部屋の掃除をちまちまと行なっています。私の部屋の壁にはいろんなものが貼ってあったりぶら下がっていたりしてますが、地味目にぶら下げてあったのが、どうにも捨てられないカレンダー。まず、1986年のカレンダー、そのうち待ってれば同じ曜日と日付になる年が来る? 笑)

プラスチックのカバーがあってそれはだいぶ色がくすみましたが、カバーをめくれば、もう35年も前なのに綺麗なままです。

これはパウラ・モーダーゾーン=ベッカー(モーダーゾーンは旦那の名前)という20世紀初頭のドイツの女流画家のもの。ゴッホやセザンヌのような絵を描き(この絵はむしろヴォルプスヴェーデ派の雰囲気があります)、産褥熱で若くして亡くなってしまった人で、まあ、知ってる人はあまりいないでしょうけど、初めて海外旅行をしたとき、北ドイツのヴォルプスヴェーデという芸術家村へ行って、そこの美術館で見たのでした。ここには世紀転換期に数人の画家たちが集まって切磋琢磨しあっていたのでした。
その後、村のレストランで時間のズレた昼食をとっていると、オーナーがわざわざ出てきて(向こうではよくあること)、料理はどうだ? と聞いてきて、挙句に壁にある静物画をこれはパウラ・ベッカーの絵だ、パウラ・ベッカーを知ってるか? と聞かれ、おう、もちろんだ、彼女の絵を見るためにここへ来たんだ、と言ったらやたら喜んでくれたので、記念写真まで撮ったのでした。

まあ、実際はパウラじゃなくてハインリヒ・フォーゲラーという画家の絵が目的だったんですが 苦笑)フォーゲラーはその後日本でも展覧会がありました。

フォーゲラーはこんなみずみずしい絵を描き、日本の雑誌「白樺」で紹介されたりした人なんですが、後年は共産主義革命に感激してソ連へ移住し、独ソ戦が始まると強制的に移送されて衰弱死します。種村季弘「ヴォルプスヴェーデふたたび」という本でその経緯が書かれていますが、この本は当時結構話題になりましたし、ものすごく面白かったですが、もう古本しか手に入らないようです。

で、このフォーゲラーが住んでいたのが、バルケンホーフというユーゲントシュティルという建築様式の典型的な建物とされる家です。同じ
ユーゲントシュティルの建築物は小金井公園の江戸東京たてもの園にデ・ラランデ邸がありますが、これは以前書いたので。他にもまだまだ捨てられない古いカレンダーがありますが、今日は第一弾ということで、この辺で 苦笑)
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