「今朝の本音のコラム」で竹田茂夫が生活保護の改悪について、こう書いていた。
「低所得層を分断して互いに反目させ、発言力の弱い層から各個撃破していく保守政治の陰湿な手法」
白戸三平の「カムイ伝」に、支配者側の武士たちが被支配階級の農民と被差別階級の非人を反目させることによって自分たちの安寧を計るというやり方が述べられていた。
これを初めて読んだ頃はすでに学生運動の時代ではなかったし、一億層中流などといわれていて、いわゆる階級闘争があまりに図式的に書かれているのではないかと思ったものだったが、21世紀になって、日本では新たな階級闘争が始まったのかもしれない。
生活保護の問題は不正受給者の問題ではない。なぜ受給者が増えたのか、本当に必要な人が使いやすくするとともに、そうした状態から脱却するための仕組みを考えることが一番大切なことだろう。
小泉政権下の構造改革により、日本の景気は良くなったと言われた。しかし現実には生活保護受給者が増えた。これは何を意味するのか。小学生だって分かる話だ。それをレイシスト集団「在特会」の女王とも言われる保守政治家が不正受給者の問題にすり替えた。そしてそれを拍手喝采した人達もたくさんいた。以前にも書いたように、現代の日本は いじめ社会 そのものだ。人々は自分より弱い人間を叩くことで憂さ晴らしをしている。なんとさもしいことだろう。
伊藤恭彦の「さもしい人間」は現代社会の行きすぎた市場万能主義にあって、「正義」を実現するためのシステムを考えないと、人間はどんどん「さもしく」なっていくと説く。こんなのただの理想論だという「現実主義」的な人もいるだろうけど、最低限、この本に書かれている程度の倫理観を、日本人は人間として共有すべきだろう。
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