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藤田嗣治展

2016.12.10.17:50

府中でやってたので、うちから一番早いのは自転車だというわけで、自転車で行ってきました。今回のお目当ては藤田の描いた戦争画の大作3つ。いや、藤田嗣治にそれほど興味はなかったんですが、昔、もう30年近く前でしょうか、TVの深夜にやっていたドキュメンタリー番組で、藤田と坂本繁二郎が比べられていて、坂本はついに戦争画は描かなかったのに対して、藤田はパリに長年いながら軍国主義日本に戻ってきて戦争画をたくさん描き、戦後はパリへ逃げ帰ったというような話が出てきて、ずっと気になっていたのでした。

坂本繁二郎の場合は戦争画になりそうにないタイプの絵だけど、藤田だって有名なトレードマークの乳白色を捨てて、あんな暗い絵柄の戦争画をいくつも描いたんだと考えれば、坂本だってそうする可能性はあったんでしょうけど。何れにしても芸術家と戦争のテーマはナチスとフルトヴェングラーをはじめとして、いろんなことを考えさせてくれます。

というわけで、どんなものかと思った戦争画は正直に言って、あまり思うところはありませんでした。サイパンの絵の右端にボッシュやブリューゲルの地獄のような部分があり、これまで自分がやったことのない冒険・実験をしたかったのかもしれません。ともかく、この絵で戦意を高揚させようと思ったとは、ちょっと信じられません。

というわけで、今回気に入った絵の一つバラの絵のバックを買ってきました。

IMG_4390_convert_20161210174705.jpg

……追記、12/10、18:30……
今、ネットで調べたら上記のドキュメンタリー、木村栄文という有名なディレクターが製作したものらしく、題名も「絵描きと戦争」で、1981年に放映されたみたいです。数年前に渋谷で回顧展でやったようです。僕が記憶していたのは岡本太郎の言葉だったみたいですね。藤田を擁護する人も随分いたようだけど、そちらはあまり覚えてません。もう一度見たいなぁ。こちらのブログに詳しいですので、興味があればどうぞ。 http://ryo-jin.at.webry.info/201202/article_26.html



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CYPRESS
藤田嗣治の戦争画って、
『アッツ島玉砕』
『サイパン島同朋臣節を全うす』
かな?
この2点は竹橋の何でもある東京国立近代美術館のもの。
今年初め、樂家15代の楽焼を見たついでに見たけど、
素人衆にどう見えるかは分かりませんが、
てきとーに描いてるなぁ。
依頼主は、絵心も無い、美意識も無い、風流も無い、無粋な人間の役人と軍人だから小馬鹿にして描いたな、あれは。
特に『サイパン島同朋臣節を全うす』は、ライフルの描き方が酷い、手抜き甚だしい。
ライフルが象徴する事は軍と戦争、その背後の人々。
馬鹿にしております、あれは。

東京国立近代美術館には明治以降の日本画、洋画、写真、何でもあってビックリするんだけど、その中の一枚に北蓮蔵の『提督の最後』って言う戦争画がある。
実はこの絵、今からちょうど50年前の1967年、毎日グラフ1967年11月3日号臨時増刊「太平洋戦争名画集 日本絵画史の一断面 アメリカ国防総省が押収した記録画」に載ってて、50年前から知ってた。

ミッドウェー海戦での山口多聞提督達の最後を描いた作。
これもなぁ、提督はじめ高級将校たちの描き方を見ると、戦意高揚、戦争協力とは思えんのです。
写真と見紛う細密写実描写だけど、無表情。
軍人ではなく、単なるおっさん達にすぎんね、あれは。
疲労感も無ければ、何人も犠牲になった部下に対する後悔や謝罪の念も無し、敗戦の責任を取り艦と共に運命を共にする覚悟や心の強さも無し。

「絵描きだから絵で表す、絵を見て判断してくれ」
なんですな。

…当時の政府の依頼と意向に従って描いたのも事実。
それを糾弾してもいい。
素人衆にはそこまでしか分からん。
しかし、好き好んで描いたんじゃないと分かってくれるのは、絵心のある好事家だけでいい…

藤田嗣治も北蓮蔵もこの覚悟で描いたんじゃないだろうか?
エドゥアール・マネの代表作『笛を吹く少年』はサロンにケンカを吹っ掛けたに間違いないと私は思ってるけど、藤田や北の依頼主は無粋者だからケンカにもならんかった。
特に北の『提督の最後』は写実描写で完全に騙したな(笑)。
惻隠の情を育てるのは謡曲であると新渡戸稲造の『武士道』に書いてあるけど、当時の軍人が武士道で育ってないのは明らか。

円谷英二も『ハワイ、マレー沖海戦』の特撮監督をやったけど、何の弁明もしなかった。
そのためか、糾弾されない、何も言われない。

私自身、藤田ファンじゃないけど、絵を見ると肩を持つ方になっちゃうなぁ。
2017.07.20 00:09
アンコウ
CYPRESS さん、

うちの位置からだと、どうも府中側へ回ってからというのはなかなか行きづらいところですが、あのあたりは通勤自転車で通ることもあって、なかなかいい雰囲気のところですね。そのうち機会があれば、行ってみます。
2016.12.14 22:17
CYPRESS
府中市美術館、今年初めて行ったけど、環境が素晴らしい。
都立府中の森公園の中にあるんだけど、ここがなかなかの美しさ。
もっと素晴らしいのが、京王線の東府中駅からの道。
駅前からの並木道、美しい(^.^)。
最初がイチョウ、次がケヤキ。
最寄駅から美術館までの道がこれ程美しい所が他にあるかなぁ?
上野駅から東京国立博物館までも悪くないんだけど、府中市美術館には敵わん。
目黒川沿いの目黒区美術館も桜並木が気持ちいいんだけど、目黒川が小樽運河並に汚いのが惜しい。

公立の美術館だけあり、この道の美しさをHPで全く宣伝してないのも惜しい。

次回は東府中駅から歩いてどうぞ。
お勧めします。
2016.12.12 22:57

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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