レーピンというロシアの画家の展覧会を見てきました。といっても、日本ではあまり知られてませんよね。19世紀末から20世紀初めの、ロシア革命前夜、怒濤の時代の画家です。
ロシアの革命前夜の画家たちは一時期好きで、画集なんかも随分集めました。そんななかで好きだったのは、なぜか、このクラムスコイという人の書いた荒野のキリスト。

© 講談社版 世界の美術館「トレチャコフ美術館」1969
ショックを受けたのは、一見シュールリアリズムの絵かと思うようなヴェレシチャーギンという画家の「戦争礼賛」という絵。

© G.Hallmann, Russische Realisten (ISBN 3-475-52543-7)
まあ、今回の展覧会はレーピンの作品だけでしたが。
そうそう、20年ぐらい前にトレチャコフ美術館、ロシア近代絵画という展覧会があったときに見たレーピンの娘の肖像画がまた来ていて、おお、お久しぶり、って気持ちになりましたね。
で、レーピンというとこの絵が一番有名でしょうか。


© G.Hallmann, Russische Realisten (ISBN 3-475-52543-7)
ボルガの曳舟人足の絵です。船を流れに逆らって人力で引っ張る人足たちの絵で、当時の帝政ロシア時代の貧しい人々の過酷な労働を描いたものです。むろん今回の展覧会には素描や下書きや別バージョンは来てましたが、この有名なのはさすがに来てません。
他にも政治犯を護送する馬車が泥沼のような道を行く絵とか、死刑囚が教誨師の差し出す十字架を拒否するシーンとか、あるいは民衆集会で弁舌をふるう学生革命家とか、革命前夜の雰囲気が漂う絵がいくつもありました。
レーピンという人は当時の帝政ロシアの民衆の悲惨さを告発するような絵や、革命家達の絵(発表禁止になったものもいくつもあるようです)を描いたかと思うと、とてもリリカルな絵や、肖像画、あるいはロシアの歴史に基づいた劇的な絵を描いた人で、今回の展覧会にもそういうタイプの違う絵がいろいろ出ていました。それほど混雑していなかったですが、東京では10月8日までですね。
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