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パリ〜ニース(5)あれまあポリット

2018.03.09.02:22

うーん、さすがに歯切れの悪い優勝者インタビューでした。特に拙ブログで何度も登場しているニールス・ポリットのレースだっただけに、言いたいことはたくさんあります。

1989年のNHKでやったツール放送だったと思いますが、数人で逃げていた小集団で、マイヨジョーヌのフィニョンのために逃げに乗ったティエリ・マリは完全にツキイチで最後まで前に出ませんでした。そして、そのまま集団に捕まることなく小集団でスプリントに入ると、マリはまるで反応せず足を止めて少数団の一番後ろでゴールしました。

2000年代の初め頃? イエンス・フォイクトがスペイン人(名前失念)と二人で逃げて、最後は勝利を譲り、ゴール後、今日は彼がレースをお膳立てした。僕は後ろについて行っただけだ。だから彼が勝たなくてはいけない、と泣けるセリフを吐いたものでした。

その時、自転車レースはサッカーとは違う!と誇らしく思ったものでした。サッカーだったらマラドーナの神の手に代表されるように、審判に気がつかれなければ、何をしてもゴールすれば勝ちです。ハンドしたって醜く審判にしてないと迫ったりするし(まあ、微妙な点はママあることでしょうけど)、どうも潔さがないよね。まあ、サッカーが熱くなるのはその辺にも原因があるのかもしれないけど。

ふと思えば野球もサッカーに似た面があるかもしれませんね。昔の漫画「巨人の星」で、確か主人公の星飛雄馬が二軍の練習試合で空タッチで、審判はアウトを宣告したにもかかわらず自ら今のは空タッチだったと申告して、逆にみんなから嫌われちゃう(うろ覚えです 笑)なんていうエピソードがありましたっけ。そういう意味では審判がいるスポーツにそういう面(審判が気がつかなければラッキー)があるのかもしれないと思ったけど、そうとも言えないシーンもなんども見てます。

例えば、昔、男子バレーボールがまだ日本が強かった頃、南という選手が審判が日本の得点にしたのに手を上げて自らネットタッチを申告したことがありました。格好いいなぁ、と思ったものでした。

1970年代の卓球の世界選手権では、ベスト8決定戦でリークという選手が世界チャンピオンになったことのあるベントソンにフルセット19対20まで追い詰めたことがありました。そこでベントソンが倒れながら放ったスマッシュ。それがコーナーにエッジボールで入ったかどうか非常に微妙な感じで、ベントソンも審判を見つめ、審判の方も副審を見たまま、すぐにポイントを宣言しなかったのですが、ボールを拾いに行ったリークはそのまま戻ってくるとベントソンに握手を求めました。これは当時の卓球レポートという雑誌に出ていた話ですが、なんて格好いいんだろうと思いました。

ところが、2013年だったか、パーヴェル・ブルットがツキイチのまま最後にアタックして優勝したことがあり、あれ?ここまでやって勝ちたがるのって、どうなんだろうと思ったものでした。

だけど、あれってチームのポイントがワールドツアーチームの要件になった以上、勝って点数を稼がなくちゃ、翌年2部に落ちちゃうかもしれないわけですよね。なんか今の社会を写しているようで気色が悪い。だいたい人がやることを数字で評価しようとすると、ゆとりがなくなります。そもそも社会全体が競争競争で、昔のようなゆとりがなくなってますが、それと同じものをスポーツで見せられてもねぇ。。。

というわけで、パリ〜ニースの第5ステージです。ラスト10キロでクザンが前に出たのは3回だけ。それもわずかな時間でポリットが業を煮やしてすぐに前に出て、結局あれだけツキイチで、ポリットから何度も「へい!出ろよ」と言われても出ないで、昔だったら表彰式でブーイングが起きただろうと思うんですが、勝利はチームのためという意識が強くなって、どんなことをしても勝つという風潮が強くなったというのは、個人的にはなんか嫌だなと。。。

まあ、負けたのがポリットだからということは別にして、こういうのって勝利至上主義で、いやしくもプロがやっちゃあダメだろという思いとともに、チームに点数がついていくシステムだから何としてでも、たとえブーイングを浴びても勝たなくては意味がないという言い方もできるんだろうけど、、、うーん。。。。

まあ、クザンの側から言えば、あれだけ集団に追いつかれるのを覚悟の上で我慢したんだ、心理戦を制したんだ、ということも言えるんでしょうけど。。。確かにポリットがもっと老練な選手なら、この騙し合いに付き合って、クザンを前に出させたのかもしれないけど、でもそれじゃあ捕まったかもしれないしねぇ。。。解説の浅田さんは「冷静」という言葉を使ってましたが 笑)

