TPP、難しい話でよく分からない所もたくさんあるんだけどね。ただ、
ウィキリークスによって暴露されたニュージーランドとアメリカの話し合いで、「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に
合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と言っているわけで、TPPによって、日本がどうなるか、という結果以上に、彼らが言うところの「目標」こそが一番たいへんな問題だ。
どうせ世界経済の話なんて俺には関係ないや、って思うかもしれないけど、食の安全の問題、国民皆保険制度、格差の問題など、TPPによって引き起こされる問題のほうが、中国や韓国との領土問題なんかよりも、あるいは北朝鮮のミサイルなんかよりも、ずっと具体性のある大問題だと思うけどね。
21世紀に入り、人々は小泉を圧倒的に支持した。同時に自己責任という言葉が蔓延し、弱いものいじめが横行し、いじめられる方も自己責任ですから、といじめられることに納得し、場合によっては、自分よりさらに弱いものへのいじめに走った。小泉を圧倒的に支持した結果は、一億層中流などと言われた20世紀の後半を生きてきた僕のような人間には信じられないような格差社会だった。
少なくとも、金持ちが大金持ちになれば、貧乏人が増えたり、より貧乏になるのは、エネルギー保存の法則って奴だ。TPPも、まさにこの金持ちによる金持ちのための金持ちのものなんだろうというのは、なんとなくわかる。現在の格差社会をさらに完全なものにするものなのだろう。
今回安倍は日本の主張が受け容れられたので交渉に参加すると言っているけど、これをまともに信じる一般の日本人はかなりお目出度い。このまま国民のあいだで大きな反対のうねりが生じなければ、業界や族議員がいくら反対しようが、なし崩し的にTPPに参加することになるんだろう。10年後、日本では遺伝子組み換え食品が溢れ、農村は消滅し、震災復興なんてまったく進まず、当然雇用は減少し、株価は上がっても一般の給料は下がるばかりで、皆保険制度もなくなって高い保険料を払っていないと盲腸すら手術できない、なんてことになってなければ良いけどね。
結局、太平洋戦争の頃から変わっていないんだよ、日本って国は。国民がいくら死のうが、国体が守られれば良いって考えていた当時の上層部と同様に、国民がいくらひどいことになろうが、株価が上がれば良いって考えている現在の政府。
良ければ、下のボタンを押してみてください。

にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト
trackbackURL:http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/tb.php/1227-9ccd3baf