fc2ブログ
2023 01 << 12345678910111213141516171819202122232425262728>> 2023 03

映画「希望の灯り」(ネタバレなし)

2020.07.22.18:39

このところすっかり映画感想文ブログになりつつあります 苦笑)
8b1f3a44d5a3546abd672b860036fb6a.jpg

昨夜見た映画はこれ。うーむ、ドイツ映画には珍しく子供と一緒に見ても安心なハートウォーミング映画っていう奴でしょうか 笑) ただ、本当に子供と見たら子供は退屈するでしょうけど 爆)

一見イケヤかと見紛うような郊外型の巨大スーパーが舞台です。ドイツ東部の、周りには遠くにアウトバーンが見えるだけの何もない場所にあります。ドイツなんて小売店を保護しているような印象があったけど、旧東独側にはこういうのが多いのかなぁ?よく知らない。何れにしても、セリフの中でも説明されているけど、東ドイツ時代には国営の運送施設だったのを、東西統一後にある企業(おそらく西側の大資本)が買収してスーパーにしたらしいです。

映画は8割以上このスーパーの倉庫が舞台で、登場人物もほとんど従業員達だけ。

簡単に内容を要約すれば、前半は新入りの要領の悪そうなタトゥーだらけの主人公が、倉庫では必携のフォークリフトの運転資格を得られるかどうか。そしてその後はその主人公とお菓子担当の年上女性とのほのかな恋。
フラッシュバックのように何度も繰り返される着替えシーン(襟と手首だけがアップになる)で、単調な毎日が暗示され、みんな仕事に励みつつも、仕事中にこっそりトイレで吸うタバコと仕事が終わった後のビールだけが楽しみな様子。表面上何も起きないし、人々の表情も喜怒哀楽をあまり示さないし、ぼんやり見てるとなんだかよくわからない退屈な映画だと思うでしょう。

でも、最後の方で、えっ? というようなことが知らされ、みんなが抱える孤独が浮き彫りにされます。ラストは日常の中にある、どうでもいいような瞬間的な幸福感。そういうことに気がつけば、少しは生きていることに潤いをもたらすことができるんだ、単調な毎日が少し楽しくなるんだということを暗示しつつ、遠い波の音とともに映画は終わります。このラストはうまいです。

主演は去年拙ブログでも紹介した「ハッピー・エンド」「未来を乗り換えた男」「名もなき生涯」のフランツ・ロゴフスキ。ポスター写真の横顔を見ればわかるように、顔面ど真ん中にパンチくらった?っていうような、ボクサーみたいな悪党ヅラで、飴玉でも舐めてるような舌足らずな喋り方をします(ドイツのウィキで見ると口唇口蓋裂で生後すぐに手術をした影響で話し方が舌足らずだと書かれています)が、今回の映画では何しろ無口。ほとんど会話が成り立たないようなシャイで表情の変化の乏しい若者をやってます。

その上司で、無口なロゴフスキを何くれとなく面倒をみる初老の上司役は、先日3回にわたって長々と紹介した「バビロン・ベルリン」で上級刑事のブルーノ・ヴォルターをやったペーター・クルト。今回も名前がブルーノです 笑) いやあ、いいです。この人いいですよお。うらぶれて東独時代を懐かしみながら、洞察力もあってロゴフスキの過去を言い当てますが、孤独で人知れず悲しみを抱え込んでいるという役。いや、ホント、バビロン・ベルリンでもすごくよかったけど、この映画でもむちゃくちゃ良いです。もっと他の映画もみたいです。

ロゴフスキが恋する年上の女性は「ありがとう、トニ・エルドマン」でウザい父親を持て余すバリバリの仕事のできるエリート娘をやったサンドラ・ヒュラーという人ですが、ちょっと八重歯気味で笑顔がいいですが、おばちゃんです 笑)

孤独で単調な人生、日々を追い続けていけばあっという間に時間は過ぎてしまいます。自分の生活に追われていると人のことを考えるゆとりはありません。でもちょっとこういう映画を見て、どこかで孤独で単調な毎日を送っている人のことを想像し、ちょっとした日々のゆとりを探せたら、ほら、あなたにも波の音が聞こえてきません?


よければ、下の各ボタンをポチッとお願いします(まあ、大した意味ないですので、ポチッとしなくても構いません。おまじないみたいなもんです 笑)

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト



comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/tb.php/3791-32d8f088

プロフィール

アンコウ

アンコウ
**********************
あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

カテゴリー

openclose

FC2カウンター

Amazon

月別アーカイブ

検索フォーム