もう10年も前に出た本だから評価は決まってるんだろうけど、おもしろかったぁ。「おもしろかった」という言葉はちょっと適切じゃないかもしれないけどね。
基本ネタバレの拙ブログですが、こればっかりは言うわけ行きません。上巻はハリウッド映画になりそうだな、と思っていたんだけどね。登場人物も誰とは言えないんだけど、なんかアメリカンな顔立ちのイメージで読んでいたし、人物造形としてもハリウッド映画的で、単純だなと思った。だけど、下巻は、こりゃあハリウッド映画に絶対ならんわ。下巻になったら毎日寝不足。昨日もフレッシュ・ヴァロンヌを見た後、3時過ぎまでかかって読み終わりました。いろんな意味で、なんか、言いようのない寂しさ。。。
登場人物の重度のアルツハイマー病を煩うブライアリー先生の言葉がこの小説のポイントですね。
「類似は最初からそこにある。メタファーはそれを見るだけだよ。そしてメタファーは、たんなる言葉のあやではない。人間の精神の本質そのものだ。われわれ人間は、類似性や対比や関係を見出すことで、自分たちの周囲のものを、自分が経験したことを、自分自身を理解しようとする。われわれはそれをやめられない。たとえ精神がそれをしくじっても、精神は自分に起きていることをなんとか理解しようと努力しつづける」(下、87-8)

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