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1952年のツールを古雑誌で(1)

2021.02.14.16:53

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   1952年ツール・ド・フランスコース

オークションなどで大量に手に入れた昔の自転車雑誌、そろそろ少し整理したいと思いながら、号数順に並べるぐらいしかできてません 笑)

今回は But et club, Le miroir des sports という1920年に創刊され、いろいろ名前を変えながら1968年まで続いたスポーツ専門の写真週刊誌をご紹介。まあこれもたくさんあるんですが、今回は1952年のツール・ド・フランスの期間中に出た7冊です。週刊誌といいながら、発効日付が4日に一回ぐらいの割合で出ているようで、この辺りどうなっているのかよくわかりません。いずれにしても、TV放送がなかった時代、速報はラジオとレキップ紙が頼りで、数日遅れでこうした写真週刊誌でレースの細かい状況を反芻するというのが正しいスポーツファンのあり方だったのでしょう。
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6月25日から始まったこの年のツール、雑誌の方は6月30日号が最初でその前の号が欠けているのでツールの下馬評などは見られませんが、この号では第1ステージから第5ステージが詳しく紹介されています。表紙は第5ステージで2位に入ったコッピ。キャプションにはコッピ早くも牙を剥く、みたいなことが出ているので、この年のツールはジロでも総合優勝したコッピが49年についで2度目のダブルツールを達成するかが注目の的だったのは間違いありません。
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最初のステージはブレスト〜レンヌの246キロ。グランデパールのブレストのお祭り騒ぎは今も変わらないですね。左の方で選手たちがいろいろふざけあっている写真が載っています。
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でレースが始まります。
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集団の先頭にはコッピも時々顔を表すけど(真ん中の右側の写真の左端がコッピです)、3人の逃げが決まって、結局レンヌの競技場でのスプリントはリック・ファン・ステーンベルヘン(リック1世)が圧勝(一番下の写真)。まあ、ファン・ステーンベルヘンは2回世界チャンピオンになっているスプリンターですから、「大した努力もせずに快適な勝利を収め、今年最初のマイヨ・ジョーヌ」とキャプションにはあります。ちなみにコッピは6分半遅れの大集団ゴールですね。

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第2ステージはレンヌからル・マンまでの181キロ。ここでは6人ほどの逃げが決まって、ベルギーのロッセールという選手がステージ優勝ですが、後ろの大集団で頭をとったのは、やっぱりファン・ステーンベルヘンでした(下の左側)。

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第3ステージ、ル・マンからルーアンはフランス人のロールディ(ゼッケン37 )とゴーティエという二人が逃げてロールディが優勝し、ボーナスタイムもあって総合トップになります。

第4ステージはルーアンからルーベへの232キロ。無論北の石畳が見どころです。
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優勝はモリネリスという選手(右上横向き)で2位に2分半の差をつけて独走ゴールです。この時代、ライバルチームの逃げを、身を粉にして追いかけ、追いついたらそこで役割終わりという現在のアシストのシステムはないですから、結構簡単に逃げが決まります。しかもタイム差は審判や監督の車が頼りだしね。

第5ステージはルーベからナムールの197キロ。ここでも逃げが決まって、最後は一人独走でルクセンブルクのディーデリヒ(下の写真の左上真ん中の小柄な選手)が2位に5分以上の大差をつけてゴールですが、総合は相変わらずロールディのままです。
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ただ、表紙でも見たようにこのステージ2位はコッピで、上の写真の右上のコッピの写真のキャプションは、後半でカウンターアタックを決めたコッピは先行する選手たちを一人、また一人と追い抜いていくが、ディーデリヒには追いつかなかったというようなことが書いてあります。そして、コッピの総合は一気に6分差の5位へジャンプアップ。

この年のツールの最大の見所はツール史上初の山頂ゴールとなった第10ステージのラルプ・デュエズ、11ステージのセストリエール、21ステージのピュイ・ド・ドームの三つのステージで、コッピが果たしてこの三つのステージでどう戦うか、だったわけですが、山が始まる前にすでに総合で上位に位置されてはね。というわけで次は2冊まとめて第11ステージのセストリエールまで見てみましょう。(つづく)


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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