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今回の大量殺人事件について(その3)

2016.08.01.22:48

手前味噌みたいだし、自分の言ってきたことがどれだけ当たったかなんて偉そうに言うことも嫌だけど、でも、どうしても言っておきたい。拙ブログでは最初の頃に、現在の日本はナチス台頭直前のドイツに似ていると書き、その後、すでにナチスの時代に突入しているとも書いた。森達也の言葉を借りて、すでにブレーキを踏む時期は過ぎ、あとはどこかにぶつかるだけだ、というようなことも書いた(拍手コメントをくれた人が言っていたが、ナチスと言っても、今の日本人はそれが世界史上最大の悪の形態のひとつであることを知らないのではないか、ナチスに似ていると言っても、それがどういうことか、理解していない人がたくさんいるのではないか。本当にそうなのかもしれない。)

さて、そのブレーキはもう間に合わない、どこかにぶつかるのを待っているのが今という時代だという感覚。そうして、今回の大量殺人事件は、やはり「どこかにぶつかった」のではないのか?

ここでぶつかったことに気づいて、遅ればせながらも、ブレーキを踏まなくては、もっとひどいことが起きるのではないだろうか? 

今回の事件は今の社会の風潮が生み出したものである。これは絶対に間違いないと思う。だから今の社会の向かっている方向を変えなければ、またぶつかる。もっとひどいことが、きっと起きる。

だけど、海外のテロに対しては「断固として」とか「絶対に」とか言っている安部は、少なくとも今回の事件に対して、そうした強い言葉で何か言っているのだろうか? まさか、犯人が安倍を崇拝している節があるから、強く非難できないんじゃないだろうね?

それとも、安倍は強く非難しているけど、マスコミがそれを伝えないだけなのだろうか? そもそも、安倍に伝えてくれという犯人の「悲痛な」叫びについて言及している記事がほとんどないように感じるのは、僕の思い過ごしか?

いやいや、それどころか、マスコミは犯人の主張を、きちんとした批判もせずに垂れ流して、おかげでネットなどでは、犯人を英雄視するような奴までたくさん出てきている。犯人のやったことには反対だが、考え方には一理ある、何て堂々と書いてる奴もたくさんいる。ブレーキを踏まないどころか、アクセルを吹かすようなこの社会は、まだまだ、これからもっとひどいぶつかり方をするのかもしれない。



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comment

アンコウ
アジシオ次郎様、

ああ、よかった 笑) いや、社会民主主義って言うと、たいていの人が引くんですよね。日本の社民党の不人気ぶりも関係しているのかもしれないけど、中には完全に社会主義と一緒にしちゃって、ソ連? とか 北朝鮮? なんて思っちゃう人までいるみたいでね。

アメリカが日本に与えてきた影響力はとてつもなく大きいですから、なかなかその呪縛からは逃れられないのでしょう。私もそんなアメリカとの関係を、日本人はもう少し批判的に見るべきだろうと思います。ひょっとして孫崎享「戦後史の正体」はお読みになってますか? 日本の政治がアメリカの掌の上で踊らされてきた歴史を丹念に、説得力豊かに描いています。丸ごと全て信じていいかどうかはわかりませんが。

もしすでにお読みなら、申し訳ありません。

ご参考までに http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-1135.html で感想を書いてます。
2016.08.06 14:23
アジシオ次郎
先程の私からのコメントの返事にてアンコウさんは

>私が望んでいるのは、ひょっとするとアジシオ次郎様のお考えとは違うかもしれませんが、北欧諸国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ドイツ)でうまく機能していた社会民主主義です。社会主義的な変革を混ぜ込むことで資本主義が救われるという発想です。

って仰られましたが、私もどちらかと言えば北欧のような社会民主主義的な考えが正しいと思います。高福祉・高負担。と言う考えもそうだし、人間平等と言う意識が強い、自立心が高い、人権意識が高いと言う風潮は日本がホントに見習うべきところです。アメリカみたいに自由競争や富裕層が得をするような新自由主義的な考えを有難がっては社会の腐敗をもたらす一方だと思います。
北欧は社会が進んでます。アメリカは社会が病んでます。正直言って。

ただ日本でそれが理解されないのは、未だアメリカ礼賛体質が根強くあるせいもあるでしょう。困ったものです・・・。
かつてTBSで放送されていた討論バラエティ番組「ここがヘンだよ日本人」においてベナン(西アフリカ・ギニア湾にある小国)出身のゾマホン・ルフィンが「日本はアメリカの自由ばかりを受け入れたせいでおかしくなった」「日本人はアメリカ人の考え方ばかり理解してる! それはいけない!」って指摘したけど、全くその通りだと思うんだよね。
2016.08.06 08:48
アンコウ
アジシオ次郎さま、

