ずいぶん昔の映画だが、タヴェルニエという監督の「田舎の日曜日」というフランス映画があった。田舎に隠居している父親を息子や娘たちが訪ねて行った1日のことを描いた、なんていうことのない映画だったと記憶しているけど、その中に息子が年老いた父と話をしながら、突然インサートショットで、亡くなってベッドで手を組んで横たわっている父の姿を想像するシーンが一瞬だけ挟まれた。
この何年か、僕もあの息子のように、いつかそういう日が来ることを予感していた。
記録的な猛暑が続いた7月の末に父が90歳で亡くなった。だいぶ弱っていたからある程度は覚悟していたことだったが、食事中に突然座ったままぱたっと動かなくなり、母が救急車を呼んだ時にはすでに呼吸も脈もなかったそうだ。本人が生前言っていたように延命は断った。だから僕が駆けつけた時にはすでに亡くなって30分以上が過ぎていた。
20万年前のミトコンドリア・イブ以来、人類はどのぐらいの死を経験してきたのだろう? いや、旧人のネアンデルタール人も埋葬に際して花を供えた可能性があるそうだから、それから考えたらどのぐらいの数の死があったのだろう? 誰もが通る道だが、とても辛い。
しばらくの間喪に服します。

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