いよいよ、アームストロングがやりましたね。イギリスのデイリーメール紙の独占インタビューで、1999年ツールでステロイドで陽性になったときに、前々UCI会長のハイン・フェルブリュッヘン(と以前拙ブログでもご紹介したForvoでは言ってますね)が隠蔽を指示したと述べたようです。フェルブリュッヘンも反論して、あんな嘘つきを誰が信用できるんだ? と、まあ泥仕合の様相。
わたしは、拙ブログでも何度か書いたように、アームストロング以上にUCIに対する怒りのほうが大きいですね。アームストロングだけが、これだけ長くドーピングし続けることができたということは、絶対にUCIが一枚噛んでいたに違いないと、誰でも思うでしょうし、ましてやこのフェルブリュッヘンは、今では国際オリンピック委員会(IOC)の名誉会員とやらですからね。 ふざけるな、 と言いたい。ドーピング隠蔽を禁止する法律がオランダにあるのかどうか知りませんが、詐欺罪とか、なんでもいいから裁判にかけてやりたいところです。
で、問題はフェルブリュッヘンがやっていたなら、後任のマッケイドはどうだったのか。こちらについては、アームストロングは、今のところ、まだ具体的にはなにも言ってないようですが、こんなことも言ってます。
「俺はこんな奴らの誰一人守ってやるつもりはない。俺は奴らを憎んでいる。奴らは俺を裏切りやがった。もう奴らとは関係ない。」
rsn はこれはマッケイドが「自転車界でアームストロングの居場所はない」と言ったことも暗示しているのではないかと推測しています。
アームストロングとドーピングで検索をかけると、あちこちで、当時はみんなやっていたから、ある意味では公平だったわけで、そんななかで7連覇したのだから、やっぱりアームストロングが No.1 だと言っている人も多いようですが、もし仮に、UCIによってアームストロングだけが特別扱いされていたのだとしたら、これは全く話が違ってくるでしょう。
そもそも、自転車競技で選手の特性というのは、そうそう簡単に変わるものではないんだろうと思います。アームストロングのようにワンデーレーサーだったのに、突然TTや山岳に強くなってステージレーサーに変身したケースというのは、以前はまったくなかったわけで、ある意味ではEPOという薬のおかげであるのは間違いないでしょう。それ以前にも圧倒的に強いワンデーレーサーはいたし、彼らはステージレーサーになろうと努力しなかったはずはありませんが、果たせなかったわけです。(人によってはモゼールやサロンニの名前を出すかもしれないけど、彼らがジロで勝てたのはコースが彼ら向きにレイアウトされていたという点が一番大きいのではないかと思います)
ところがEPOが蔓延し始めた90年以後は、エレラ言うところの「ケツのでかい」インドゥラインも、万年アシストだったリースも、スプリンターのジャラベールも、山岳スペシャリストのパンターニも、みごとに総合力ある選手に変身したわけです。以前から拙ブログでは強調してきたように、 EPO以前と以後 ではドーピングの持つ意味合いが全く変わってしまったのだろうと思います。
その差は、ちょっと意味合いは違うけど、ちょうどアワーレコードのオーブリー以前と以後みたいなものを感じます。まあ、アワーレコードでは、オーブリーのフォームにより、タイム的には ほぼ一割 の差ができたのにたいして、EPOの効果は一説では 二割増し とも言われますから、影響はずっと大きいのでしょうけど。

にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト
trackbackURL:http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/tb.php/1540-868250ac