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1975年ツール、メルクス最後のマイヨ・ジョーヌ

2015.07.22.00:40

1975年、このプラ・ルー(ずっとプラ・ループと言ってましたが、Loup 『ルー』というのは「狼」の事らしいです。Forvo でもプラ・ルーと発音していますね)はメルクス時代の終焉を告げる峠となりました。

1969年、ツールに初出場するや、二位のパンジョンに約18分の大差で優勝するとともに山岳賞もポイント賞も独り占め。翌年もズーテメルクに約13分の大差をつけて連覇。翌71年はオカーニャにあわやと思われるも、やっぱりズーテメルクに約10分の差で優勝。72年はジモンディに約10分差で4連覇。73年は最初から不参加でしたが、74年はプリドールに8分以上の差で5勝目。

しかも75年も、このプラ・ルーゴールの第15ステージまで総合トップでした。ただ、前日のゴール直前に観客から右下腹にパンチを受けていたのが利いたのだという説もありますが、このステージでテヴネに逆転されると、その次のステージでもテヴネに引き離された上、さらにその次のスタートまえのパレード走行中に落車して顎の骨を折ってしまいます。結局テヴネに3分弱の差でこの年2位になると、翌76年の不出場をはさんで、77年は12分以上遅れの総合6位に終わり、翌年の春先に引退してしまいます。つまりツールに限れば、このプラ・ルーがメルクス終焉の地というわけです。

ただ、この第15ステージ、プラ・ルーの前に、今年と同じくアロス峠を越えていったんですが、この峠のトップ通過はメルクス。テヴネは10秒遅れて通過しています。さらに下りの速さはサガン並みだったようで、先導バイクに向かって「どけっ!」と怒鳴り、荒れた路面ではブレーキレバーに指を触れることもなく、軽くジャンプして走り抜けていったそうです。

この時のアロス峠の下りではジモンディのサポートカーが崖から転落して、運転していた監督とメカニックは九死に一生を得るような事故を起こしています。

いずれにしても、メルクスはこの下りだけでテヴネに対して2分近い差を付けて、プラ・ルーの登りに入るんですが、登り口では2分のリードが、途中で追い抜かれると、ゴール地点では2分近く遅れてテヴネにマイヨ・ジョーヌを奪われてしまいます。6キロの距離を4分も余分にかかったわけで、大ブレーキ。その原因が前日の観客のパンチによるものなのか、それともハンガーノックでも起こしたのか、あるいは別の原因があったのか、それは何とも言えないですね。

結局、メルクスがマイヨ・ジョーヌを着たのはこのステージが最後ということになったのでした。

さて、先のドゥフィネでもこのプラ・ルーゴールのステージがあり、途中メルクスがテヴネに抜かれたところでしょうか??アーチが立っていて、人食い鬼をやっつけたテヴネと書かれていました。あのときはカメラもスルーしていったけど、本番ではきっと当時のビデオなんかも流れることでしょう。




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comment

アンコウ
CYPRESSさん、

こればかりは、なんともいえないよねぇ。 ただこのときまだ30歳だからねぇ。。。 前日の観客の暴行により肝臓にダメージを受けて、ハンガーノックと同じような症状が出た、というのの方が伝説としては格好良いけどねぇ。
2015.07.23 11:24
CYPRESS
ああ、プラ・ループの登り(涙)。
メルクスの不調の原因、最近思うのは、肉体の衰えのためではないかと。
野球の名打者がよく経験する「完全なスイングと完全なタイミング」で打ったのに、ヒットにもホームランにもならなかった、あれ、引退を決めた打席のあれです。
技術系のスポーツでないから自分でも分かりにくかったのでは?
だからWinning誌の"The fabulous world of cycling"の第一巻にも、この年以降今までなかった小さな体の不調に悩まされたと書いてあります。
2015.07.22 22:03

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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