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地球が滅びるときに見ていたい映画

2017.03.14.23:59

いやぁ、忙しくて、その忙しさに輪をかけたのがスマホ購入。ずっとガラ携だったんですが、先週末1日潰して変えたんですよね。そしたらその日の夜から忙しくなって、何も手につかず、メールも送れないまま、というかアップルIDも取得できないまま。。。やれやれ、どうなるんだ??

というわけで、そういう忙しい時にはあえて、表題のようなことを書いてみようというわけで、私の一番好きな映画は何?と言われたら即座に、タルコフスキー監督の「鏡」です、と答えます。最初に見たのは1980年の6月。岩波ホールでした。最初に見たときはなんだかよく分からないけど、やたら綺麗だった、という感じでした。風と土と水、そして何より火がこれほど意味ありげに出てくる映画はないでしょうね。

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タルコフスキーは、その前に「惑星ソラリス」を見ていて、これもまた不思議な雰囲気の映画なんですが、これは原作を先に読んでいて、映画ではラストが全く違い衝撃を受けました。その監督が作った映画ということで、かなり気合が入っていたと思います。

一度見て、なんかよく分からないと思いながら気になって気になって、一週間経たないうちに、当時よく一緒に映画を見ていた友人が見に行くというので、じゃあ、俺ももう一度見る、とついて行ったのでした。

二度目に見たとき、台詞の中に「リヴャートキン大尉の姉でスタヴローギンの奥さん」という言葉に、たまたまその少し前に読んだばかりのドストエフスキーの「悪霊」の登場人物だ、ということがピンときて、この映画には、ただぼんやりと映像美といって済ましてはいけない、かなりたくさんの不思議な謎かけがある、と思ったのでした。

冒頭の、映画の中身とは何の関係もないTVを見るシーン、吃音の青年が「私はしゃべれます」という言葉で始まり、最後の「どうにかなるさ」と言って死んだ(?)スズメを投げ上げると生き返って幼年時代の故郷へ飛んでいくシーンまで、冒頭のバッハのオルガンコラールの「古き年は過ぎ去りぬ」から最後の「ヨハネ受難曲」の冒頭の合唱まで、もう今思い出していても、気持ちが高ぶります。

この映画の大きな枠は、「私」という現実には病気で臥せっている男の夢と思い出と想像からできていて、「私」の気分によって夢の中の出来事もいろいろと改ざんされていきますし、思い出もそうなのだと思います。何しろ不思議な映像がたくさん出てきて、いろんな謎解きに誘います。

この映画はビデオなどなかった時期、ぴあという情報誌をいつもチェックしていて、都心でやると必ず見に行きました。多分映画館で20回ぐらい見ていると思います。法政大学の学園祭にまで見に行きました 笑) 今パンフレットを見たら、半券が9枚貼り付けてありましたが、他にもまだ京王笹塚や池袋文芸座などのビラが挟まってました。

IMG_4596_convert_20170315003029.jpg

その後21世紀になってDVDを買ったんですが、これを見たのは結局の所1回か2回か。。。やっぱり映画館で見たいですね。というわけで、地球が滅びるときにはこの映画を見ていたいんですが、地球が滅びるときに映画館が果たしてやっているかどうか。。。

1984年、タルコフスキーが亡くなり、それとほぼ同じ頃、池袋のデパートの地下にあったスポーツ用品コーナーのエンドレスビデオでツール・ド・フランスの映像が流れていたのでした。5分ぐらいの映像でしたが、その前におそらく2、30分立ち止まったまま、呆然と繰り返し見ていました。今から思えば、あれはアルプスで、ロバート・ミラーだったんじゃないかと思うんですね。華奢な金髪をなびかせたその姿にウットリしましたね。こうして、僕の映画の時代が終わり、自転車に夢中の時代が始まったのでした 笑)

というわけで、タルコフスキーの映画については、「鏡」に限らず、いずれまたもっと詳しくご紹介してみたいと思っています。


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comment

アンコウ
CYPRESSさん、

こんばんは、いやルターのりんご樹ではなく、昔の映画「ソイレント・グリーン」のイメージでした 笑)

タルコフスキーはすべてすごいです。ちなみに私の映画ベスト10は、一番「鏡」二番「ソラリス」二番「アンドレイ・ルブリョフ」二番「ストーカー」二番「僕の村は戦場だった」、六番「ノスタルジア」六番「サクリファイス」八番「ニーチェの馬」九番「神々のたそがれ」九番「大地のうた」九番「どん底(黒澤)」と、あと50ぐらい九番が並びます 笑) まあ半分冗談ですが、半分本気。

ミュシャ(ムハ)は昨日もTVでやってましたけど、人気ありますね。20年前まではポスター画家だと思ってましたわ。
2017.03.18 23:31
CYPRESS
「地球が滅びる時」?
マルティン・ルターか(笑)
(「たとえ明日地球が滅びるとも、今日あなたはリンゴの木を植える」だったかな?)
映画やドラマで誰かが夢中になった作品には間違いなく観る価値がある。
タルコフスキーは有楽町で『サクリファイス』と『惑星ソラリス』を観た。
当時はヴィデオも無かったんじゃないだろうか?
『鏡』とか『ストーカー』は飲み屋で熱く語った誰かがいたなぁ(笑)。
『シベールの日曜日』とかも観るつもりでありやすが、ここ数年子供の頃からのお気に入りの絵画にお熱なんで、しばらくお預け。
なんたってアルフォンス・ミュシャなんてのが新国立美術館に来てるんだからなぁ。
こんなチェコ人、絶対日本に来ないと思ってたから。
しかも、超大作『スラブ叙事詩』全20作全部来てる(@_@)。

さて、さて、最後に映画館で観るならねぇ、
まぁ音声に関してはDVDで5.1chになってから家庭でもかなり高音質で楽しめるから、やはり横長の大画面だなぁ。
となると最初に思い浮かぶのが、黒澤明の『隠し砦の三悪人』。
三船敏郎演じる真壁六郎太が疾走する馬上から山名の騎馬武者を切り落とす場面は、地球の最後に観る価値あり。
でもその時には、真壁六郎太が地上に現れず悲しみと絶望を倍増させそうだから、ダメかな(笑)。
2017.03.18 20:23

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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