というわけで、正月早々、このニュースから始まるのも拙ブログらしいかも。正月にふさわしくない?いや、人は正月でも死ぬものです。もっとも12月29日のことだったようですが。
スイス史上最高のスポーツマン、「フェルディ・ナショナル」と呼ばれた、1950年のツールの総合優勝者が97歳で大往生です。ツールの歴代優勝者で最年長だったんですが、これで
1956年に優勝したロジェ・ワルコヴィアクが最年長ですかね。ところで、キューブラー、我が家にはこの人の分厚い本が一冊あります。

そういえば、世界チャンピオンになった当時の雑誌もありました。ゴールと同時にペダルストラップに手を伸ばして緩めてます。昔はみんなこうだったんですよね。

この選手は、なにしろファイターとして有名で、遮断機が下りているのにそれを超えて行こうとして審判に止められると、それに殴りかかるという映像まで残ってますね。さらには、調子の出ない自分に対しては、自分で自分に罵声を浴びせながら走るし、魔の山ヴァントゥーではコースを逆方向に走ろうとするほどフラフラになったのに、走るのをやめなかったっていう選手です。
同時代にもう一人
フーゴー・コーブレットという天才がいて、キューブラーの優勝した翌年にツールでコッピらを破って圧勝するんですが、天才で美男で「すかしや」だったコーブレットに比べて、なにしろ上記のように感情をまんま表に出しちゃうファイターだったので、まるでタイプが違っていて、しかもこの二人、仲が良かったようなんですね。上の本の中にはこんな写真も 笑)

© ISBN 978-3-909111-25-4
よく知られているように、コッピとバルタリ、同時期に同じイタリア人として戦った二人は、イタリアという国を二分するようなライバルで、コッピファンとバルタリファンはしばしば殴り合いの喧嘩をしたようですが、スイスのキューブラーとコーブレット、両者ともに同じドイツ語圏の選手だったせいか、それともスイスという狭い国のせいか、そうしたファン同士のいざこざは聞いたことがありません。これで一方がフランス語圏のスイス人だったりすれば、少し違っていたのか、それともスイスという不思議な国ですから、それでも同じだったのか、それはわかりませんが、ツールに関して言えば、この二人が一緒に出たのは一回だけ、それもコーブレットの調子が悪く、さっさとリタイアしてしまった54年だけです。ちなみにキューブラーの方はボベに次いで2位になってます。
この時代、ツールはご存知のように国別対抗でしたが、スイスの場合、スイス車連が出場選手の決定権を持っていたようで、ひょっとしたら、競合しないように計っていたのかもしれません。
キュ-ブラーはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに51、52と連勝、ツール・ド・スイスは3勝、スイスナショナルチャンピオンは1948年から4連覇してます。顔も非常に特徴的なワシ鼻で、まるでクチバシみたいなので、出身地をつけて、アドリスヴィルのワシなんていうあだ名も付いていたようです。
合掌

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