ネルツ君、一昨日のステージで19位は立派でした。総合でも22位。移籍して弱小チームで良いからエース待遇でアシストつけてもらったらベスト10も狙えるんじゃないか、なんて思いたいけどねぇ。。。
というわけで、しつこく「刑事フォイル」です。全16話、見終わってしまいました。あの終わり方はすごい、と思ったけど、どうやら英国本国では続編が現在もまだ作られているそうです。それを知るとどうやっても見たくなります。ミステリーチャンネルさん、HPにも投稿したけど、是非、お願いします。
なにしろ以前にも書いたように、善と悪なんていう二元論じゃない。いろんな意味で深いし、奥行きはあるし、単純化させない。単純な敵味方ではなく、ドイツ人も普通の人間であり、イギリス人も普通の人間、どちらも嘘をつくし、ずるいこともすれば、場合によっては殺人も犯す一方で、立派な行動をとる者もいる。戦争で毎日何百人もの人間が死んでいるなかで、被害者一人の殺人事件の犯人を追うことの意味、あるいは国内で一人の人間を殺せば(当時のイギリスでは)死刑なのに、戦場での殺人者は英雄になる。こういう矛盾。戦争で勝つために必要な人材なら、殺人であっても目をつぶるべきなのかどうなのか。
事件を通じていろんなことが考えられるわけです。そしてフォイルはぶれない! なんと格好良いことか! 最近はフォイルのちょっと口の右側を上げた表情を思わず真似している自分に気が付きます 笑)あの帽子とコートも真似したいけど、とても僕のスタイルではないので諦めますが 笑)
以前ちょっとだけ紹介した「ヒトラー演説」のときにも書いたけど、○か×かという反知性的なやりかたとは全く違う。世の中は、そして人間は、そんな単純なものではない。拙ブログのメインテーマの一つ、普通の人が悪いことをしたり良いことをしたりするから、人間は恐ろしくもあれば美しくもあるんだということです。こういうドラマは必然的に身内にも悪いことをする奴はいるということになる。
良く言われていることだけど、日本では警官が犯人というドラマはほとんどないですね。(いや、ぼくはあまりTVドラマって見ないから、あるのかもしれないけど、もしあるなら指摘してください)たとえばハリソン・フォードの映画に「刑事ジョン・ブック」という、個人的にはハリソン・フォードの映画では一番だと思っている映画があります。
これは始まって早々に種明かしされるけど、犯人は警官。また、たしかダーティハリーシリーズにも警官が犯人というのがあったように記憶してます。そういう海外映画やドラマはたくさんあると思います。日本のように警察が善玉で悪い奴をやっつけるというパターンは物事を単純化させることで、善悪がはっきりして分かりやすい。だけど一方で、これはお上(かみ)は絶対間違えないっていうものでしょう。これって一般の庶民だけでなく、お上自らがそう思っているふしがあるし、ひょっとしたら、お上自らが、「お上は間違えない」という呪文に呪縛されているのかもしれません。多くの冤罪事件や、不祥事の握りつぶし事件を思い浮かべればそんなはずないのはわかりきってるんですけどね。
こういうパターンを一般の人まで信じ切っているから、刑事フォイルのような複雑で多面的なドラマはあまり日本では受けないのかもしれません。だけど、こういう単純化(=反知性主義=無教養)が、日本社会に蔓延しきっているんじゃないですかね?フォイルを見ていて、そんな風に感じました。

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