
原作のペーター・ハントケがノーベル賞ということで、「ベルリン天使の詩」は有名すぎるから、へそ曲がりの私としては、同じくハントケの原作をヴィム・ヴェンダースが映画化(初長編)した「ゴールキーパーの不安」を紹介します 笑)
昔見たときにはどこが面白いねん! さっぱりだわ、と思ったものでしたが、さすがに
「サタンタンゴ」を一月ほど前に見たばかり。もうこの程度では怖くないですね 笑)
サッカーのゴールキーパーが試合中に審判を小突いて退場になり、試合中に着替えて帰ってしまいます。映画を観にいき、受付嬢と仲良くなって一夜を過ごすも、翌朝、理由もなく彼女を扼殺。冷静に指紋などを拭き取り、バスに乗って昔の彼女?に会いに行きます。。。何しろ淡々としてて説明がないし、殺人のシーンもアップもなく、え?殺しちゃったの? という感じ。しかもその直後のシーンが主人公が丸まって寝ているシーン。人殺してそのまま寝ちゃったのね?? もう理解不能であります。その後も淡々と日常の生活のワンシーンが積み上げられるだけ。ですから、最後まで劇的なことは起こらず、追い詰められる犯人のサスペンスもないままです。
全く見当違いかもしれないけど、やけに劇的な音楽と日常的なつまんないやりとりを切り取る場面の連続に、ゴダールの「アルファヴィル」の音楽やつなぎ方を思い出したりしました。内容はまるで違いますが。
あと、主人公はやたらと映画を観に行きます。ただし、最初にちらっと映る西部劇?らしき白黒映画のワンカットを除き、彼が映画を観ているシーンはないんですけど。ただ、題名は二つわかります。一つは「レッドライン7000」というハワード・ホークス監督でジェームズ・カーン主演のカーレースアクション映画とドン・シーゲル監督でリチャード・ウィドマーク主演の「刑事マディガン」。
当時のヴェンダースが好きだった映画なんでしょうね。残念ながら私はどちらも観てません。でもジョン・ウェインの西部劇で有名なハワード・ホークスとクリント・イーストウッドの「ダーティー・ハリー」で有名なドン・シーゲルですから、だいたいどんな映画か想像がつきます。そして、このヴェンダースの映画の雰囲気はこうしたアメリカの「面白い」映画の雰囲気はまるでありません 笑)
一箇所やたらと綺麗なオレンジ色と青の夕焼けが出てきますが、ヴェンダースがこの10数年後に作った「パリ・テキサス」を連想しました。
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