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映画「針の眼」など

2017.10.29.11:59

昨夜、1981年の表題の映画を見ました。ドナルド・サザーランドが英国で活動するナチスのスパイの役で、前半はサザーランドの立場で捕まりそうになりながら窮地を脱するシーンにハラハラしましたが、後半は一転、サザーランドと恋に落ちた人妻が、彼の正体を知り、追い詰められていくのにハラハラしました。


で、思い出したのが「鷲は舞い降りた」という英国映画。マイケル・ケイン、ドナルド・サザーランド、ロバート・デュバル、アンソニー・クェイル、ドナルド・プレザンスという英語圏の一癖二癖ありそうな有名俳優たちがみんなドイツ軍の役という、一昔前の戦争娯楽映画で、しかもチャーチルを拉致するよう命じられるという話。この豪華メンバーに対して、アメリカ軍やイギリス軍の役をやる俳優はこぞって無名ばかり。内容は007ばりの荒唐無稽さですけど、溺れる子供を救おうとして正体がばれちゃうというシーンなんかもあって、こういう映画をイギリスの観客たちはどういう気持ちで見ていたんでしょうかね?


そもそもこの手のイギリス映画って、主役がドイツ軍人というのが他にもいくつか思い浮かぶんですね。1957年に作られたハーディー・クリューガー主演の「脱走四万キロ」という映画も、メッサーシュミットのパイロットが英国に不時着して捕虜となり、そこから見事脱走するという映画なんですが、これなんかも、当時のイギリス人はどんな思いで見たんだろう? クリューガーが逃げ延びて、最後に言い訳のように、実話を基にしていて、主人公はのちに戦死したとかテロップが出たと記憶しているんですが、少なくとも見ている最中、イギリスの観客はクリューガーに感情移入できたんでしょうかね?


他にもやはり1950年代末に作られたナチスの小型戦艦シュペー号を扱った「戦艦シュペー号の最後」なんていう映画は、なんかイギリス軍の格好悪さが目立つような気がする映画でした。最後はシュペー号は潔く自爆してしまうし、なんかイギリス人としては「とりにがし」感が強いんじゃないかなぁ、なんて思ったものです。


これらの映画で出てくる主役のドイツ人たちはみんな高潔でフェアで、そしてこれが一番大事なのかもしれませんが、決してハイル・ヒトラーはやらないことです。ただし上官とか悪役になるのはガチガチのナチだったりすることもありますが。。。この点はドイツ側を主役に据えたイギリス以外の国で作られた戦争映画、例えばペキンパー監督の傑作「戦争のはらわた」とか、デンマーク映画のくせに英語の「第27囚人戦車隊」なんかでも共通しているところでしょうか。




以前、刑事フォイルに感激して、何度も拙ブログで書いたんですが、こういう過去のイギリスの戦争映画を見ていると、フォイルの中に出てくるドイツ人の扱いにも一本の線が見えてくるような気がします。そういえば、少し前には英国製の「SS・GB」という、もし英国がドイツに占領されていたら、という架空の設定のドラマもやってました。しかし、こういうのを面白がることができるゆとりが羨ましいよねぇ。それとも戦勝国だからこそできるのかな?



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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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