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エリック・ファンデラールデン

2020.03.31.12:56

なんとも重苦しい雰囲気が日本を、いや、世界を覆っています。こんな時は昔の選手の話題でも書いておきましょう。この冬の間に、拙ブログではショーン・ケリーアドリ・ファン・デル・プールという80年代に活躍した選手のことを取り上げました。その延長で、今回もケリーやファン・デル・プールと熾烈なスプリント争いをしたエリック・ファンデラールデンのことを書いてみます。

いやあ、格好良かったんですよ。表彰台の顔が、なんとなくアラビアのロレンスのピーター・オトゥールを思わせたんですね。当時あまり情報が多く無い時代、サイスポでもポスター付きで記事になっていましたが、なんども読みましたね。そういえば一番最初に買ったマイヨはパナソニック・ラーレーの長袖でした。

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特にこの上でゴールで自転車を投げている写真。ゆっくり走りながらなんども前へ自転車を投げる練習しましたね 笑) ホビーレースでも一度だけ10位争い 笑)でやったことがあり、9位になりました 苦笑) アップにしてみます。

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この選手、何しろ若い頃からものすごい才能と言われていて、ジュニアの15歳のときの年間勝利数が16勝。まあ、ジュニアのレースがどのぐらいの数あるのかわかりませんが(CyclingArchivesでは上位に入ったらレースが30掲載されています)、ジュニア時代のレムコ・エフェネプールが年間25レースに出て20勝でしたから、ファンデラールデンも勝率は結構高かったのでは無いかと思います。何れにしてもこの年ジュニアのベルギーチャンピオンになってますね。

何しろその後のジュニア時代は毎年常に30勝以上、特に18歳の時は50勝以上上げてますね。こりゃあメルクスだわ。

で、83年に21歳でプロ入りするわけですが、まずプロ入り最初の年で14勝。今なら年間14勝だと最多勝になれますね。内容もすごい。ツールのプロローグでまず優勝です。他にもブエルタで2勝ですからね。翌84年も年間19勝。ツールのステージ2勝で、ベルギーチャンピオンにもなりました。85年は24勝でツールのステージはまたしても2勝。特筆すべきはロンデ・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)。豪雨のレースでコッペンベルフは今よりずっと狭く、例によってカーニバル状態になります 笑) 最後グラモンの壁でフィル・アンダーソンとヘンニ・コイペルをちぎって独走勝利。いやあ、格好いい。



86年も13勝して、ツールでは緑のマイヨを獲得してますが、区間勝利はなしで、ちょっと不満が残ったかもしれませんが、翌年にはパリ〜ルーベに優勝します。これもドロドロのレースでした。



ミロワールの写真のキャプションは「パラダイスの恐るべき子供」とかいうような意味ですかね。夢見心地の恐るべき子供かな? この持ち方、人差し指と中指の間にブラケットを挟むのも、ハンドルを引きやすかったんですよね。さすがにレースでやったことはないけど。

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ただ、ここまででしたね、黄金時代は。この後2、3年は年間勝利は10勝以上しているんですが、ビッグレースの勝利がぱたっと止まっちゃうんですね。21歳でプロ入りして25歳でパリ〜ルーベに勝つまでの83年から87年までがピークですね。この間にパリ〜ルーベ、フランドル、ヘント〜ヴェフェルヘム、パリ〜ブリュッセルに勝ち、ツールでステージ5勝、スプリント賞も獲得しているのに、88年以降はツールも春のクラシックもほとんど名前が出てこなくなってしまいます。まあ、細かく見ると、一週間以内のステージレースで勝利をあげたり、他のレースでも上位に入ったりしているんですが、ツールの場合、88年以降7回出場6回リタイアですからね。

当時の日本では情報は大きなレースぐらいしか入ってこないし、それまでの活躍が派手だっただけに、どうしちゃったんだろう?の時代が終わり名前も忘れた頃、1996年、サイスポにファンデラールデンの小さな記事が載っていて、パールマンという小さなチームで、ステージレース中宿泊先のホテルで酒盛りをしてレース追放、その後引退発表したというニュースが出ていたのでした。


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comment

アンコウ
glpeaseさま、

嬉しいコメントをありがとうございます。こういうコメント、本当に嬉しいです。

格好よかったですよね、全盛期のファンデラールデン。

50過ぎでもうロードに乗らないのですか? 私など現在66ですが、いまだにロードに乗り続けておりますよ 苦笑)
2022.02.26 22:22
glpease
アンコウさま
今やレーサーに跨ることもなくなった50過ぎのオッサンですが、ヨーロッパのサイクルロードレース文化に刺激されまくってた10代の頃、個性的でカッコよく、憧れた筆頭の選手がファンデラールデン(当時はバンデレールデンとかファンデルエルデンとか呼んでましたっけ^^;)でした。
アンコウさま同様、この自転車雑誌(サイスポ?自転車競技マガジン?)の写真にシビれて、〝投げ”の練習を何度もやったもんです(笑)
現代のスプリンターのイメージって、割とガッチリ体型のパワー系という感じですが、ファンデラールデンはすらっと細身で手足が長いからこそ、この〝投げ”がハマったんでしょうね。
いずれにせよ、ホントに懐かしい記事を上げてくださってありがとうございました。感謝です!
2022.02.26 13:30
アンコウ
CYPRESSさん、

ファンデラールデンは息子もプロになりましたね。ただ、クリケリオンの息子と同様、パッとしなかったみたいだけど。87年のゴール後に抱っこしているのがその子なんでしょうかね。ケリーとファン・デル・プールの因縁?

ブラケットの握り方は80年代末、ツアー・オブ・ジャパンで優勝したベルギー人がやっぱり同じような持ち方してました。ワイヤーが出てるとこの持ち方は結構効果ありますよ。ただ、とっさにブレーキ引けないから良い子のみんなは真似しないように、ってやつだけど。
2020.03.31 21:24
CYPRESS
ブレーキブラケットの握り方ね、これ、意味無いです。
気分転換でやっている、そんなもんです。

天国の恐るべき子供

と言うより、

恐るべき子供、北の地獄で天国にいるが如く走る

だろうなぁ、あのレースで調子よさそうだったからねぇ、あのビデオでは(笑)。

エリック・ファンデラールデン、
英語の記事で面白かったのは、自身の事でなくご子息の事。
お子さん、若い頃(ジュニア以前)、ロードレースで走ったそうな。
開始前、参加者のお母さんが自分の子供へ話し掛けるのがエリックに聞こえてきた。
「あのね、この子、この人の名前、聞いたことあるわ。昔、こんな名前の選手がいたみたい。走り始めたらこの子の後を付いて行くのよ」

ケリーとファン・デル・プールってちょっとした因縁(?)があるんだけど、
ドイツ語の記事になってないのかなぁ?
デイヴィッド・ウォルシュの名著「ケリー」に書いてあります。
2020.03.31 19:07

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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