で、僕としてはウィギンズの喘息治療薬が反倫理的というのなら、ああいう勝ち方も反倫理的ではないのか、なんて言ってみたくなったりします 笑)



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comment

Arturo
アンコウ様
 いや、700と言うのは尾ひれ、なんちゃらの類と言うより、これそのものがガセと見るべきでしょうね。
 前述のとおり、Dと、ポッジャーリが同じ事を言っている(まさか僕を陥れるために口裏合わせをしたとは到底考えられない。勿論、この二人には地理的にも因果関係、近所関係はない。どっちも選手だったから、名前は双方知ってるだろうレベル、、)と言うのは個人的には、大きいです。勿論、ポッジャーりは特に長年モゼールの傍らにあった、と言うのは更に大きいですが、、。まあ以前投稿したとおりで、、、
 (700払ったんなら未だ幾らかマシだけど、ポッジャーり系の話なら、当然タダなので、これは更に始末に負えない!?笑)
2018.03.19 12:58
アンコウ
Arturoさん、

なるほど、1年後の記事まで当たる根性はなかったです 笑) 700万で買ったというのはどうなんでしょうね。クネーテマンの人柄まで否定できちゃうのは時代を感じさせます 笑)
2018.03.19 12:35
Arturo
アンコウ様
  と言う訳で、宿題の件、ついに業を煮やして(!?)、別ルートで当ってもらったところ、1979年11月号 24ページに当該記事がある事が判明しました。まあ、当時はこう思われていた、と言う事で、、、オランダ人は良く思われていなかった、と言うのは、同じですが、、、。(当該画像を貼り付けようと思ったのですが、失敗しました、、、苦笑)
  いずれにしても、以前登場した、D、及び、ポッジャーりがしていた内容とは異なる、と言う事で、この宿題の件、これもこれにて終了!?と言いたいところですが、時間が経過しすぎて、そもそもの論点すらアンコウ様の記憶にない!?(笑)

 かつ以上の調査タイムラグもあり、投稿が遅れました(笑)
2018.03.19 12:14
CYPRESS
放送も動画も観てないんで、断言できませんが、
表彰式でブーイングが起きないのが、社会情勢の流れが原因なら救いようがあるんですが、
アームストロング初めドーピングの影響でロードレースは汚いと思われたら、
救いようがない。
本格的なロードレース離れが起こっているのかもしれない。
2018.03.17 22:07
アンコウ
Arturoさん、

競技マガジンの78年11月号確認しました。うーん、モゼールとクネーテマンが取引したという話は出てないですねぇ。ついでに沼さんの記事を探したけど、11月号にはなく、12月号にありますが、その件については確認できず。

まあ、勝ちにこだわることをモラルの低下といっていいのかどうかわかりませんが、仁義なき戦いになってきたのかな、と思わん事もないではない、ってとこでしょうか。

まあ、勝った方から見れば、本文にも書いた通り、心理戦を制したのだと言えるわけですけどね。でもあれだけ露骨に前に出るのを拒否して引かせて最後に掻っさらうって、やっぱりねぇ。。。
2018.03.14 22:06
Arturo
アンコウ様
  いや、勝負にこだわると言うより、勝つためには手段を選ばず、、、(それもドーピングみたいに競技中は目に見えない形ではなく、ゲーム上で露骨な形で、、、)と言う風潮になってきた、、と説明の趣旨を理解していますが、、、。
  しかし見る側とすれば、そういう風潮に一石を投じる為には、それこそおかしな事をする政治には国民が声を上げなければならない!ではありませんが、ブーイングしないといけないですね。しかし説明によれば、最近はそうもならなくなってきている、と言う事でしょうか?仮にそうなら見る方もモラルが低下!?。その前にスポンサーもモラル低下!?(勝つ為には、競技上のモラル低下を容認!?)と言う事でしょうか?。
  先のオリンピックで、スケート選手を年間1千万単位で応援した病院の院長さんが世間の脚光を浴びていましたが、これとは対照的(ここは病院であって、CM効果はない、選手の応援と病気の快癒とは因果関係はない。旨)ま、自転車チーム1年の維持費は全然額が違うしで、同列に言うのは問題ありかもしれませんが、、。

  とにかく僕の時代というのは、インドゥラインを擁するエチャーバリ監督が、「我々は競技をやっているのであって、見世物をやっている訳ではない。」と言うセリフが出た時代ではあります。勿論、これは”非難”に対する、反論としてですが、、、。勿論、当時の”非難”と言うのは、総合優勝以外目を向けない姿勢に対してであって、何もインドゥラインに姑息な勝ち方を強いていた訳ではない、、、。時代は変わった!?

