アンコウ
ミニさん、
コメントをありがとうございました。ミニさんは私よりちょっと上の世代の方でしょうか? (無論、お答え不要です)
私が、正しく定義すれば「左翼」ではないだろうと言うミニさんの推測は当たっていると思います。72年の連合赤軍事件の後の、学生運動が急速にしぼんでいき、かといってまだ大学はレジャーランド化していない74年に大学に入学し、学生運動の時代に対する強烈な劣等感があり、心情左翼と自己卑下しながら、焦りも感じていたのが私の世代だったと思います。選挙では社会党か民社党(民主党ではない 笑)に投票したけど、共産党には入れなかったし、無論自民党にも入れなかった。そもそも共産党系の学生たちは「民青」と呼ばれてバカにされていて、今でも覚えてますが、学園祭で黒澤明の「七人の侍」を大ホールで上映するというので、並んでいたら、知り合いから「なんだ、アンコウ、これ見るの?これって「ミンコロ」が主催してるんだぜ」と言われて、内心ちょっと恥ずかしかった記憶があります。(だけど、無論共産党がなぜダメなのかはわからなかった)
だから僕などは左右のスケールのほぼ真ん中、日和見と言われて、一番軽蔑されていた立ち位置だったはずなんですが、自分では、当時から今に至るまで、その位置から全くずれていないと思っているんだけど、周りがどんどん右側へずれていったおかげで、そうした事情を知らない若い人たちには、立派な「パヨク」ですよ 苦笑)
もっとも、あの時代の自民党内のハト派の人たちなんかは、スターリン氏なんかに言わせれば、極左かもしれません。
以前にもコメントをつけてきたネトウヨと呼んでも構わないと思われる人たちの決まり文句は、「本当の歴史を勉強してください」でした。そして呆れるほど怪しい(悪質な、といった方が良い)HPを紹介してくれました 笑)曰く、日本の軍隊ほどヒューマンな軍隊はなかった、曰く。南京虐殺などなかった、曰く、従軍慰安婦などいなかった等々。僕の学生時代なら、街宣車に乗った右翼だって、なかなかそんなことは言わなかった。
なんだか時代が恐ろしい勢いで変わってしまいましたね。
東京新聞の元旦の井出英策と堤未果の対談でも、中の下意識の人が日本には多く、貧しくなっても中間層にとどまっていると信じたがっている人が多い。だからもっと貧しい(弱い、困っている)人を、なんで俺らがそんな奴らを助けなくちゃならないの?といって格差是正に反対する傾向が強いというような話が出ていました。保守派の連中は見事に社会を分断することに成功したわけです。
これをまともな社会に戻すのには、きっとかなりの時間がかかるでしょうね。僕はもう自分が生きている間にそういう社会になるという望みは捨てています。ただ、子供達には、悪いことをしたな、こんな不寛容な社会にお前らをおいて、俺の方が先に死んじまうのは申し訳ないな、という気持ちがあります。
金子光晴の「富士」、先ほどネットで検索して読みました。スターリン氏ならこれは「非国民」と罵るのでしょうけど、彼が言っていることは勇ましいけど、彼が主張するような社会は嫌なことを嫌だと言えない社会で、過去の歴史を思い浮かべれば、それはとんでもなく不幸な社会だというのはわかりきったことだと思うのですがね。