ものすごく不気味な話だ、と気になっていた大分県警の野党候補支援団体に対する監視カメラの違法設置の問題。署員ら4人が書類送検になったという。このニュースを読みながら思ったのは、この書類送検された署員たちは、果たしてどんな気持ちで監視カメラを違法に設置したのだろうということだった。
つまり、彼らは違法でありながら、おそらく悪いことをしているとは思わなかったのではないか? 彼らの言い分はこんな感じだったのではないだろうか?
俺たちの行為は上の気持ちを「おもんばかって」やったことなのだ、多少のやりすぎはあったかもしれないし、直接上から指示されたわけではないけど、そういう雰囲気を感じたからこそ、あえてやったのだ。いわば、あうんの呼吸というやつだ。褒められこそすれ、まさか上から処罰されるなんて思いもしなかった。雰囲気に乗せられてハシゴを登ったら、外されたという気分だ。
つまり、彼らは警察自体に与党を応援したい、出来れば野党の違法を暴きたい、そんな雰囲気がある、と信じたのではないだろうか。(本当にそうなのかは知らないが)
ところで、この記事を読みながら、もう一つ思い出したのが、もうすでに事件から一月過ぎた障害者大量殺人事件だった。植松容疑者が衆議院議長に宛てた手紙の中で、自分の意図を安倍に伝えてくれと繰り返している点が、上の警察官の気持ちと、なんとなく重なるのである。
つまり、彼は安倍の気持ちを「忖度(そんたく)」したつもりなのだ。彼は安倍に、弱者を抹消すべき、という雰囲気を読み取ったのだと思う。安倍にそういうつもりはないだろうと信じているが、本人の意図とは無関係に、少なくとも植松は、安倍なら自分の意図を理解してくれると信じたのだ。
繰り返すが、安倍個人が事件の原因だと言っているのではない。前にも書いたけど、安倍政権的な社会、それが今の日本だと思うし、そういう社会の雰囲気が今回の事件を起こしたのだと思う。(この日本の雰囲気を作り出したのが安倍政権だとは思わないが、この雰囲気に乗った上に、油を注いで扇いでいるのが安倍政権とその周辺であるのは間違い無いだろう)
現に、植松の発言を肯定する連中がずいぶんいるそうだが、彼らはまず間違いなく安倍政権を支持しているはずだ。安倍が今のそういう社会の象徴なのだと思う。
そうした、上の雰囲気の「忖度(そんたく)」、一方は上司たちの醸し出す雰囲気、もう一方は実にネトウヨ的だが、自己と一体化した国の雰囲気、それがこの二つの事件の重要なポイントだと思う。

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