なんとか時間を作ってもう一度見てきた。リピーター割引で300円引きだった。今回はパンフレットでかなり本気で予習していって、ストーリーはある程度理解した上で見たんだけど、それでも映像に振り回されて、大きなストーリーを忘れちゃうんだよねぇ。特にあの長回しのカット。ハリウッド映画だったら3秒で終わるシーンを3分ぐらいかけているからね 笑)
地球より800年ぐらい遅れた惑星が舞台で、そこに地球から派遣された人間がその惑星の住民に混じって生活している。彼は住民に比べて地力腕力ともに優っていて、住民からすれば神のような存在なのだけど、その力を行使して住民たちを善導しようとはしない。その惑星の社会はポルポトのカンボジアみたいにインテリたちや本を読む者たちは次々に絞首刑になっていく。そのための虐殺舞台は「灰色隊」と呼ばれているんだけど、それが途中ナチスの突撃隊みたいに、黒服の僧侶たちの部隊によって粛正されてしまう。そんなことがあっても地球から派遣された、この惑星では「神」のような力を持った主人公は出来事に干渉しないが、最後に恋人を殺されて怒りにまかせて僧侶たちの部隊を皆殺しにしてしまう。最後、主人公は地球に帰ることをあきらめて、雪原の中を子供の手を引きながら歩いて行く。
つまり、キューブリックの「2001年宇宙の旅」では、人類が人類よりも遙かに進化した「神」のような異星人に導かれる話だが、ここでは人類が遅れた異星人たちに採って「神」のような存在である。そして、最後に「神であることはしんどい」と言うのである。
だけど今回ストーリーを予習した上で見て、やっぱり思うのは、これは細かいストーリーなんかどうでもいいんだろうな、ということ。人類の歴史はこのように計り知れないほど愚劣で悲惨で血なまぐさく汚濁にまみれ死屍累々たるものなんだ、ということだ。糞まみれ、泥まみれ、血まみれ。それは過去の歴史だけじゃなくて、今も続いていることなんだろう。

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