先日に引き続き、ロシアンカルトシリーズで、ゲルマン監督の「フルスタリョフ、車を」を見てきました。平日の昼間なのに結構人が入っていましたね。驚きでした(もっとも途中で出て行った人もいましたが 笑)。このゲルマン監督のの「神々のたそがれ」は2度見に行ったことは書いたことがありました。
映画「神々のたそがれ」再び映画「神々のたそがれ」今回もびっくりさせられましたが、「神々〜」を見ていたので、ああ、よく似てるなと思いました。ワンカットが長く、その中でいろんな人がふざけているような行動を取るんだけど、それを逐一カメラが追わずに放っておく、というような不思議な感覚を味あわせてもらいましたわ。まあ、あえて言えば「フルスタリョフ〜」を見た後に「神々〜」を見るべきだったかな。
ただ、正直に言って、なんだかわからない。本当にわからない。特に始まってからしばらくの間は誰が誰だか、なにがなんだかわからないままです。狭い室内空間で、たくさん人が雑然と出てくるんですが、この人たちなんなの?(見ていくとどうやら家族らしいんですが結局説明らしい説明はないです) そんなところも「神々〜」と似てます。炎の色が白く映るような光度の高いハレーションを起こしそうな白黒画面だったり、音響の臨場感がすごかったり、いろんな無意味なものが雑然と置かれている室内や、騒々しく汚いのも「神々〜」と同じ。
登場人物の名前がドストエフスキーの小説の中の名前と同じ人が何人か出てきます。ソーニャ・マルメラードワは「罪と罰」のヒロインだし、ワルワーラも多分「貧しき人々」のヒロインの名前でしょう。他にもあるのかもしれません。だけどそれが何の意味があるのかがわかりません。
主役は脳外科医で軍の将軍でユダヤ人で、大家族なんだけど愛人がいたりして、その様子が「神々〜」と同じように乱雑で人々が入り混じり、勝手なことをしたり、叩き合ったりしています。随分たくさんの人が叩き合うんですが、それが演技じゃなく本気で叩いてるんじゃないか、と不安になるぐらい激しいです。
その彼が突然の失脚で極寒の収容所に連れて行かれ、囚人仲間にいわゆるカマを掘られたり殴られたり、雪の上を這いつくばったりとひどい目に遭わされますが、これまた突然解放され、瀕死のスターリンを診療して救うよう要請されます。でもスターリンは放屁しながら死にます。当然主人公は始末されるのかと思いきや、突然時間が10年飛んで、彼は電車に乗って飲み食いしているところで電車が遠ざかっていって映画は終わります。
冒頭が夜で車のヘッドライトが近づき、犬が駆け寄ってくるシーンでボイラーマンが殴られKGBに(?)拉致されるシーンで始まり、最後は10年後に出所したこのボイラーマンが電車に乗ると、主人公がいるというふうになっていて、このボイラーマンは全く無関係なんだけど、映画全体のワクみたいな役割を果たしてるようですが。。。
非常に不親切な映画だから、ストーリーを追うとか理解しようとすると腹が立ってくるかもしれません。ネットにある解説を読んでおくことはお勧めしますが、でもそうやって予習しても大して意味ないかも。ただ映像の動きにこちらの気分を同調させるのがいいのかもしれませんね。
いつかもう一度見てみたいと思うけど、なかなか根性入れないともたないなぁ。

にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト
trackbackURL:http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/tb.php/3106-cc1086f9