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映画「レベッカ」と小説「レベッカ」

2021.01.23.16:11

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小説は高校時代に読みました。作者はダフネ・デュ・モーリア。この人はヒッチコックの有名な映画「鳥」の原作者で、この原作の入っている短編集も読んだけど、いまだに覚えているのは「動機なし」という短編の方です。貴族の奥さんが原因不明の自殺をし、それを探偵が調べていくと。。。という話で、読んだ当時は結構心に残った小説でした。

さて、というわけで数日前にヒッチコックの「レベッカ」をTV放送してて、昨夜録画してあったのを、おそらく3、40年ぶりで見ました。僕は小説が先だったので、初めて映画を見たときは、事の真相が原作と違っていて、かなりガッカリするとともに、アメリカ製大作映画の限界ってこういうことなんだな、と思いました。その限界という言葉は、ラストの炎上シーンでの決着の付け方にもありますね。原作はこうではありません。また原作では真相を知った主人公の態度がガラッと変わるんですよ。映画ではそのシーンがなかったですね。結構カタルシスなシーンだったと記憶しているんですけどね。

お話は、金持ちの上流階級の未亡人の召使兼話し相手として付き従っている平凡な娘の「私」がイギリス貴族のマキシムに見染められて、結婚して大邸宅へ。そこは誰もが美しく知性と教養にとんだ完璧な女性だったと語る先妻レベッカの忠実な召使だったデンバース夫人が取り仕切っていて、娘はヘマばかりで完全にデンバース夫人に見下されてしまいます。何しろ陶器の人形を壊してしまうと、子供みたいに破片を引き出しの奥に隠してしまう有様。その先妻レベッカは一年前に海で事故死していて、マキシムが確認の上埋葬されていますが。。。

娘は先妻レベッカに比べられるひけめを常に感じています。デンバース夫人も召使とは思えぬイヂワルさ。と、そこへ先妻レベッカの乗っていた船が海底で見つかり、しかもその沈没船の中から死体が見つかり。。。というお話。

ただ、今回見直してみたら、映画は映画で上手く纏まっていて、原作を知らなければ問題ないかもしれません。ただ、やっぱりよく考えると、これではマキシムの陰鬱さ不機嫌さの理由がわからないですね。うーん、ネタバレしそうなのでここでやめますが 笑)

ただ、映画としてはすごいシーンがいっぱいありますし、何よりも映画の配役が、ローレンス・オリヴィエのマキシム、ジョーン・フォンテーンの「私」ともに、もうこれしかない!っていうぐらいぴったりのはまりぶり。フォンテーンはオーソン・ウェルズの「ジェーン・エア」でも似たような役柄だったけど、見ている方をイラつかせるほどおどおどと怯えた役柄が実にさまになってます。またデンバース夫人(映画の字幕ではダンバース夫人)も原作を上回る怖さです。

ただ、今回映画を見ながら、これってやっぱりありえないよなぁ、と思ったこともありましたね。原作でも映画でも先妻レベッカの具体的な姿は全く出てこないんですが、先妻の肖像画や写真が一枚も残ってないっての、ありえますかね? ただそれを映画では実にうまく使っていて、真相が語られる時のカメラは誰もいない部屋の中で、マキシムのセリフに合わせて見えない人の姿を追うように動きます。このシーンなんかほんとワクワクします。

というわけで、まだ映画も見てない、原作も読んでないというのでしたら、映画が先がいいですかね。白黒だけど、ヒッチコックの傑作の一つに数えられると思います。で、その配役で原作を読むのがよろしいかと。うーん、今回は完全ネタバレで書こうかと思ったんだけど、やっぱりこの手の小説や映画をネタバレしちゃうと恨まれるな 笑)と思い、こんなふうに、いわば隔靴掻痒感満載の書き振りになってしまいました 笑)ネタバレするならコメント欄でやるかな??


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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