
写真は1944年、
ワルキューレ作戦に関与し自殺したドイツ国防軍高官トレスコウ将軍です。彼はこんなことを言っています。
ヒトラーがドイツを支配したことは「百年経ってもまだ影響を持っているだろう、そして、責めを負うべきはヒトラーのみではなく、むしろ、君や私でもあり、君の妻や私の妻でもあり、君の子どもや私の子どもでもあり、通りを横切っているあの女でもあり、あそこでボールを蹴っているあの若者でもある」
ヒトラーを安倍に変えれば、日本の事です。何十年か先、日本がまともな国になっていれば、安倍政権は史上最低の劣悪な政権だったと断罪されるでしょう。しかし、それ以上に、安倍を選んでしまった今の日本社会が否定的に見られることでしょう。
昨日の都議会選挙の応援演説で、帰れやめろのシュプレヒコールを浴びた安倍は「演説を邪魔するような行為を、自民党は絶対にしない。相手を誹謗中傷したって何も生まれない」と叫んだそうです。「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と指差して言ったという話も出ています。
正直に言って、悪い冗談かと思いました。国会では首相自ら率先してヤジを飛ばし、議長から「総理、お静かに」と言われたことが何度もある人が、こんなことを言えるんですね。
自分に反対するものを左翼とレッテルを貼って、相手を誹謗中傷したのは誰でしょう?
今の社会を議論の場ではなく感情的な罵り合いの社会にしてしまったのは誰でしょう?
総理大臣自らが党首討論を拒み、議論を拒み、質問にはまともに答えず、嘘をつき続け、そして断定的に言えば嘘も本当になると思っているような態度を見せているのに、どういう神経をしていればこんなことが言えるのでしょう?
反対する市民は、彼にとっては敵なのでしょう。徹底した話し合いで妥協点を見つけようという民主主義の手続きすら放棄し、相手に感情に訴えそうなレッテルを貼って反論したことにする。
僕が見るところでは安倍という人は頭がいいわけではない(むしろ悪い)し、発想力もあるとは思えない。瞬間的に感情的な反論をして墓穴を掘っていることが何度もある。つまり話し合いは苦手なのでしょう。こういう人物を政治のトップに置いた時代が、後世から断罪されないはずはないでしょう。ただし、これも後世の社会が今よりもずっとまともになっていれば、という大前提が必要なのは言うまでもありません。
トレスコウ将軍はヒトラーの時代には非国民でしょう。しかし、現在、ドイツで彼を非国民だという人はいないでしょう。国の指導者に抵抗することが愛国であることもあるのです。

にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト
trackbackURL:http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/tb.php/2928-25e9cdf9