ヴェルナー・ヘルツォークが監督というので見た映画です。ヘルツォークは、一時期結構追っかけてて、とくに「アギーレ、神の怒り」と「カスパー・ハウザーの謎」は映画館で複数回数見ています。風景の感じが独特なのと、なにか想像も付かないような不思議なイメージがすごいんです。それと、曇り空の印象。これは今回の映画でも繰り返し出てきました。ただ、しばらくはドキュメンタリーばかり撮っていて劇映画を撮らなくなっちゃったんですよね。
で、この映画、例によってスカパーのイマジカでした。ところどころでヘルツォークらしさが爆発していましたが、まあ、アメリカの刑事ドラマとして見た人はかなり怒ったことでしょう 笑)なにしろあの悪徳刑事ニコラス・ケイジ(刑事だけにケイジなんちゃって)の悪徳ぶりはかなりひどいし、当然のこととして窮地に追い詰められるんですが、ハリウッド的解決はつかないし。。。
しかし、あの交通事故シーンの瀕死のワニ、あれはなんだ?と笑いましたね。その後もイグアナが出てきたり、最後には水族館のたくさんのサメ。「アギーレ」のリスザルや「ノスフェラトゥ」のネズミの延長でしょうか。
同時にニコラス・ケイジの狂気なんかも、「アギーレ」や「フィッツカラルド」のクラウス・キンスキーの狂気を思い出しました。まあ、むろん雰囲気はだいぶ違うんですけど。
ちなみに「アギーレ」は凄い映画で、昨今のCG全盛時代に見ると、映画を撮ることそのものが冒険みたいなところがあります。「アギーレ」も巨大な客船が山を越える「フィッツカラルド」も「コブラ・ヴェルデ」も、あのころのヘルツォークには映画を撮ることそのものが意味があって、出来上がった映画はどうでもいいって思ってるんじゃないかっていうところがありましたね。それとクラウス・キンスキーとの腐れ縁。そのすさまじさは「キンスキー、我が最愛の敵」で見られます。「アギーレ」に感動した人は是非見てください。
さて、この「バッド・ルーテナント」、ストーリーも、なにしろ見る方の予想をことごとく覆し、最後のあのポカンとした終わり方にも呆れました。だけど、あれだけひどい悪徳ぶりでも、人を一人救ったわけで、それが回り回って、最後にほとんど壊れている主人公だけど、笑ったのでしょうかね?

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