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ダウンヒル今昔

2010.12.13.16:12

今回はことわりがないものはTV映像をカメラに撮ったものなので、画像はひどいものです。また、今回は2題の問題付きですが、知っている人はすぐにわかっちゃいますね。また、最近自転車に興味を持ち始めたばかりの方は、逆に知らない選手でしょうけど、どちらも名前ぐらいは聞いたことがあるかな?

さて、ダウンヒル、自転車レースが始まったばかりの頃は、フリーホイールではなく固定歯だったので、ペダルを止めると自転車も止まってしまったのでした。だから下りでもみんなペダルをまわし続けたそうです。そんな中で、ツールの初代山岳王とされるルネ・ポッティエはフロントフォークに足をのせる出っ張りをつけて、下りではそこに足をのせて下ったと物の本には出ています。下の写真でもフォークの出っ張りが確認できますね。(追記/2010,12/13,23:11, ヴィキペディアのルネ・ポッティエの記事は奥さんと無理心中と出ていますが、これはどこから持ってきた記事なんでしょう? 私が読んだ数冊の本ではすべて単独自殺で、そのうちいくつかは奥さんの浮気が原因ではないかという推測が書かれていました。自転車関係意外でも、ヴィキは時として絶対間違いだろうっていう記事が散見されます。)
1905_convert_20101213141744.png
© Owen Mulholland "Uphill Battle", 2003

ここに足を乗せたとなると、かなり珍妙なフォームで下っていったのでしょうけど、当時は道路はほとんど未舗装で砂利だったり、ひどいときにはガレ場みたいだったようですから、あまりここに足を乗せていられなかったのではないかと思われます。

この黎明期からコッピやバルタリの時代、あるいはもっと最近のアンクティルの時代に至るまで、ダウンヒルの写真というのは、登りの写真に比べて圧倒的に少ないです。特に戦前のものなどは、長い下りのフォームを写しているものはほとんどお目にかかれません。たぶん、現在のようにバイクで追走して写真を撮るなどということがなかったこと、また下りだからといって特別すごいクラウチング姿勢をとることはあまりなかったことなどが原因だろうと思います。

メルクスの時代になると、下りのシーンはむろん映像にたくさん残されていますが、ここでも普通にクラウチング姿勢です。
メルクス_convert_20101213154732

上はメルクスが一人で逃げて下っているところ。足を止めて長い下りを下っているのですが、平地を走っているときとほとんどクラウチングの角度は変わりがないように見えます。

さて、時代は下って、わたしが自転車レースに興味を持ち始めた頃の下りのフォームはこれですね。いつ頃からこうした極端なクラウチング姿勢が始まったのか、最初にやったのは誰なのかはっきりしませんが、きっと、道路の路面がよくなったということが一番の理由なんでしょうね。なんとなく印象としてはアメリカンな感じもします。
1983_convert_20101213141826.png
問題1 このあられもないフォーム、さあ誰でしょう?

お尻を上げて、できるだけ流線型になるタイプと、お尻を上げずに片手をお尻の後ろに持っていって、できるだけ風の抵抗をよけるタイプに分かれます。これはイノーです。
1984_convert_20101213141855.png

これはやってみるとかなり怖いです。また、ハンドルのどこを持つかもいろいろヴァリエーションがありました。
1986_convert_20101213141922.png
© Winning No.26, September 1985

上のはレモンとイノーですが、レモンがハンドルの上の真ん中あたりを持って、その上にあごをのせるようにして下っています。これもけっこうよく見たスタイルです。この握りでもっとお尻を高くしているタイプもよく見ました。いずれにしても、最初のは極端にしても、だいたい前輪加重のタイプですが、逆にこんなフォームの下り方をする選手もおりました。たしか、ステファン・ロークスなんていう選手もこんな格好で下っていくシーンを見たような記憶がありますが。。。
1994_convert_20101213141951.png
問題2 さて、これは誰でしょう? 髪の毛があるのがポイントだな 笑)

これは逆に極端な後輪加重です。サドルが高めだとこんなにお尻をさげられませんね。ただ、個人的にはこちらの方が安定するような気がしますけどね。やってみると、前輪加重より怖くないしね。しかし、後輪とお尻までの距離の近いこと!

