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50年前のジロ メルクス失格

2019.06.01.21:17

rsnに載っていた50年前のジロ・ディ・イタリアの話題。1969年はエディ・メルクスが総合トップでドーピングチェックに引っかかって失格になったのでした。ただ、このドーピング騒動、かなり怪しいことで有名です。なんてったってあの時代のイタリアですからね 笑)

この騒動、メルクスのドキュメンタリー La Course en Tete (1974) でも扱われている有名な話です。(52分ぐらい)

この冒頭のジモンディが勝つ73年の世界選手権の映像は今見てもワクワクしますよ。メルクス、ジモンディ、オカーニャ、マルテンスの四人のスプリントですからね。それ以外もこのドキュメンタリー、貴重な映像満載だし、何より16、7世紀の作曲家プレトリウスの舞曲音楽が映像に呆れるほどマッチしています。最後のスローモーションシーンなんか涙出そうになります。ぜひご覧になってくださいませ。

それはともかく、前年の68年、メルクスはジロで総合優勝していて、連勝は確実と思われていたところ、TV局のRAIがメルクスのドーピングを報道、TVクルーやレポーター達がサヴォナのホテルでメルクスの部屋に入り、ジロのレースディレクターがメルクスに失格を告げるシーンを放送したのでした。最初は驚き、その後ドーピングを否定しながら泣き崩れるメルクスの映像はヨーロッパ中に広まったのでした。

1559281023_1_gross.jpg


前日第16ステージで、メルクスは5日前に獲得したマリア・ローザを守っていたのですが、二日前に検査された尿から興奮剤が出たということで失格。しかし、ベルギーはもちろんフランスのメディアも、マフィアが絡んでいて、イタリア人以外の優勝が続くことを許さなかったのだという推測を掲載します。

翌日、突然総合トップになったフェリチェ・ジモンディはマリア・ローザの着用を拒否しますが、むろん儀礼的なもので、彼にとって2回目の総合優勝が決定します。そしてメルクスはドーピングだとされたわけですからUCIはメルクスを二ヶ月の出場停止にします。これによりメルクスはツールも出場できなくなったのですが、これに対してベルギー車連が猛烈な抗議。UCIはそれを受け入れて出場停止は二週間に短縮、メルクスはツール・ド・フランスに初出場することができたのでした。

ツールでの成績はもう予想通り。ステージ6勝、2位4回、3位1回。つまり全ステージ22のうち半分で3位以内というものすごさ。総合優勝は無論のことスプリント賞も山岳賞も独り占め!! 翌年のジロでは改めて総合優勝。結局ジロでもツールでも5勝!!

まあ、マフィアが絡んでいたかどうかは藪の中だし、そもそもドーピングチェックそのものがまだ未熟な時代の話です。2年前のヴァントゥでのトム・シンプソンの興奮剤による死亡事件でようやくUCIも重い腰を上げたところだったので、信ぴょう性もかなり怪しいものだったでしょうし、医者と選手がツーカー状態だったのは70年代終わり頃でも証言されていることですので、完全潔白なメルクスが陥れられたのは間違いない、なんて断言はできませんが。。。


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comment

CYPRESS
>で、それに関連して73年のことを挙げながら皮肉だと言った雑誌の記事を見た記憶がありますが、どこにあったかは不明。

→私も知らぬ(笑)。
1985年にLa course en teteの上映とその後の講演会に行ったけどそんな話も無し。
ただ、1973年の世界戦に関しては2004年のフランスの元選手のクリテリウム前夜祭でLa course en teteを上映し、その後メルクスとマールテンスはどうちらからともなく歩み寄り和解した、とイギリスの雑誌に書いてあった。
しかし、メルクスによるとファン・ローイには、2005年までは、怒っていた。メルクスの新人時代にいじめられたのをまだ根に持っている。まぁ、いじめられる方にしたら当然だわなぁ。
2019.07.22 01:41
Arturo
アンコウ様
  と言う訳で、”僕としては別に違和感はありません。”この件、結論到達という感じですね。まあ、僕は前述のとおり、違和感を覚えた、と言う事で、(違和感を)覚える、覚えないと言うのは、個人の感覚の問題で、前述の”噛み付くつもりはありません”ではありませんが、双方の”感覚”の相違で結論に出来ようかと、、、”僕としては何も言うことはないな。”状態。
  但し、皮肉と書いた事実に違和感はない、とするのは、僕にも違和感はありません。(極端な話、書くのは勝手。あくまで皮肉という表現に違和感を覚えた、と言う事で、、)
  それとさて、鉄人様はどっちの感覚を持ったか(!?苦笑、、、)

