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映画「i 新聞記者ドキュメント」

2020.01.06.22:11

IMG_3916.jpg

この映画、実は去年の暮れに仕事の後観に行こうとして、映画館で、さあチケットを買おうと思ったら財布を忘れてて、しかもその時は落としたかと思って大慌てで家に帰ったのでした。朝から夕方まで、昼は弁当を持って行ってたから財布の確認を全くしておらず、家に電話してもたまたま家人は不在。家へ帰るまでの電車の中、ネットで「財布を落としたら」なんて項目をチェックして、家にたどり着いたはいいが、今度は鍵を持ってない、まるで笑い話でした。しばらくして連れ合いが戻ってきて家に入ったら、見事に鍵と財布が机の上に置いてありました 苦笑)

というわけで、その後はタイミングが合わず、そうこうするうちに東京では2箇所、しかも一日一回の上映という状態になってしまいました。当初は結構人が入っていたようですが、今日の平日の池袋、10人いなかったかなぁ。。。

だけど面白かったですね。以前「新聞記者」という映画を拙ブログでも紹介しましたが、今回のドキュメンタリーの謳い文句は「映画『新聞記者』は序章にすぎなかったー」です。ただ、あちらはフィクションで、エンターテイメントとしてとても面白い映画でしたが、こちらはドキュメンタリーなので、面白さの質はだいぶ違うと言って良いでしょうね。

主役の望月衣塑子記者のスタミナとメンタルの強さに恐れ入る。彼女が駆け回り追いかけるのは映画「新聞記者」でも出てきた伊藤詩織さんや前川喜平さん、他にも籠池夫妻、辺野古の土砂に赤土が混ざっていることや宮古島の弾薬庫、そして何より、望月記者を有名にしたスガ官房長官の記者会見の場でのやりとり。途中東京新聞にかかってきた老人の「望月を殺す」という脅迫電話まで出てくる。

だけど、このドキュメンタリーが撮られた時にはまだどうなるかわからなかった、伊藤詩織さんの民事裁判もまずは結果が出たし、当時はまだ誰も知らなかった最近話題のIRカジノ法に絡んで中国企業から金をもらっていた大臣なんかも出てくるわけで、このドキュメンタリーは現在進行形なんだな。

監督は森達也。一年ほど前に森達也は籠池夫妻のドキュメンタリーを撮っているという噂を聞いたりしていたんだけど、どうやらこの映画のことだったんだね。ところどころで森達也ファンなら誰でもぴんと来るモンタージュが挟まれる。イワシの群れの瞬間的なインサートショットが何度か入る。人間は群れる動物だ、群れになれば強い敵にも立ち向かえる、しかし群れになれば暴走する、と森がいろんなところで言っていることだ。

それからフランスがナチスから解放された後、ドイツ兵と関係した女性たちが髪を剃られて坊主にされた写真が繰り返しインサートショットで映される。最初は禿げた後頭部だけが瞬間挟まるシーンが2、3回あって、その後このシーンについての説明が入る。(僕はこの写真(たくさんある)を見ると、聖書の中の「お前たちの中で罪を犯さなかったものだけがこの女に石を投げろ」というイエスのセリフを思い出すんだけど、これについてはまた項を改めて。)髪を剃られて辱められた女を周囲の人々は、おそらくはののしり声を上げながら笑顔で楽しげに見物している。

森は何度も官邸での記者会見の映像を撮ろうと画策するけれど、結局果たされないまま、最後、丸川珠代の応援演説に来た菅官房長官と望月記者が接近遭遇するところで幕となる。

人間は弱い生き物だから群れて外敵から身を守ってきた。しかし、群れることで見失うことも多い。そんな時、「王様は裸じゃん」と言える人が絶対必要なんだろう。ましてや、マスコミの人間はそういう人間でなくてはならないはずなのだ。このドキュメンタリーの題名にある i の文字。一人称単数の主語を意味しているわけである。


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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