小泉批判は、もう完全に同意いたします。小泉批判は拙ブログでも繰り返し、その「弱い者は淘汰されるべし」的な姿勢を批判してきたのでした。

例えば、様々な犯罪を見ると、やっぱり21世紀になって、アジシオ次郎様もおっしゃるように、アメリカの新自由主義(グローバル化・市場経済万能主義)という言葉が普通に知られるようになった頃から(まさに小泉の時代です)、なんでもありの犯罪が増えたような気がしています。オレオレ詐欺という老人を騙して金を奪おうなんていう発想は、そりゃあ昔から火事場泥棒はいただろうけど、これだけ増えたのは、21世紀に入ってからだろうし、規制緩和の掛け声(掛けたのは小泉です)の元で、貧困ビジネスなんていうものが蔓延したのも同じです。

いや、無論20世紀にも呆れるような酷い事件がたくさんあったでしょう。殺人事件件数だって今よりもずっと多かった。私が生まれた昭和30年代前半は今の10倍の殺人事件件数だったそうです。でも、今のような弱いものをターゲットにした組織的な犯罪はあまりなかったと思うんです。

そもそも新自由主義というものが、法にさえ触れなければどんな形で金を稼いでもいいというものでしょうから、その風潮が犯罪行為にまで広がってくれば、弱い奴を狙うようになるのは当然の成り行きなのかもしれません。

こうやって老人や貧しい人から金を巻き上げることにやましさを感じなくなってしまったこの社会、次のターゲットは障害者だろうというのは容易に見える話ではないでしょか。そういうわけで、このまま新自由主義的なやり方で突き進めば、どうやってもまともな社会に戻ることはできないのではないかと危惧するわけです。

アジシオ次郎様も、同様に現状に悲憤を感じておられると思いますし、私もそうです。どうしたらいいのでしょうね。

でも、今更アメリカの影響力を完全に排除することは不可能でしょう。また、昔の日本が良かったということもよく言われますが、昔というのがどの時代のことなのかによりますが、良かったはずがない、と思っています。日本は鎖国しろという本も一時期はやりましたが、本当にそうしたら、北朝鮮みたいな国になるでしょうね。

私が望んでいるのは、ひょっとするとアジシオ次郎様のお考えとは違うかもしれませんが、北欧諸国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ドイツ)でうまく機能していた社会民主主義です。社会主義的な変革を混ぜ込むことで資本主義が救われるという発想です。これについては、前にもちょっと本を紹介したことがありますし、いずれ、ブログに書こうと思っていますが、かなりものすごい誤解が広まっていて、まあ、日本で認知されるまではずいぶん時間がかかるでしょう。そしてなにより、おおもとの北欧諸国の社会民主党が難民問題で、ボコボコにされていますから。。。
2016.08.05 18:29
アジシオ次郎
こんにちは。

今回の事件は「ヒトラー思想が降りてきた」と言う動機から起こったものだが、ナチスの思想は選民思想かつ優生思想に満ちたもので過激思想以外の何物でもないです。だったらかつての欧米における優生学もそうですね。人種には優劣があり白人がその頂点に立つ。と言う見解もナチスやアパルトヘイト、白人優越主義につながったのだと思います。

今回の事件は社会にも問題がある、確かに行き場もなく将来に希望を持てない若者が社会に対する鬱憤を晴らすべくテロまがいの行為を起こした。8年前に秋葉原で起こった事件はまさにそうだし、格差社会がこのような凶悪犯罪を助長するんじゃないかと思うし、アベノミクスの副作用によるものだと言う意見もご最もですが、遡れば小泉改革の副作用によるものです。小泉改革は何でもグローバリゼーションに乗っかる形で市場主義経済のやり方を取り入れ、結果として格差社会化する要因になったけど、結局はアメリカ的資本主義を有難がるからこうなったと思うし、戦後一貫してアメリカしか見てこなかったからこうなったとも思うんです。

結果行き場のない若者が過激な思想にのめり込みやすくなり、テロや凶悪犯罪を起こすまでに至るけど、欧米において社会から疎外された移民や低所得者層が社会に対して恨みを抱くようになって過激化するんじゃないでしょうか。やはり市民、特に若者を過激な思想から守るべく社会の役割は大きいと思いますが、日本社会全体がこの問題をキチンと直視してるのだろうか・・・。
2016.08.05 15:35

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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