボワは残念ながらすでに鬼籍に入っていたので、代わりに昔のベルリンを知っていた役どころとして91歳のハインツ・リューマンというサイレント時代からのドイツ映画の伝説が、一見91歳には見えない元気さで出ている。

で、この映画ではウィレム・デフォーが良い。この人いつ出てきても存在感があるし、そもそもが前衛劇団の俳優だったので、なんか雰囲気がアングラ 笑)元天使のくせにザンダーを悪の道へと誘う。ただ、正直に言って後半のストーリーは馬鹿馬鹿しい。面白くない。人間になったザンダーは生きるために武器商人の秘書になるが、歌の歌詞に目を覚まされて密輸された武器を廃棄しようとする。。。

で、この武器商人、どこかで見たことあるような気がしてしょうがなかったんだけど、「荒野の7人」で出てきたホルスト・ブーフホルツだった。

まあ、今回思ったんだけど、ベル天もこの映画も天使の設定がいいんだと思う。実際の人間の危機になんの手出しもできず(もっとも今回のオットー・ザンダーは手出しできちゃうんだけど 笑)、ただ悲しんでいる人の心の声を聞いて、そばにいて頭をごっつんこして美しい言葉を吹き込もうとするだけしかできない。

前作のベル天に比べると図書館でのシーンがなくなり、老ホメーロスもおらず、主人公が天使であるシーンが前半3分の1ぐらいで個人的には、やっぱりベル天の方が好きだな、と思ったけど、前作同様白黒画面の美しさと構図の良さ、ときどき出てくるカラーのシーンの色の美しさ(ヴェンダース映画のカラーの美しさはベル天前の「パリ・テキサス」で実証済み)に、後半の武器密輸品をめぐるつまらんストーリーなんかどうでもよくなる。


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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