  でもプロ野球ネタついでではありませんが、トレードなんかでも、先にプロテクトリストに入れておかなかったので、そこを獲られて、翌年、その放出選手が移籍先で活躍、結構な自軍キラーになった、なんてのはもう、モロ皮肉を感じますね。

  皮肉といえば更についでに、先の61年のアンクティルネタの時の野球話題で確か、(リアルネタがあったような、、、の件)。確か、1回の表で、一番バッターにソロを打たれたけど、その後27人、ノーヒット、しかし、自軍が点を入れてくんないので、パーフェクトどころか1-0で負け投手、なんてのは、もう皮肉も甚だしいとは思います。(!?)

  あっ、それと勿論、プロアスリートは条件の良い方に行く、と言うのは超スタンダートな話で、今更書くまでもないです。敢えて補足するとすれば、個人的には、象徴的な名前(ある意味プロ中のプロ)を挙げるとすれば、やっぱ、現役時代の落合かな、レアーな逆な名前を一人挙げるとすれば、やっぱ大谷君になる!?(=野球が上手くなる事以外、金銭面も含め、関心がない!?)
2019.06.07 13:35
アンコウ
Arturoさん、

ああ、そこを理解の上での時間的な意味で「皮肉」のことばは説得力がないということですか。まあ、それについては僕としては何も言うことはないな。

それはともかく選手が条件の良い方へ行くのは、まあ、しょうがないでしょうね。長嶋はほぼ決まっていた南海入りを、読売のゲンナマ目の前にドカン作戦で、あっさり約束破ったわけだし、それを非難できる人はいないでしょう。あ、読売の数分の一の契約金でも、長嶋と勝負できる阪神に入ることにこだわった村山なら、これについて何か批判的なことを言っても説得力があったかもしれないけど。

まあ、各チームのエース級や4番バッターが契約条件の良い読売に行っちゃうのなんかも当たり前といえば当たり前。それでも勝てなかったりするのも、ある意味皮肉 笑) ただ、メルクスの場合はそれがいろいろあったシマノを選んだことで、その経緯を「皮肉」だと言う(誰が書いたか覚えてないけど、まさか鉄人だったりして 笑)のは、僕としては別に違和感はありません。

阪神に入りたいと言ってドラフトで中日に行き、阪神キラーになって引退後は阪神の監督になって優勝した星野なんかも、そう言う意味では皮肉な成り行きと言えるかな? あるいは読売に行きたいと言って、回り回って読売に入ったけど、それがその野球人生とその後の人生にとってよかったかどうか、と思える清原の例も、逆の意味で皮肉な運命?  まあ、皮肉という言葉にこだわる必要はないでしょうけどね。
2019.06.07 00:21
Arturo
アンコウ様
  いや、ですから趣旨は理解しているつもりではあります。事件から10年以上経って、現役もとっくに退いて、そしてその時に、シマノと契約して、あの当時の事を書いて皮肉にするというのはチト、ムリがあるんじゃあないのかな?(早い話、時間経ち過ぎ!)
 「いやねえ、過去にああ言う絡みが出来ちゃうとね、これはもう何十年経っても、かついかなる状況でも、シマノと縁をもつなんて事はもう皮肉としか言い様がないね。」と言ってるが如きに聞こえた、僕には、、、と思えた訳です、と書いた方がニュアンスが伝わる!?。

