fc2ブログ
2023 04 << 12345678910111213141516171819202122232425262728293031>> 2023 06

映画「高地戦」のこと

2016.03.12.13:29

以下、昨日アップするつもりだったんですが、諸々の事情が重なりアップが1日遅れてしまいました。

数日前スカパーで録画しておいたものを、パリ~ニースの始まりが遅いので見てみた。なんの予備知識もなかった。そもそもこの映画の存在すら、スカパーのHPで見るまで知らなかった。

ものすごい映画だった。おかげでその後のパリ〜ニースも、画面が止まりがちな Live Stream で流していたティレノ〜アドリアティコも、何か呆然と見送っていた感じ。戦場の臨場感がものすごい。アップでカメラがかすかに揺れるのと、変な表現だけど、フィルムのコマを落としているみたいな(無論フィルム撮影じゃないけど)変な感覚。戦闘シーンだけでなく設定も、いろいろ伏線の張られたストーリーも、登場人物の造形も、役者の単純な演技も、少なくともこれまで作られた日本の戦争映画はどれも全く太刀打ちできないし、個人的には「プライベート・ライアン」なんかのどかなものだと思える。

朝鮮戦争が舞台で、しかも休戦協定が延々と決着しない2年間に50万人が死んだということだが、その協定がまさに結ばれて休戦になる直前の、38度線上にある山の取り合いをする。何しろ言葉が通じるものどおしで、第一次大戦の塹壕戦みたいな白兵戦を、死屍累々たる急勾配のハゲ山の斜面でやるんだから恐ろしい。さらに「2秒」と呼ばれる狙撃手との戦い。狙撃手というとハリウッド製の「スターリングラード」を思い出すけど、あんな映画はこの映画の足元にも及ばないな キッパリ

あちこちで、これまで作られてきた様々な戦争映画の「引用=オマージュ」が見られる。ただ、この映画は絶対にネタバレしてはいけないので書かないけど、キューブリックの「フルメタルジャケット」とか「プライベート・ライアン」もあるし、大昔のジャック・パランスが鬼の形相で戦車に轢かれる「攻撃」とか、設定やらシーンやらで思い出せるものがたくさんある。朝鮮戦争と言われても、日本人はほとんど知らないんじゃないだろうか? 

僕もそう。具体的なイメージは「あしたのジョー」で対戦相手の韓国人ボクサーが朝鮮戦争で地獄を見たという設定だったことぐらいだ。他には高校生の頃にグレゴリー・ペックが主演し、日系俳優も出ていた朝鮮戦争の映画を見たことがあった。でもそこでも塹壕戦だったと思うけど、内容も何も全く覚えてない。

地獄といえば、この映画でも、主人公の一人が言うセリフがすごかった。「これだけたくさん人を殺したんだから本来地獄にいるべきなのにまだ生きているのは、ここが地獄だからだ。俺はお袋の顔が思い出せない。」

また、終盤に若い指揮官がする演説がものすごい。唾を飛ばしながら鬼気迫る名場面だと思う。

最後はなんていう理不尽さ!! 個人的には反戦映画としては「炎628」が突出しているんだけど、この映画を2番手グループに入れることになんら躊躇はない。

そして、見終わって最初に思ったことはこんなことだった。これだけ無駄に人々が殺しあった挙句、できた国家が、かたや、今は国民のことなど一顧だにしない独裁的な恫喝国家に成り果てたわけだし、一方の韓国だって、今でこそ民主的な国になったとはいえ、休戦後70年代までは、ちょっとでも政権批判をすればアカだと言われて拷問された挙句に殺されたり、マイナス20度でも暖房のない刑務所に入れられるような軍事独裁国家だったわけで、結局あの戦争って誰のためにやったんだ? ということ。そしてこれは決して南北朝鮮のことだけではないんだろう。



にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト



comment

アンコウ
慕情は朝鮮戦争だったかぁ。戦場のシーンなんかあったっけ? 

あの時代のジェニファー・ジョーンズの映画ってどれも似た様な印象があって、相手役ももはやどれがどれだか区別がつかない。

ちょっと調べたら、そうか、慕情はウィリアム・ホールデン、ジェニーの肖像はジョゼフ・コットン、終着駅はモンゴメリー・クリフト、武器よさらばはロック・ハドソン。うーむ、どれもかつてTVで見た映画だが、みんなもう鬼籍に入ってしまったね。
2016.03.15 16:03
CYPRESS
「慕情」をお忘れなく。
まぁ、メロドラマだけどね。
「高地線」、AmazonだとDVDとBDが安い。
Amazonビデオで見るより安い。
買う予定。
2016.03.14 16:01

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/tb.php/2495-8855af7c

プロフィール

アンコウ

アンコウ
**********************
あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

カテゴリー

openclose

FC2カウンター

Amazon

月別アーカイブ

検索フォーム