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三笠宮の言葉

2016.10.28.00:19

僕は皇室に対して、何か特別な気持ちを持っているわけではない。昭和の時代なら、共感か反感か、と言われれば反感だった。いや、今でも昭和天皇に対しては反感しかない。でも今上天皇に対しては反感はない。

今夜の新聞を読んでいたら、その昭和天皇の末弟がこんなことを言ったと知った。

「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵られた世の中を、私は経験してきた」

今の世の中、特にネットに蔓延している「愛国者」と「売国奴」という言葉を思い浮かべる時、この三笠宮の言葉は含蓄がある。

以前にも書いたことだけど、ナチスの時代、ヒトラー暗殺を企てたシュタウフェンベルクやトレスコウは、当時は売国奴として罵られた。現在、彼らは、おそらくほとんどのドイツ人に愛国者として称えられていると思う。

あるいはポーランドの民主化要求が高まった1980年代始め、首相のヤルゼルスキはポーランド全土に戒厳令を引き、世界中から非難された。しかし、その後の推移を見れば、これによってポーランドはソ連の介入を避けるとともに、内乱をも避けることができたわけだ。これまた前に書いたけど、ヤルゼルスキはあえて悪役になることを厭わなかった。こう言う形の愛国者もいるわけだ。

そもそも、これまた何度も書いたことだけど、愛国という時の国ってなんだ? 軽々しく口にされるこの愛国という言葉で、それを発している人たちはどんな「国」というものを頭に思い描いているんだろう? 本当に僕には謎だ。



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comment

アンコウ
ミニさん、

「戦後日本の道徳的大敗の責任は、敗戦後の天皇の無責任な態度に淵源せり」

一部右翼の考えなのですか。知りませんでしたが、僕の考えはほぼこれと重なります。ソクーロフの太陽は私も見ました。見たときはある意味好意的すぎかな、と思ったような記憶があるのですが、今となってはあまり思い出すものがないです。昭和天皇はただ単に担がれて神輿に乗せられただけだ、という人もいますが、仮にそうだとしても、いいように利用されたことを自覚して、敗戦時には自ら身を引くぐらいのことはすべきだったでしょう。

いずれにせよ、昨今の保守系の人たちには天皇なんて関心はないんでしょう。そんな気がします。
2016.10.30 23:35
ミニ
昭和天皇に戦争責任あり、という点はまったく異存ありません。明治憲法の規定というような形式的な立場で見ても、中国およびアジア諸国への戦争侵略行為および戦争犯罪に対する責任は免れないでしょう。
問題はどう責任を取るべきであったか、ということですが、最低限で譲位なり退位なりをすべきであったとは思います。戦後日本の道徳的退廃の責任は、敗戦後の天皇の無責任な態度に淵源せり、という一部右翼の考えにはうなづくものもあります。
昭和天皇というと、どうしても中野重治の「雨の降る品川駅」中の「髭 眼鏡 猫背の彼」をイメージしてしまいます。ソクーロフの「太陽」を見ても、肉体的には弱々しいが、暗く孤独な権力者という感じは否めません。独裁者スターリンのイメージとダブり、今上天皇のイメージとは大違いです。
2016.10.30 14:53
アンコウ
ミニさん、

昭和天皇の戦争責任は議論の余地なしと思っています。ただ、極東裁判で裁かれるべきだったかは、わかりません。ただ、自分から責任を果たすためにも退位すべきだった、蟄居すべきだったと思っています。トップが責任取らないもんだから、下っ端の参謀達が責任取るはずもなく、知らん顔、ほっかぶりで、戦後も要職に就き続けたわけです。さらに沖縄をアメリカに差し出すような発言をしているわけで、このエピソードを読むと、本気で腹たちます。かなり過激なのは小森陽一の「天皇の玉音放送」という本が、この辺りをかなり派手に批判してます。

愛国心というやつは強制したり刷り込むものではないというのは同感です。愛国心の強調は国家としての自信のなさの表れだというのもその通りだと思います。

普通の人たちが沖縄で起きていることを見て、片や警官の差別発言、片や反対派のひどい発言、それぞれを見て、どっちもどっちと言っています。問題点が本当にそらされていて、どうにも呆れるばかりです。問題はどちらがひどいかではなく、本当に沖縄の高江の森にあんな大穴をあけるようなヘリパットが必要なのか、それに対して、本土の我々はどう考えるべきなのか、そういう方向に視線が向かないことに、日本人の知性の欠如を感じています。