  でもキオッチョリーの件は、あそこで昔話であの件を引用するあたりは、視聴者に「そうじゃあないだろう。」を言わせる狙いだったようにも思えた、と言う事で。やはり以前投稿した、フィ二ョンのDHバー(89年最後のTT)の発言の件じゃあありませんが、、、。かつ、だとすればあの一件未だ怒っていた!?。(笑)

  それと、現場にいなかった僕が言うのもなんですが、デュクロラサールの件は別段騙し討ちじゃあなかった、と言う記憶、印象がありますが、どうでしょうか?(バレリーニの結果待ちフライングでしかない!?)
  1対1の騙し討ちは、既に宿題に出してあるクネットマンの件こそでしょう。あのとおりスキャンダルになった訳で、その点でも、アンコウ様に宿題の遂行をこの場を借りて改めてお願い申し上げる次第です。(笑)
2018.03.14 12:20
アンコウ
Arturoさん、

そうですね、こうしてやりとりしていくと、はっきり見えてくるのは、確かにワールドツアーチーム制度になり、勝利がなければ2部へ落ちるかもしれないと思えば、勝負にこだわりたくなるのは致し方ないかもしれない。

でも観客がそれを良しとしていいのかどうか。今回のケースでも表彰式で口笛が聞こえたけど、あれがどういうニュアンスだったのかTVからは分かりませんでした。露骨なブーッの声は、少なくともTVでは聞こえてこなかった。観客の方もあれで良いと考えたのかどうか。。。

キオッチョリがどんな思いでそう言ったかはわからないけど、今回もポリットが何か言っているかどうかはわかりません。

ちょっと別件で、パリ〜ルーベでデュクロ・ラサールがバッレッリーニを騙し討ちして勝った時、表彰式の雰囲気はどうだったんだろう?
2018.03.14 01:15
Arturo
アンコウ様
 まあなんとなく解ったような解らない様な感じになりました。(但しアンコウ様の説明に問題が有る訳ではない。あくまでこっちのオツムの問題、、、。とにかくビョーキじゃあないんで、、、結果ニュアンス理解には欠落してるもんがあるんですよなぁ、、、苦笑)
 でも武士道の件じゃあないですが、昔はいぎたない勝ち方をした者には、伊語で言うところのフルボなヤツだ!とブーイングはされてましたよね。それがもう現代では消滅、と言う事と解釈してはいます。(だとすると時代の変化を実感、、、と言う事でしょうか、、、)

 これで終わりだとつまらないので、僕の場合の昔例では、マペイのルーベ3人組ゴールの件じゃあないですが、それでも、92年のジロで、少しでもインドゥラインとの差を埋めるべく(非山岳)攻撃に出たキオッチョリーに二人がもう露骨に区間狙いで付いて来て、金魚のフン走行してたのを思い出しました。(当然、後で前述のフルボ扱い)後に、この当事者キオッチョリーが(この時点でもう引退、昔話として引用)この時の件について、当事者でありながら、「あれで協力してくれたら、タイムは縮められたのに、、、」的な泣き言、苦情は言わず、「おのおの思惑を持って走っている、(要は、この場合は当然の行為である。苦情をここで言うつもりはない、旨)」と発言をしているのを思い出しました。(まあ、この場合は逆説、パラドックスで、本当はそう言いたかったのかもしれませんが、、、)
 まあ、時代はいよいよ変わったんですね、、、、、
 
2018.03.13 23:12
アンコウ
CYPRESSさん、

いや、スポーツが汚いはまあ、前提として考えておくのはいいでしょうけど、そうではなくて、昔なら表彰式でブーイングが起きたと思うんですよね。

あと、本文に書いた南にしてもリークにしても、この人たちが特別そうだったというのなら簡単なんだけど、それを賞賛する空気があったことも確かです。サッカーでマラドーナがゴールしたあと、すいません、手で入れましたなんて言わないよな、ということです。もしそれをやってたら逆にブーイングでしょう。下手すれば帰国後殺されてたかも 笑)

まあ、日本もこの前のオリンピックでは結構勝負強かったですよ。
2018.03.13 17:36
アンコウ
Arturoさん、

状況は二人で逃げて最後の10キロ、ほとんど8割以上が若いポリットが引き、前へ出ろと言われても後ろで首を振って出ないというパターン。ただ、本文にも書いたようにポイント制になって、ポイントを稼がないとチームの来年がないかもしれないとなれば、勝たなくちゃならないってことになるんでしょう。
2018.03.13 17:31
アンコウ
あるふぁさん、

こんにちは。現在に悠長な騎士道精神なんか発揮してる余裕はないってことですかね。
2018.03.13 17:27
あるふぁ
メルクスさんあたりがまた文句言いそうですね
2018.03.09 16:22

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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