今日は2月以来の映画館へ。しかしマスクして見ていると、さすがに1時間もすると顔の下半分がかなりほてってきますね 苦笑)

さてこの映画、いろんな映画を連想しました。例えば
タル・ベーラの「ニーチェの馬」や
「サタン・タンゴ」、
ハネケの「白いリボン」などを連想したのは白黒で非常にきれいな風景が出てきたからでしょうか。ただ、タルやハネケよりテンポはかなり早い。
話はユダヤ人の父母から離れて田舎の老女のもとに疎開させられていた少年が、老女が死に、びっくりして火を出してしまったことから村人に差別迫害され、村を逃れて様々な人と出会っていくというロードムービー 笑) まあ、過酷な地獄めぐりです。そう、「地獄めぐり」という言葉が一番ぴったりするかな。呪術師の婆さん、水車小屋の嫉妬深いDV爺さん、鳥刺しの老人とセックス依存症の女、ドイツ兵、司祭と性的虐待者の信者、少年を犯そうとする娘、ソ連軍狙撃兵、孤児院、そして。。。
時代は戦時中から戦後で、場所はおそらくポーランドだろうと思われます。丘陵地帯と森のきれいな風景の中で、少年は様々な地獄的光景を一人木の上や倒木に腰掛けて遠くにみたり、まさに地獄の中で当事者となり苦しめられたりします。
こう書くと
「炎628」を思わせます。あの映画もきれいな顔をした少年が地獄を見て、老人のようなシワクチャの顔になる話でしたが、こちらの少年も2年かけて撮影しているそうで、顔が無表情になり、言葉を発しなくなり、老人を襲い、人を殺し、自分の名前すら言えなくなりますが、最後の最後に。。。
まあすごい映画でした。特に原題のもとになっているエピソードの鳥刺がペイントした雀を放つと、雀の群れが一斉に襲いかかり殺してしまうシーンと少年が熱を出した時に呪術師の婆さんが少年を顔だけ出して土に埋めてしまいカラスに襲われるシーンは忘れられないかも。
ただ、それでも文句を言いたい。それぞれのエピソードが結構短く、話が拡散している気がするんですよね。特に最初の方は、え?これだけでこのエピソード終わり?と思ったりしました。そういう意味で、上記の「炎628」や
「サウルの息子」、
「小さな独裁者」や
「動くな、死ね、甦れ」、あるいは上記のハネケやタルの映画に比べて、個人的には衝迫性は弱く感じました。そしてラスト、テロップが上がってくる時の思い入れたっぷりの歌曲は、むしろ感動を薄めるような気がしたんだけど。
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