fc2ブログ
2023 10 << 123456789101112131415161718192021222324252627282930>> 2023 12

差別用語を叫ぶ公務員とそれを擁護する上司

2016.10.21.01:37

20年近く前の某自治体の役所。当時の窓口の、特に年配職員にはかなり酷い対応をする人もいた。母親が行くと、どこにも決まりはないにもかかわらず、窓口の裁量で勝手に提出書類を求められ、憤慨した父親が出向くと、対応が一変なんていう話もよく聞いた。

僕の子供が障がい乳幼児通所訓練施設へ行っていた時にも、この手の話はあった。そういう時は、他の親たちと一緒に市役所へ殴り込み 笑)、否、談判に行ったものだった。

そんな事件の一つを思い出してみる。ただし、以下の話はあくまでも大昔のことで、今はこんな対応をする職員はいないと思う。

障がい児通所訓練施設に通っていた子供の母親が、状態も安定しているし、働きたいので保育園へ入園させたいと申請書を出しに行った。すると、窓口のおやじは医者の診断書と訓練施設の意見書を出せと言ってきた。無論そんな決まりはどこにもない。「いいですか、〇〇ちゃん(若い母親の名前)、〇〇ちゃん(今度は子供の名前)も保育園より手厚い訓練施設の方が幸せですよ」と言って申請書類の受け取りを拒絶した。いくら若い母親でも「ちゃん付け」はないだろうし、どっちが幸せか、どうしてあんたが決めるんだ、とは、くだんの母親はもちろん言えず、訓練施設の職員に訴えた。職員は無論怒って課長に直接抗議したが、同じ市の職員同士、らちがあかなかった。

母親から話を聞いた他の父母たちも腹を立てた。書面で抗議内容を書き、面談を求め、最後に署名として父親の名前を書いた。面談では担当課の課長は平謝り、担当窓口には指導済みであり、今後このようなことはないようにしたいと言う。そして申請書は無論診断書も意見書もつけずに受理された。

窓口の本人は決して我々の前に出てくることはなく、課長だけが謝罪した。当時は、よくわかってなかったから、途中から、課長さんも大変だね、と少し同情したくなったものだった。だけど、今、思い出してみると、窓口のおやじが一人で暴走したわけではなく、当時の課全体にそういう雰囲気(障がい乳幼児を保育園に受け入れないようにしたいという雰囲気)があったのだろうと思えるのだ。

つまり、課としては障がい乳幼児通所訓練施設に通っていたような、手のかかりそうな子供を保育園に入れたくない、入れれば保育士の補充が必要になるかもしれない、言葉にしなくとも、そういう雰囲気があったのではないか。そして、そのために診断書や意見書を要求して申請をやめさせようとしたのではないか。

だから、職員の対応は課の雰囲気の忖度だったのではないか。この「忖度」というやつ、自分が属す大きな場の意思を忖度して、つい暴走してしまうということがよくある。普段から、あからさまではないまでも、それとなく、雰囲気が醸成されていく。すると、そこに属する人たちは、その雰囲気が当たり前のことになり、それが正義になり、悪びれることもなく暴発する。

前にも書いたことだが、例の相模原の障害者虐殺事件の時にも、犯人は安倍首相様にお伝えくださいと書いていた。安倍なら自分のやることを理解してくれるはずだと、犯人は、安倍の意思を忖度したつもりだったのだ。また九州の方で不法に監視カメラを取り付けて野党候補者を応援する人たちを隠し撮りした警察官。あれも、警察の中に与党候補を応援したいという雰囲気がある、と忖度した現場警官たちが暴走したのだろう。

そして今回の沖縄の機動隊員の差別用語の連発。これも、多分そうした流れの中で考えれば、問題がどこにあるのかがわかりやすくなる。沖縄に対する差別意識は、この差別用語を発した一隊員の個人的な問題ではなく、もっと構造的なものなのだ。だから、この機動隊員を非難する人たちも、この点を履き違えて個人攻撃に終始するようなことはすべきではない。

そんなことを考えていたら、案の定というべきだろう、大阪府知事は差別用語を発した機動隊員に「ねぎらいの言葉」をかけている。

窓口で文句を言われて逆ギレして差別的なことを言うような職員がいたら、課長はどんな状況であれ、市民に謝罪するものではないのだろうか? 



にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト



comment

アンコウ
有田さん、

うーん、あなたはきっと若いんでしょうね。私にはあなたの使う用語がまるで理解できません。

「ファビョりっぷり」ってどういう意味なんでしょうか? ネットで検索かけても、韓国の悪口の時に出てくるだけで、どうも意味がわからない。

歴史というのは時間が経てば価値が変わります。拉致問題が発覚する前に北朝鮮へ行った議員は、別にリベラルだけでなく、自民党にもいましたよ。自民党の重鎮で政界のドンと言われた金丸信元副総理だって団長になって北朝鮮をおとづれています。でも、そんなことを言ってもあなたには馬の耳に念仏。

ついでながら、美濃部は反対を押し切ってまで金日成のところへ行ってません。美濃部は北朝鮮に行ったことはありませんよ。どこからそういう話が出てくるんでしょう?

そもそも、美濃部の件はもう既にあなたへの反論を書いたけど、あなたはそれに対してまともに答えられない。答えやすいように番号を振ってあなたに反論したけど、あなたはそれに答えられない。答えないではなく答えられない。あなたの知識はネトウヨのカフェで仕入れたデマでできていて、まるで説得力がない。だから、あなたの書いた文言はまるで意味のない悪口に過ぎない。あなたの書いた文章をコピペしますから、ご自分で読み直してごらんなさい。これで誰かを説得できるような文章なのかどうかを。これが他人のブログにコメントするときの表現なのかどうかを。

。。。
反対を押し切ってまで金日成のケツの穴を舐めに行った美濃部をはじめとするパヨクの革新()とか言う浅はかな思いつきに嫌気がさした国民の声に耳をかたむけては如何でしょうか?
。。。

僕は心理学者ではないけど、あなたの書きぶりを見ると、何かサヨクやリベラルに対する憎しみではなく、もっと別の鬱屈したものが感じられます。あなたの差別的な表現には何かとても痛いものを感じます。だからなんだと言われてもどうしようもないし、あなたのような人を説得しようとも思わない。でも、あなたの知識の浅さだけはいくらでも指摘できますよ。
2016.11.14 22:08
有田
ファビョりっぷりが尋常ではありませんね。
図星としか言いようがない。

政治は結果責任なんだよ。
いくらご大層なごたくを並べてみてもそれは願望でしかない。感情論でしかなく
言い分けでしかない。
地上の楽園()に
反対を押し切ってまで金日成のケツの穴を舐めに行った美濃部をはじめとするパヨクの革新()とか言う浅はかな思いつきに嫌気がさした国民の声に耳をかたむけては如何でしょうか?
2016.11.14 21:32
アンコウ
有田ヨシヲさん、

言い忘れました。この記事であなたのことに触れています。ぜひご意見なり反論なりお書きください。お待ちしています。

http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-2628.html
2016.11.13 03:23
アンコウ
やれやれ、名前は名乗りましょうね。有田ヨシヲさん。

あなたの言う意味がまるで理解できません。

同じ境遇? 障がい児を持っているということでしょうか? まず、あなたは障がい児の親なのですか?

そんな法律はないとごねまくる? どんな法律ですか? 障がい児は保育園へ行ってはいけないという法律がないことをいいことにゴリ押しするという意味ですか? 

障害者問題について、あるいは障害者をめぐる現状について、あなたがいかほどの知識をお持ちなのか、ぜひ伺いたいところです。でも、その前にあなたは、以前の私の質問に対してまるで答えてませんよ。

国家の歴史と皇室及び戦没者のなんたるかを、あなたはどう学んでいるのでしょうか? 確たる考えもないくせに、わかったような顔をして書くものではありません。あなたの底の浅さはすでに指摘していますよ。まずは以前の私の質問にお答えください。

http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-2623.html 

この記事のコメントですよ。
2016.11.13 03:13
コメンテータ
同じ境遇でも世間一般に迷惑をかけまいと身を切る思いで調和を重んじる親と
そんな法律はないなどとゴネまくる親が混在するんですね。
これは国家の歴史と皇室及び戦没者の何たるかを勉強させられるブログです。
2016.11.13 02:36
アンコウ
愛読者さん、

こんにちは。僕も小倉昌男の「福祉を変える経営」という本が手元にあります。残念ながら、まだ読んでないんですが 汗) でもお話聞いて、読んでみようと強く思いました。森健の本もチェックしておきます。貴重な情報をありがとうございました。
2016.10.25 18:15
愛読者
久しぶりに書き込みます。
おっしゃる通りと思います。沖縄に行った多くの隊員の中に、言ってはいけない事を言ってしまった人がいたのは、まぁあり得る事と思うこともできます。でも言っていい事といけない事の区別は社会のルールなのでそれを変えられると困ります。

これと関係ないのですが、最近 森 健著「小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの」を読みました。
美化されている部分もあるのでしょうが、なぜか涙が止まりませんでした。
2016.10.25 03:35

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/tb.php/2709-a880fd22

プロフィール

アンコウ

アンコウ
**********************
あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

カテゴリー

openclose

FC2カウンター

Amazon

月別アーカイブ

検索フォーム