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山崎行太郎「保守論壇亡国論」を読んで思ったこと

2014.04.20.11:15


保守論壇亡国論保守論壇亡国論
(2013/09/14)
山崎 行太郎

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著者については以前、曾野綾子批判のブログを紹介したことがある。まあ、その関連で読んでみたわけ。昨今の保守を自認する人たちのレベルの低さを語るのだが、僕は残念なことに(笑)櫻井よしこも中西輝政も西部邁も渡部昇一も、コラム程度しか読んだことがない。

山崎の批判は、まずは、昨今の保守評論家たちは「保守」を定義してイデオロギーとして確たるものにしようとする傾向が強いことにある。かつての左翼がイデオロギーとして自らに左翼というレッテルを貼ったことで劣化していったように、こうしたレッテルを貼ることによって分かりやすくなり、自ら考える必要もなくなり、ただお題目として愛国心や国家観、歴史観という言葉を唱えていれば、自らが立派な保守思想を獲得できたかのように錯覚してしまうというわけだ。

イエスの言ったこととキリスト教の教義は(おそらく)違うものだし、マルクスが書き残したこととマルクス主義も違う。主義やイデオロギーといった概念が一人歩きし始めるとき、本来の「現実」から離れていってしまう。主義やイデオロギーに現実の方を強引に当てはめて考えようとする。基準があれば、それに当てはめて物事を判断するのが容易になる。だけど、先にあるのは基準なのか現実なのか? 現実を強引に基準に合わせようなんて、ギリシャ神話のプロクルステスの寝台の話だ。

ただ、櫻井や渡部が「保守」なんていう言葉で、かつての左翼嫌いの文藝評論家小林秀雄や福田恆在や江藤淳なんかと並べて論じられるべきレベルなのかな? あれは保守じゃなくて極右じゃないの? 著者も言うように、小林たちは左翼嫌いだったかもしれないけど、自分たちを保守とわざわざ自己規定しなかった。マルクス主義イデオロギーが大きな影響力を持っていたあの時代に左翼が嫌いだ、イデオロギー的発想(あの時代にイデオロギーと言えばマルクス主義のことだった)が嫌いだ、というのは意味があったのだろうけど、いまは左翼嫌いがイコール保守と言えるのかどうか。そもそも今の時代に左翼とレッテルを貼られている評論家で、マルクス主義イデオロギーの信奉者である人はいるんだろうか?

そういう意味で、保守とか革新とか、右翼とか左翼とか、昔ながらのレッテルにこだわることのおかしさを考えさせられた。



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comment

アンコウ
kubotannkuboさん、

初めまして。コメントをありがとうございました。わたしもあの遊就館、見に行ったことがあります。まあ、居心地は非常に悪かったですね。宗教施設であることは明白で、あれを肯定したら、イスラム原理主義者たちの言い分も、進化論を教えないアメリカのキリスト教原理主義者も批判できないな、という感じでした。そして、宗教施設である以上、政教分離の原則が適用されるべきものでしょう。

しかし、あそこで流された映像では敵は出てこない、死者も出てこない。ただただ勇ましい日本の兵隊さんが進軍していくっていうだけの話。実際はあの背後に敵も味方も、死者が山積みされているわけです。

ツィッターなどでは靖国には「敵味方分け隔て無く祀られている」とか、「戦争で死んだ日本人がみんな祀られている」なんていう大嘘がまかり通っているようですが、ひどいものですよ。安倍が教養がないのはよくわかりますし、その安倍に同調する連中も教養がないのは、もうどうしようもないですね。

西村みずほ銀行会長の話は初めて聞きましたがその通りでしょう。国際的には非常識ということが、今の日本ではたくさんまかり通っちゃっています。

私は自分が保守だ、という意識はありませんが、山崎氏が書いた自称保守の連中はカタカナで「ホシュ」と書くべき存在ではないか、そんな風に思います。
2014.09.27 22:38
kubotannkubo
山崎氏が列挙した自称保守主義者は、小生も以前からなんとなくうさんくさいと思っていた人だった。まさに的確にその理由をしめしてくださったので、胸のすく思いだった。昨年の敗戦記念日の前(みたま祭)靖国神社遊就館(太平洋戦争は侵略ではないとの思想の展示室)に寄ったら、櫻井よし子・稲田朋美の著書が推薦本として山積みになっていた。故西村正雄みずほ銀行会長は、亡くなる直前に、「国家公務員である国会議員・大臣・政府職員はサンフランシスコ条約を日本政府が批准した以上順守する義務がある、その意味で現在の靖国神社遊就館の思想を批判せずにとくとくと参拝するなどは国際的に見れば非常識きわまりない」と書いていた。西村氏は、安倍首相の(何の教養書も読むことのなかった)青少年時代を懸念しつつ見守っていた叔父である。
2014.09.27 11:14

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アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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