さて、21世紀に入って、フレームの形状がスローピングになったせいか、最近はこんなのが主流でしょうか。
2010_convert_20101213142019.png

これは今年の世界戦U23のデーゲンコルプですが、横の選手と比べると確かにかなり全面投影面積は小さそう。事実、このシーンでは横の選手をぐんぐん追い抜いていきます。横から見ると、こんな感じですね。サドルの前にお尻を落としてしまうという、スローピングフレームならではのフォームです。
2010t_convert_20101213142045.png

まあ、好みの問題ですが、これはかなりかっこう悪い。私は絶対やりたくないフォームであります。しかし、全面投影面積という点では一番小さいかな?それと、首への負担はほかのに比べて軽いかもしれませんね。これも前輪加重になるんでしょうかね?

今回の記事も、もっと雑誌や本を丁寧に見ていけば、きっともっといい写真がみつかるんでしょうけど、なにしろパソコンはいかれてるし、部屋の本棚は整理してないのでどこに何があるのかちっともわからないし、というわけで、ビデオ画像をカメラに撮るという強引なやり方でした。あしからず。


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ヴァルデマール
arturo さん、

あれ? しまった、私ってば、ベルツィンに見られていた?
2010.12.14 22:26
arturo
先に”謹慎中”と自称して書き込むのもどうですが、個人的には、この辺の事はあまり、好感を持っていない、と言う印象があります。
 まあ、しかし”過激発言”男としましては、頭ごなしに文句を言いたいのではなく、良くこの手の話は一歩間違うと、これをそのままマネして路上でやる輩が居る、それに関しては、警鐘を鳴らす必要があるかな!と言う事でした。
  イタリアでも、テレビ解説をしていた時(RAIではない。ユーロスポーツ)のベルズィンが、ダウンヒル映像を前に、「プロ選手を真似して、一般の愛好家が、路上であれをやっているのを見る事があるけど、あれは本当に危険な行為なので、絶対にやるべきでない。」と言っていたのを思い出します。
 言い換えると、今回のように画像を見て楽しむだけなら、別に何の問題も無い、となりますが。
2010.12.14 13:19
ヴァルデマール
Burd-c-chetaさん、こんにちは。

心遣いに感謝いたします。

ほんとだ、ヘッドチューブ長いですね。でもこの選手僕より小柄でした。83年です。86年のチョーザスは僕は記憶にないんだけど、今回の記事を書くときに一応手元にあったビデオを手に取ったんですよ。残念、見ればよかった。ほかにも89年のクラベローラなんかも似たようなスタイルで下っているのがあったんですが、なにしろTVをカメラに撮るとろくな写真にならないんですよね。
2010.12.13 23:43
ヴァルデマール
CYPRESS さん、

アンクティルの頃はどうなんでしょうね。こんなフォームをする余裕というより、道路の状態じゃないかな。

カメラサービスかどうかは私にはわかりません。
2010.12.13 23:25
CYPRESS
答1:
デルガド

答2:
パンターニ

二つ共明らかにカメラサービス。
二日酔いでヘロヘロになったアンクティルが霧のアンバリーラ峠の下りでプリドールを追い掛けた時はこんな事やる余裕無かったろうね。

イノーのインタビューで、1980年ジロ、ステルビオの下りの話。一緒に逃げてたベルナドーは全然ブレーキを掛けなかったとか。
イノーが知ってるという事は、ベルナドーから千切れなかった訳だから、イノーも掛けなかったんじゃない?
ベルナドーを気〇いって言ってたけど、イノーもねぇ…(笑)。

下りのホラーストーリーは一杯有るからブログ主殿に書いてもらいましょう。
2010.12.13 20:40
Burd-c-cheta
御無沙汰しております~

他の方のために、実名は伏せて、イニシャルで解答します。

問題1は、ヘッドチューブの長さから、M・I選手。1988年でしょうか?
問題2は、1994年、ツール初出場のM・P選手。まだエースにC・C選手が居た頃ですね。

この頃の映像を見ると、懐かしさから胸に熱いモノを感じます。

片手をお尻の後ろに持って行くスタイルは、風圧で両手がいっぺんに冷えるのを防ぐために、片方だけ後ろに持って行って、風を避けているという説を見たことがありますが、どうなんでしょう。

片手後ろのスタイルで思い出すのは、86年ツールのラルプ・デュエのステージだったと思うのですが、E・チョーザスが単独で逃げている時に、そのスタイルで下っていた場面があったと思います。湖に向かって下っていくようなシーンだったと思うんですけど、いろんな場面がごちゃ混ぜになっているかも。
2010.12.13 20:38

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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