ツィッターなどでは「侵略戦争」と「防衛戦争」という、なんとも想像力の欠けた情けなくなるような用語で、良い戦争と悪い戦争というレッテルを貼っている人たちがたくさんいる。
だけど、ちょっと考えてみてくれよ。戦争に良いも悪いもあるかい。そもそも侵略戦争と防衛戦争の定義はどうなってるんだい? 戦争を仕掛けた方が侵略戦争で、仕掛けられた方が防衛戦争か? だったら、日中戦争だけでなく太平洋戦争も侵略戦争だってことだ。
だけどツィッターでそういう言い方をしている人たちは、たぶん太平洋戦争は侵略戦争ではなく、日本は欧米の策略により「やむにやまれぬ」事態に追い込まれたのだ、侵略ではない、と主張するんだろう。
北朝鮮だって、仮にいま戦争を仕掛けてきたとすれば(そんなこと絶対ないと僕は思っている)、経済制裁など日米の北朝鮮敵視という嫌がらせによって、「やむにやまれぬ事態に追い込まれ」たのだと言うだろう。
侵略と防衛なんてどこかで線を引けるものじゃない。どちらの側に立つかで見え方はいくらでも変わる。こんなの子どもでもわかることじゃないの?
典型的な例としてナチスドイツのポーランド侵攻を侵略戦争として挙げるんだろうけど、じゃあ、ポーランドと「集団的自衛権」を結んでいた英仏とドイツの戦争は? ちなみに英仏がドイツに宣戦布告したんであって、上の論理で行けば、受けて立ったナチスは防衛戦争だってことになる。
ようするに、こんなばかげた子供だましの用語で良い戦争と悪い戦争があるかのように考えるのは、拙ブログで繰り返すところの「教養」がないってやつだ。そもそもリアルに戦争を考えたことがない連中が、自分と国を一体化させて勇ましいことを言っているだけ。こういう馬鹿な国民がいてくれると権力者は助かるよね。

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