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池田清彦の本

2010.11.19.08:33

池田清彦の書いたもので最初に読んだのはこれだった。
環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)
(2006/02)
池田 清彦

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自転車乗りとしてそれなりに環境問題に気をつけていたつもりだったから、むちゃくちゃショックだった。その後、この人のいろんな本を読んで、反原理主義という点では賛成だが、この人が理想とする、国家からのお節介をすべて廃した究極の自由主義とか完全自由主義にはとても賛成できない。
他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫)他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫)
(2006/04)
池田 清彦

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国というのはやはり人が助け合うためにできたのだと思いたいからね。それに上記の本では人間が賢くなり、完全に自由にすればすべてうまくいくみたいな書き方をしているけどね。神の見えざる手がすべてをうまく案配してくれるって新自由主義者たちは古典的な文言をモットーにしたようだけど、その結果はどうなったかなんて言う必要もないしね。ま、この人にしてみれば、うまくいかないのは人間が馬鹿だからだということになるんだろうけど。

おもしろいことはおもしろいけど、絶対に実現不可能だし、いうなればSF小説の設定として考えればいっそうおもしろいのかもしれないね。ただ、上記の本ではどこまでも完全自由主義(キーワードは情報開示とスタート時の平等確保と自己責任)を徹底すると、最終的にはとんでもないことになることが最後の最後に出てくるので、やっぱりこの人はおもしろがっているだけで、本気で言ってないんだろうなぁ。

この人のちょっと斜に構えたような、ニヒリズムまであと一歩みたいなところは、下の本を読んでみたら、なんとなくストンと腑に落ちたような気がする。

38億年 生物進化の旅38億年 生物進化の旅
(2010/02/26)
池田 清彦

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なにしろ、猿人だって、せいぜい500万年前の話で、現代の人類の祖先に至っては14,5万年前からの話なのにたいして、生物の歴史は38億年前のDNAとタンパク質の組み合わせから、延々と進化を続け、消滅と分岐を繰り返してきたわけで、無限とも思えるこの時間を考えると目眩がする。こんな事を四六時中考えていると、社会にコミットするより「ハナでもほじりながら酒でも飲んでるほうがいい」って事になるんだろうなぁ。

人の人生なんてどんなに長くても100年、人類の文明が始まってもまだ1万年足らず。人間のいがみ合いがなくならないのも、喧嘩がなくならないのも、いじめがなくならないのも、殺人事件がなくならないのも、死刑制度がなくならないのも、いやいや、戦争がなくならないのも、こんな程度の歴史では無理もないことなのかもしれない。


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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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