沖縄戦が終わる時、太田実少将は「沖縄県民斯ク戦ヘリ/県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」(ヴィキペディアより)と電報を打ちます。それがこの仕打ちか? 日本人、大丈夫か? いや、とても大丈夫じゃないだろう、そう思うしかないです。
2016.10.30 00:04
ミニ
天皇家というものをどうとらえるか、天皇の戦争責任と同様に突きつめて考えたことはないが、三笠宮という人は皇族の中では少し変わった人だった、というのはどこかで聞いたことがある。今回、報道で、戦争中および戦後の軍部や戦争批判などについて知り、へえ~と少し驚いた次第だ。
昔読んだ犬養道子の文章に、女子学習院で「君が代」という歌を知らずにいて困ったことがあったが、父から「つまらない歌だから知らなくてもいい」と慰められたという挿話があったように思う。記憶違いかもしれないが。
一般国民が、御真影や日章旗や君が代を神の如くにあがめさせられていた時代に、皇室に近い本当の上流階層の人々が、遠慮も何もなく卑近なものとして接していたことを知り、なるほど「菊のカーテン」の内部はそうなのかと意外だった。
三笠宮の近代性は、最高権力者の末の弟という特別に自由闊達な立場にも由来するが、枠に縛られないその精神の自由さ・良心性という点で、やはり他の皇族とは一線を画する人物だったのかもしれない。

愛国心について言えば、心の問題だから、2004年の秋の園遊会で今上天皇が言った、国旗国歌は「強制でないのが望ましい」というのが的を射ているのではないだろうか。強制された時点でもう純粋な「愛国心」ではないが、心は外からは見えないから、疑心暗鬼の権力者は外形をことさら気にする。判断力のまだ未熟な子供からの刷り込みを求めて、学校で強制するわけだ。国旗国歌は象徴として使われ、オリンピックやサッカーなどのスポーツも国対抗の愛国合戦として利用される。
国内矛盾が深刻化し、対外的対立を煽ろうと権力者が策す時に古来から喧伝鼓吹されるのが愛国心なるわけのわからない代物だ。
国家という集団がその土地に暮らす構成員に母集団への帰属と忠誠を求めたものが愛国心だろうし、近代国家成立時からだから、日本の場合は明治期から、萌芽は幕末の攘夷からなのだろう。

だが、憲法22条には国籍離脱の自由が認められているのだから、たまたまこの国に生まれたからといって、国民は日本国に忠誠を誓う必要はない。ギブアンドテイクの社会契約と理解するのが近代の国家と個人との関係だろう。忠誠心は国家公務員ならある程度必要だが、一般国民は納税で十分だ。脱税する富裕層こそ彼ら言うところの「非国民」と考える。それより首相が改憲を勧めるなんて、明らかな憲法99条違反ではないかな。良心的でまじめな天皇は一生懸命に憲法を遵守しようとしているのに。

OECD中で最下位に近い貧困率の日本、格差を測るジニ係数で見れば「慢性的な暴動が起こりやすい」レベルと言われる日本で、それでも国民の不満が安倍自民党に向かわず、近隣諸国への排外主義や社会的弱者への弱い者いじめ(内田樹・福島みずほ氏言うところの「意地悪化する日本」)などの右傾化に解消されているのは、残念ながら見事な統治の成功と言うしかない。長い間続けてきた、教育とマスコミ統制による若年層の洗脳が主因で、有力野党を滅ぼした選挙制度の改悪も効いている。

だが、最も大きな要因は、ここ20年位で進んできた経済の停滞・行き詰まりと国際的な地位低下による日本人の自信・目標喪失とニヒル化・退嬰化が、信じられないような反知性体質、思考の単純化体質を、40代以下の年代層にネットやSNSなどを通して広範に作り出してしまったらしいことだ。
いわゆる右傾化だが、中身は、劣等感の裏返しの「反日」というレッテルを周り中の何にでも張る反欧米・反アジアの一国主義で、強烈な反知性主義と怨念主義とも言うべきルサンチマンに凝り固まっている。
この「反日」という昔はなかった気持ち悪い言葉は、まず何よりも女々しい。現在および過去の自分を無条件に全面的に愛してくれるかどうかだけで相手の評価を決める、こんな馬鹿げた態度ほど自己中で自分勝手で醜いものはない。まさに幼児の態度だ。自立できない幼児なら、自分への好意のあるなしで相手を味方と敵に二分して判断するのは生きるための本能として許される。が、いい年をした大人がやっては単なるアホだろう。だから、幼児化が右傾化と同義にもなる。
ただし、右傾化がネトヨだけにとどまらない広がりを持つのが恐ろしい。
2016.10.28 22:24

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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