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孫崎享「戦後史の正体」を読んで

2012.11.25.09:05


戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)
(2012/07/24)
孫崎 享

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戦後史を対米追随派と自主独立派のせめぎ合いという視点で見直したものである。「ある程度」これまでも公然と言われてきたことだ。だから、この本を謀略史観だと言っている人たちの気が知れない。ただ、「ある程度」ではなく、ここまで戦後の政治史の各シーンを対米追随と自主独立で切り分けて、説得力を持って書いてあるのがすごい。

この本を読むと、もう戦後のあらゆることがアメリカの手の上で踊らされていたに過ぎないということがわかる。特に60年安保の始まりから終わりまでアメリカの手の中で行われていたというのには驚かされた。ここに書かれていることがすべて正しいのかどうかは、ぼくにはむろんわからない。特に最近の福田首相の辞任のウラを推測しているところなど、ホントかぁ?と言う気もした。しかし、この本に書かれている筋道で戦後の政治史を見直していくと、最近の民主党政権がどんどん劣化していく原因も、ほぼ完璧に納得させられる。

少なくとも、この本に書かれていることはかなりの程度真実なのだということを前提に、これからの日本のことを考えて行かなくてはならないのだろう。特に原発とTPPはアメリカのものすごい圧力があるはずだ。そして、それを後押しする大手マスコミの刷り込み作業。これに対して、ぼくたちは今度の選挙で「否」と言えるのだろうか?

ただ、日本が戦後しばらくして、自主独立を貫いていたら、現在の日本はどうなっていたかはわからない。対米追随派だって、むろんアメリカに従うことが日本の国益につながると考えていたのだろう。

しかし、小泉以後、現在にいたるアメリカべったりは、あきらかに日本にとって善いことではない。特に現在の日本の一般の人々にとって原発とTPPの問題は、なんとしてでも阻止しなければならないことだ。ただ、ここまで来てしまって、果たしてそれは可能なのだろうか。もう、アメリカの国力が落ちることを待つしかないと追わせるほど暗澹たる気持ちにさせられる。

自主独立派で公職追放された石橋湛山大蔵大臣の「後に続いて出てくる大蔵大臣が、おれと同じような態度をとることだな。そうするとまた追放になるかもしれないが、まあ、それを二、三年続ければ、GHQ当局もいつかは反省するだろう」という言葉を胸に、捨て石となってくれる為政者が出てくれることを期待するしかない。

教科書にしたいぐらいの本である。日本人は、この本に書かれていることがある程度の真実なのだという共通の認識を持った上で、では、どうするかを考えていくべきなのだろう。たとえば、みんながここに書かれている歴史を共有せずして、憲法改正などと軽々しく言ってはいけない。今のままの状況で改正すればアメリカのために戦場へ行く日本人がたくさんでてくることだろう。

日本人みんなに読んで欲しいと強く思う。


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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