  少し話がズレるけど、契約と言うものは元来、プロ選手はクレパーなものだと思いますけどね。
  モゼールについて、その昔ある人物が(この人物は元カンパ社員だった。但し以下発言の時点ではもう社員じゃなかったけど、、、それどころか自転車界にはいなかった。)以下のように言ってました。「モゼールは娼婦と同じだ。つまり、娼婦は、愛しているいないは論点ではなく、いくらカネを払うかが否かが関心の対象だ。」言うまでなく、モゼールは、カンパから始まって、シマノ(AX)そして又カンパ、そして又シマノ(74シリーズ)と二往復している!?(以前これも書いたか!?)
 その前提で、先のメルクスの契約に戻ると、僕にはある意味日常的な光景にしか思えないですけどね、、、契約、スポンサーに手を挙げてくれたから歓迎した、と言う事で、これがもし、73年の経緯があり、感情の整理がつかないからせっかくの申し入れだが辞退したい、となったらもうまるで、、、、ですね。僕個人の感覚では、、、
(勿論、発言の主、元ネタがアンコウ様ではないのは承知していますので、別にアンコウ様自身に噛み付くつもりはありません!苦笑、、、)
2019.06.06 23:10
アンコウ
Arturo さん、

いや、つまりメルクスは現役時代はカンパで、シマノに勝たせないためにマルテンスにお前は勝つなと言った(真偽は問いませんが)のに、引退後、自分のブランドではシマノと契約したというのを、「皮肉」な巡り合わせと称しているわけでしょう。
2019.06.06 22:14
Arturo
アンコウ様
 (先の投稿、何故か名前が出ていませんでした。お騒がせしました。しかし、いつも自動的にそうなるのに、何故だ!?でももうミエミエに分かってらしたので問題ない!?)
 いずれにしても了解しました。内容からして、84年辺りではなかろうかと推察します。(実はこの頃は、僕は全く日本の情報に触れていなかった時代でもありました、、、)だとすると、前述の通り、皮肉ネタにはムリがあると感じます、、誰がどう書いたのか知らぬまでも、、、
2019.06.04 23:26
アンコウ
Arturoさん、

いや、メルクスブランドの自転車のことです。日本に来た理由はシマノとの契約ですね。メルクスブランドのロードやスポンサードしているチームの自転車に、当時のSISのニューディラを搭載するという契約。で、それに関連して73年のことを挙げながら皮肉だと言った雑誌の記事を見た記憶がありますが、どこにあったかは不明。

これ、多分CYPRESSさんが知ってるんじゃないかな。メルクスの講演会に行ってると思うんで。ただ、最近ご無沙汰だからこれ読んでるかわからないけど 笑)
2019.06.04 18:17
コメンテータ
アンコウ様
  そのフレーズは僕は知らないですね。ニューサイだったにせよ、なんだったにせよ、85年位以降のもの?!。勿論、自分の自転車って、選手時代じゃあないですよね(68年以降、最後のC&Aに至るまで、ず~とカンパだったので、、)何用か不明ですが、(のちに起こしたチーム、スポンサー、スイスのCILOだっけ!?にシマノを使ったのを風刺した!?)あまり風刺の根拠が成立しない気もします。73年の翌年には皮肉にもそのシマノDA搭載のマシンに乗る運命になった、とか言うんだったら風刺のし甲斐もある気がしますが、、、、

  バルセロナのサーキットコースは流石に同時代性はゼロです!?。当時それこそフランドリアでメカニックをやった、S社のN村さんとかだったら解る!?。
  但し、99年のヴエルタではバルセロナのステージはサーキット、周回コースだったので、(プレ世界選仕様狙いレイアウト。そう言えば雨降りでストライキが起こりかかったなあ、ヘンな事まで思い出した、、、)あれがたしか世界選のコースの再現だったような。しかし73年かどうかは?記憶にないです。モンジュイのコースと言う事で、市街地は一部ですね。(クリケリオンの84年仕様!?)。僕の行った中でも、サランシュ リスボン アグリジェント ヴァルケンブルグ ベニドルム ヴェローナ、サンセバスチャンとか、大概どこも、街の一部を組み込むけど、大半は街の外ですよね。通常。90年のコースは街から遠く離れた田んぼの中だったから、かなり異様!?。(20年のトウキョウも!?まあ世界選手権じゃあないけど!?)
2019.06.03 23:46
アンコウ
Arturoさん、

当時から、この73年の世界選に引っ掛けて、あの時シマノのマルテンスに勝たせなかったメルクスが、自分の自転車のパーツにシマノを選んだ皮肉なんて言ってる記事をどこかで読んだ記憶があります。ニューサイかな?

