
先日の「霊魂の不滅」に続くサイレント映画の傑作シリーズ 笑)
いや、不肖わたくし、実はサイレント映画って普通の映画ファンの中ではかなりたくさん見ている方だと自負しております。そんな私が断言します。
すごいものを見てしまった!!
調べたら「死神の谷」という題名で日本語字幕付きが出ていたんですね(現在絶版)。
もともとの原題は「疲れた死神」。死神っていうと大きな鎌を持って人々の命を笑いながら刈り取っていくというイメージで、怖く恐ろしく悪意のある者という印象がありますが、ここで出てくる死神は、人々の命を刈る自分に嫌気を感じています。人の生死を司るのは神であって自分ではない、死者を黄泉の国へ迎え入れる自分の役割にうんざりしているという役どころ。なので、主人公の娘にいろいろな条件を出してくれますが。。。
原題の「疲れた死神」というのはここから来ているし、実際そう言います。だから憂鬱な顔をしたまま表情が変わりません。この死神役の役者がものすごく良いです。ベルンハルト・ゲツケという人で、調べるとナチスの時代を生き延び1960年代まで生きた俳優で、ヒッチコックの最初期の映画で主役を演じたこともあるそうです。ふと先日亡くなった切られ役の福本清三を思い出しました 笑)が、こんな感じで出てきます。

それはともかく、お話が非常に古典的寓話風で、最後は手塚治虫の火の鳥のような感動を呼び起こします。あやうく泣きそうになりました 笑)
監督は
拙ブログでも以前書いたことのある「メトロポリス」のフリッツ・ラング。死の壁の前に佇む死神の姿はものすごく絵になります。

また、蝋燭で人の寿命をあらわすシーンなんかはその後何百と真似されたイメージですね。

ところで、死の壁のシーンは最初の方だけなんだけど、もっと出てきてもよかったですね。ほかにも最初の方に出てくる街の有力者たちが、最後の方でもう一度出てきてなにか役割を担って欲しかったかなぁ。
まあ、現代の見る人を飽きさせないテンポのよい映画を見慣れた目にはいろいろ文句も言えるでしょうけど、間違いなく傑作です。
しかし、まだまだYouTubeにはサイレント映画がたくさんありますね。今夜は何にしよう? 「ゴーレム」? 「プラハの大学生」? 笑)
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