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映画「そして、私たちは愛に帰る」(ちょっとだけネタバレ)

2019.01.16.21:00


なんちゅう題名つけるんや、と思ったけど、なるほど映画のメッセージを表している題名ではある。

というわけで、またまた映画のお話。

ファティ・アキンという最近名高いトルコ系ドイツ人監督の映画。僕はこの監督の映画は「ソウル・キッチン」と「女は二度決断する」を見ているけど、「ソウル~」の方はちょっと暗いコメディ 笑)で、あまり好きなタイプの映画じゃなかったし、「女は~」の方はラストが絶対納得いかなかった。主役のダイアン・クルーガーはすごいとは思ったけど、なんとなく憎しみを煽るような作りが鼻についた。なのでこの映画も人に勧められたんだけど、あまり期待しないで見始めた。結果は、うーん、すごい! 傑作じゃないの!

トルコ人の老人とその息子、トルコ人の中年娼婦とその娘、ドイツ人の女子大生とその母の六人の運命的な出会いとすれ違い。

細かい込み入ったあらすじ、もう一度ビデオを見ながら書こうと思ったけど諦めた。見てください。ただ、上記の六人が、それぞれ探し合うんだけど、ドイツとトルコを行ったり来たりしながら微妙なところで出会えない。

最後に全部のつながりがはっきりするかと思うと。。。

原題は「別の側で」とか「あっち側で」とか、そんなような意味で、トルコ人たちにとってはドイツは自分たちの国とは別の側だし、ドイツ人たちにとってはトルコが別の側ということの暗示かな。それ以外にも親子の世代間のあっちとこっちかもしれない。

ちょっとネタバレすれば、上記の六人のうちトルコ人中年娼婦とドイツ人女子学生が死ぬ(これはネタバレといっても表題になっている)。だけど最後はそれぞれの娘と母がしっかりと抱き合う。そして最後に父と息子も。。。

母を演じているのがハンナ・シグラという女優。アップになった瞬間に、あ、この人知ってる、と昔の知り合いにあったような胸が熱くなるような気持ちになった。この人は「マリア・ブラウンの結婚」という早世したライナー・ファスビンダー監督の映画で有名になった人で、最近ではソクーロフの「ファウスト」でメフィストの妻というなんだかよくわからない役をやっていたけど、この映画でもものすごくいい。

いろんなところに挟まるシーンが印象的で、娼婦の棺がコンベアーで飛行機から降ろされるシーンと、逆に女子大生の棺がコンベアーで飛行機に乗せられるシーンの対称性や、最後のシークエンス、冒頭のシーンが繰り返され、めまいがするようなデジャヴ感を感じさせられる。この映画は3部構成になっているんだけど、1部と2部の出だしはドイツでの平和なデモに対して、トルコでの警官隊とぶつかり合うデモの対比。劇中でトルコがEUに加わればトルコの反体制派弾圧も変わるというセリフが出てくるけど、この映画2007年の映画だ。そんな風にトルコがEUに加わるのも時間の問題と思われていた時代があったんだよね。今じゃ考えられないけど。

そして最後の海に向かって息子が砂浜にしゃがむシーンの余韻が素晴らしい。完成度が高い映画という印象も持った。他のアキンの映画を見たくなった。


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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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