73年はバルセロナだけど、あれって街中なの? 映像を見るとサーキットのように見えるけど。
2019.06.03 22:14
Arturo
アンコウ様
  確かに真横映像は珍しいですね。まあバイク併走撮影映像だと思えますが、この頃はゴール時、こんなふうに走る(並走)が可能だった!?。現代では絶対有り得ないですね。こっから先はダメよ~と、コースから外れていく映像は散々見た記憶はありますが、(ゴールからの、固定カメラ映像に切り替え!?。)シャンゼリーゼのそれも、コース上にレールを引いた(モノレール!?)”固定”カメラ映像と、なんとも大掛かりな代物だった記憶があります。但し、この先は、ドローンが導入されて、過去には有り得なかった映像が比較的簡単に見れるようになる!?。(ドローン機材と、すぐれたドローンパイロットがいればよし!?。コストもかからない!?)

  すぐれたパイロットと言えば、確かにこの映像も(当時の機材も含め)なかなかの職人芸映像では?等と思いました。確か、90年の宇都宮の時も、バイク映像を撮れるカメラマンがおらず、結局、そこは”外注”になった、と言う話を聞いたのを思い出しました。
  あっ、文中にあるようにメルクスのインタビューは、当時の来日時のものです。(確か、某パーツメーカー主催レース!?のゲストで来日!?)
  引越しで捨てた!?しかし今の家のスペースの状況は(=片付け)進行状態はどうでしょうか?又近未来に、ダンボール箱複数を、例の某所から送りつける可能性は留保されているので、又水面下での準備、宜しくお願いします!?(苦笑)
2019.06.03 11:20
アンコウ
Arturoさん、

お久しぶりです。マルテンス疑惑のゴールはまあ、前にも書いたような気がしますし、有名だからね。今回はスルー。ただ横から並走して写しているのは現在ではツールのシャンゼリゼゴールぐらいしか見られない絵柄だから貴重ですよね。

当該のインタビューはメルクスが来日した時のものでしょう? マフィアが絡んでいたと聞いていますとのセリフは僕も記憶がありますね。BCは創刊号から持っていたんだけど、引越しの時に全て処分してしまって、今となると結構後悔しています。 サイスポでもインタビューが載っていたと思うけどあまり覚えてません。メルクスと皇居の周りをサイクリングした写真が載っていて、知り合いが写っていて羨ましかった記憶があります。競マガは?
2019.06.02 21:33
Arturo
アンコウ様
  久し振り!?に僕向きの話題!?が提示されていますね。と言う訳で、こっちも久しぶりに投稿!?。
  (但し、73年の世界選ゴールスプリントネタは過去に話題になった記憶ありで、ここでは割愛。スキャンダルネタ、シマノ1対カンパ3件、、、)
  今回は一寸いつもの投稿とは気色を変えて、国内ネタを書いてみます。この頃はマニアックな記事があった、、、と言う事で、、

  僕の中では日本語化された記事は、やっぱニューサイのシャニー記事で決まり!なんてのは高田馬場でも話題にした記憶がありますが、80年代のBC誌に来日したメルクスのインタビュー記事が掲載されていて、かつ、この一件に質問した記載があって、日本の雑誌でこんな記事があるんだ、等と思った事を思い出しました。(ちなみに本人のコメントとしては、「あまりハッキリ言いたくはありませんが、まあ、そんなところではないでしょうか。(=この年は外国人に勝たせたくなかった。連勝して欲しくない。結果の妨害アクション)」みたいに書いてあった記憶あり)
 当時としては偉いマニアックな内容だったのを思い出しました。初期BCはマニアックな雑誌だった!?、そのコンセプトに、、、。
  日本には、これ以外の記事はない!?僕が知らないだけ!?「バカ!何言ってんだ、今はあの頃よりは完全に進化してるんだ!。何もミーハーが増えただけじゃあない!、XY年のZ号のOO誌読んでみろ!。」と言う投稿が来る!?。
  
  しかし果たして、69年の失格と99年の失格は相似化出来るか?。(69年の件、同インタビューでも、「あれはマフィア絡んでいたと聞いています。」のフレーズも登場した記憶あり。いよいよ、、、、)
  
2019.06.02 12:47

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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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